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Trademark Appeal Case

ヨーグルトきのこの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−23529(T2004−23529/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ヨーグルトきのこ」の文字を標準文字で書してなり、第29類「ケフィア(ケフィール)」及び第30類「ケフィアの種菌,ケフィア粒」を指定商品として、平成14年11月9日に登録出願されたものであるが、指定商品については、原審における平成16年1月22日付け手続補正書をもって、第29類「ケフィア(ケフィール)」及び第30類「ケフィアの種酵母,ケフィア粒構成酵母」に補正され、さらに、当審において、平成16年10月20日付けの手続補正書をもって、第29類「ケフィア(ケフィール)」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、『ヨーグルトきのこ』の文字を書してなるものであるが、当該文字は、『乳酸菌等で発酵させてできたきのこ状のヨーグルトの一種、もしくは、ケフィア粒、ケフィア(ケフィール)』を意味するものとして使用されたりして、その意味は必ずしも一定しないものの、ある種の発酵乳、あるいはそれを作る種菌を示すものとして一般需要者の間に広く知られているものと認められる語であることは、東京高裁 平成11年(行ケ)第274号判決により明らかである。

したがって、これをその補正後の指定商品『ケフィア(ケフィール)、ケフィアの種酵母、ケフィア粒構成酵母』に使用しても、単に商品の品質を表示したにすぎないものと認める。

この点について、出願人は、本願商標の指定商品は『ケフィア』であり、先例の審決・判決の指定商品である『乳製品』とは異なるので、先例を踏襲した拒絶理由は失当である旨述べている

しかしながら、上記判決では『ヨーグルトきのこ』は、『ケフィア(ケフィール』と同視されたり、同義語であると示していることからすれば、本願商標をその指定商品である『ケフィア(ケフィール)、ケフィアの種酵母、ケフィアの粒構成酵母』に使用しても、いまだ、商品の品質を表示したにすぎないものと認めるのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断

1 商標法第3条第1項第3号について

(1)商標法第3条第1項第3号として掲げる商標が、商標登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示としてなんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(昭和53年(行ツ)第129号判決 最高裁判所 昭和54年4月10日判決言渡)。

そこで、これを本件について検討する。

(2)「ヨーグルトきのこ」と「ケフィア(ケフィール)」について

本願商標は「ヨーグルトきのこ」の文字よりなるところ、「ヨーグルトきのこ」の文字(語)は、「乳酸菌等で発酵させてできたきのこ状のヨーグルトの一種」を意味するものとして使用されたり、「ケフィア粒」を意味するものとして使用されたり、ケフィア粒によって発酵された発酵乳である「ケフィア」あるいは「ケフィール」を意味するものとして使用されたりするなど、その意味は必ずしも一定しないものの、いずれにせよ、ある種の発酵乳そのもの、あるいはそれを作る種菌を示すものとして、書物などを含め相当に広い範囲で使用されたことが認められ、そうすると、平成11年6月30日において、上記のような意味を有するものとして、一般需要者の間に広く知られているものと推認することができる(平成11年(行ケ)第274号判決 東京高等裁判)。

そして、「ヨーグルトきのこ」の文字(語)が、上記のような意味を有するものとして、一般需要者の間に広く知られているという状況は、別掲記載の事実よりすれば、現在においても変わるところはないものと認められる。

(3) 請求人の意見

請求人は、「本願商標は、原査定において、『その商品又は役務の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』(商標法第3条第1項第1号)に該当するとして拒絶されるべきであった。」旨主張する。

そこで、この点について検討するに、別掲記載の事実よりすれば、「ヨーグルトきのこ」の特徴は、「湿潤状態で、生のまま人の手から人の手に伝搬されるケフィアである」こと及び「他のケフィアよりも酸味や臭いが強いケフィアである」ことにあると、一般に理解されているものと推認し得る。

してみれば、「ヨーグルトきのこ」は、「湿潤状態で、生のまま人の手から人の手に伝搬され、他のケフィアよりも酸味や臭いが強いという品質を有するケフィア」をいうとするのが相当である。

そうとすれば、本願商標がその指定商品の品質を表示するにすぎないものとした原査定の判断に誤りはない。

したがって、上記請求人の意見を採用することはできない。

さらに、その他の請求人の意見をもってしても、商品「ケフィア」の品質を表示するものとして把握、認識するにとまるものであるとの前記(2)の認定を左右するに足りないものである。

2 結語

以上よりすれば、本願商標は、これをその指定商品「ケフィア(ケフィール)」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、商品の品質を表示するものとして把握、認識するにとどまるものであり、かつ、「ヨーグルトきのこ」の語が「ケフィア(ケフィール)」の品質を表示するものとして普通に使用されている実情を考慮するならば、本願商標は、なんぴともその使用を欲するものであるといえるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものである。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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