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Trademark Appeal Case

記述的文字とありふれた図形の結合

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−22005(T2006−22005/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、第3類「化粧品,せっけん類」を指定商品として、平成16年12月24日に登録出願され、原審における平成17年11月16日付け提出の手続補正書により、第3類「コエンザイムQ10を配合してなる美肌の生成を促すためのクリーム状の化粧品,コエンザイムQ10を配合してなる美肌の生成を促すためのクリーム状のせっけん類」に補正されたものである。

2 原審の査定の理由の要旨

原審では、「本願商標は、正方形を上下均等に二等分し、白地の上段部分に『美肌』の文字を配し、黒地の下段部分に白抜きで『Q10』の文字を配し、正方形の下に『active cream』の文字を書してなるところ、『美肌』は、『肌を美しくすること』を意味し、『Q10』は、『コエンザイムQ10』の略字を表す語として広くしられており、『active cream』は、『積極的に生き生きとはずむ素肌へ導く等の作用を促すクリーム』という意味合いを表す語として広く使用されているものであり、構成文字全体としても、『コエンザイムQ10を配合して、積極的に美肌効果を促すクリーム状のもの』との意味合いを認識させるにすぎず、前記正方形図形もありふれたものにすぎない。そうすると、本願商標を補正後の指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、別掲1のとおり、正方形を上下に2等分し、上段の白地の長方形の輪郭内に「美肌」の文字を、下段の黒塗りの長方形内に「Q10」の文字を白抜きで配し、その正方形の下に「active cream」の文字を書してなるが、構成中の「美肌」の文字は、「肌を美しくすること。また、美しい肌。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)の意味を有し、別掲2「新聞記事検索情報及びネット上の商品情報」の「(3)美肌について」によれば該文字が商品「化粧品」の品質(用途)を表示する語として一般に使用されている事実が認められる。

つぎに、「Q10」の文字は、「コエンザイムQ10」の略称と認識されるところ、該文字は「代謝を行うときに働く酵素の働きを助ける補助酵素。」を意味し、「抗酸化作用により、細胞を若々しく保つ効果があるとされる」(以上、2007年版イミダス1233頁)ことが知られており、同じく別掲2「新聞記事検索情報及びネット上の商品情報」の「(2)コエンザイムQ10について」によれば、該文字が商品「ローション,クリーム,目もと美容液,せっけん」の品質(内容)を表示する語として一般に使用されている事実が認められる。

さらに、「active cream」の文字は、別掲2「新聞記事検索情報及びネット上の商品情報」の「(1)アクティブクリームについて」によれば、「潤いのある肌にさせるクリーム」の意味合いを容易に理解、認識させ、商品「クリーム」等の品質、効能等を表す語として使用されている事実が認められる。

したがって、本願商標を構成する文字部分は、これを本願の指定商品に使用しても自他商品識別標識としての機能を有しないものと認められる。

なお、以上のことは、請求人も認めているところである。

また、請求人は、「この正方形図形のデザインは、上段の白地部分には美肌の文字が記され、下段の黒地部分にはQ10の文字が白抜きされたものであり、これら全てが合わさって一つのデザインを形作っているのであるから、本願商標は、少なくとも正方形の図形に囲まれた部分に関しては、一体且つ分離不可能な構成からなるものである。本願商標の正方形部分のデザインについて詳細にみていくと、正方形の上部を白、下部を黒にし、白と黒の分量を等分になるように配色をすることで、白と黒のコントラストが際立つようになっている。このように、コントラストを際立たせることで、遠くからでも判別できるようになっている。更に、文字部分についても、需要者の目にとまるように、白地部分には黒地の文字を、黒地部分には白地(白抜き)の文字を配置している。また、正方形全体をみた場合、上下対称となるような配色がなされている。つまり、この正方形部分のデザインは、全体として1つのデザインであり、一体なのであるから、全体としてみれば登録要件を具備している。」旨主張している。

ところで、本願の指定商品を取り扱う化粧品業界において、購入する年齢層・男女別に包装や容器がデザインされ、採択、使用されていることは周知の事実であるが、これをコエンザイムQ10を扱う包装用容器についてみた場合、別掲3「コエンザイムQ10の包装容器」の例に徴しても、文字の書体、包装容器の配色等についても工夫を凝らしていることが容易に理解できるところである。

そうとすれば、本願商標は、その構成文字中の「Q10」の文字が多少図案化され、長方形の白黒の地及び正方形の輪郭の図形の組み合わせから構成されているが、この程度のものは化粧品の容器等のデザインとして普通に採択される文字書体(図案化の程度)及び文字の背景(地)の図形と認められるから、普通に用いられる程度の範囲を超えるものとは認識し得ないものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標を本願の指定商品に使用したときは、取引者、需要者をして、単に商品の品質(原材料、効能等)を表示するものと認識されるから、自他商品識別標識としての機能を有さないものであり、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。

なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきであると主張しているが、請求人の挙げる登録例は、本願商標とその構成態様を異にするものであり、同一に論ずることはできない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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