Trademark Appeal Case
「すべすべ」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−28402(T2006−28402/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「すべすべ」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年2月4日に登録出願された2005年商標登録願第9152号に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願(分割出願)として、平成18年1月4日に登録出願され、その後、指定商品については、原審において、同年3月6日付け手続補正書及び同年9月19日付け手続補正書により、最終的に「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,失禁用おしめ,はえ取り紙,防虫紙,人工受精用精液,食餌療法用食品,食餌療法用飲料」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『すべすべ』の文字を標準文字で表示してなるが、指定商品との関係において、該文字が『人の肌や物の表面などに手で触れたとき、なめらかでさらっとして心地よいさま』の意に通じる語として親しまれており、皮膚治療薬や浴剤などを取り扱う業界において、『すべすべ』『スベスベ』の文字が商品の品質、効能等を表示するものとして用いられている実情があるから、本願商標をその指定商品中の『外皮用薬』に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、その商品が『肌をすべすべにするものであること』の意を表示したものと理解するにとどまり、本願商標は、単に商品の品質(内容)、効能、用途を表わしたものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「すべすべ」の文字よりなるところ、「すべすべ」の文字は、「物の表面に凹凸がなくなめらかなさま。『―した肌』」(株式会社岩波書店発行「広辞苑第五版」参照)を意味する語として、一般に広く親しまれ、かつ、普通に使用されている語ということができる。
しかして、本願商標は、その指定商品中に、例えば皮膚疾患治療薬、皮膚軟化剤、浴剤のような「外皮用薬剤」のほか、ビタミン剤等の「薬剤」など、肌に適度ななめらかさを与えることが求められる商品、または肌をなめらかにする効果を期待される商品を含むものであって、当該分野においては「すべすべ」の文字は「なめらか」、「すべすべした」等の意味合いを表す語として、広く使用されているものであり、これら商品との関係では、「(肌を)なめらかにする」、「(肌を)すべすべにする」との意味合いが容易に看取されるものということができる。
「すべすべ」の文字が、「薬剤」との関係で用いられた場合、「(肌を)なめらかにする」、「(肌を)すべすべにする」との意味合いを、容易に看取し得ることは、例えば、原審における平成18年3月9日付け提出の刊行物等提出書において、商品「パスタロンSEクリーム60g」について、「手指をすべすべに。お肌をなめらかに。かゆみを伴う乾燥肌に/サトウ製薬」との記載、商品「チョコラザーネプラス」について、特徴として「ガサガサ手指がすべすべに、コチコチかかとがなめらかに、手指のあれ、角化症の治療薬」との記載、商品「ザーネクリーム 販売名:ザーネクリームE」について、特徴として「膚あれ、あれ性に。角質層に直接働き、手・肌しっとりすべすべ。手・肌のあれをケアします。」との記載、商品「ワムナールDX」について、見出しに「ワムナールDX65g(しっとりすべすべ)プロたん薬局ISHOP」との記載、商品「プラセンタ(ビタエックス)VITA−X『医薬品』」について、「II臓器血液循環促進作用、3.つやのある爪、すべすべの皮膚を作ります。」との記載、商品「ラックススパモイストアロマバスエッセンスローズ詰替420mL」について、見出しに「つややかですべすべな素肌に」等の記載があることからも、十分に窺うことができる。
また、当審における調査においても、インターネットウェブサイトに、「お肌すべすべ」の記載の見出しのもと、商品「【貴陽石】恵優泉の湯」について、「・・・お肌のことを考えた入浴剤として、和歌山の天然温泉水にクエン酸配合ミネラル組成物を添加しています。」等の記載(http://item.rakuten.co.jp/manten-reishun/bath-004/)、「しっとりスベスベ、潤いのあるお肌を保つ入浴剤」の見出しのもと、株式会社フローラの商品「天然植物エキスの入浴剤フローラ・バス102」についての記載(http://www.hb-101.co.jp/flora_bath/index.html)、「すべすべフルーツ酸、ローズマリーの香り」の見出しのもと、紀陽除虫菊株式会社の商品「お肌よろこぶ入浴剤 すべすべフルーツ酸」についての記載(http://www.kiyou-jochugiku.co.jp/products/nobopin/yorokobu.htm)等が存在する。
そうすると、本願商標「すべすべ」の文字を、その指定商品中「外皮用薬剤」等の「薬剤」に使用したときは、これに接する取引者、需要者は、該商品が「(肌を)なめらかにする商品」、「(肌を)すべすべにする商品」等の如く、商品の品質、効果、効能を端的に表したものとして理解させるというほかなく、他に何ら自他商品の識別標識としての機能を有しない商標というべきである。
また、「(肌を)なめらかにする商品」、「(肌を)すべすべにする商品」以外の「薬剤」に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
ところで、請求人は、原審において提出された刊行物等提出書に記載された「すべすべ」の文字が、単独で使用されていないことを挙げて、「すべすべ」の語は、それ自体で完結した言葉ではなく、何がすべすべであるのか商品の属性と直結しておらず完結した言葉ではないから、商品の品質表示とはいえないものであり、本願商標は、自他商品の識別機能を有する旨主張する。
しかしながら、前記のとおり当該分野において、「すべすべ」の文字は「(肌を)なめらかにする」、「(肌を)すべすべにする」等の如く多数使用されていることからすれば、たとえ「すべすべ」の文字が単独で使用されていない場合があるとしても、本願商標は、前記のとおり、「薬剤」の品質、効果、効能等を表したものとみるほかなく、この点に関する請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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