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Trademark Appeal Case

著名略称の商標登録

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成10年審判第35419号
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4073622号商標の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4073622号商標(以下「本件商標」という。)は、「EVANGELION」の文字を書してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,げた,草履類」を指定商品として平成8年1月16日に登録出願、同9年10月24日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第56号証を提出した。

本件商標は、請求人が制作し、テレビ放映されたアニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」の著名な略称と同一の標章である。同アニメーションは本件商標が出願された平成8年1月には、我が国において大人気となっており、「EVANGELION」若しくは「エヴァンゲリオン」も同アニメーションの題名の略称として著名になっていたものである。

したがって、本件商標を請求人と関係のない他人が商標として使用した場合、その商品は請求人が提供する商品或いは請求人から商品化の許可を得た商品若しくは請求人と業務上何らかの関連を有している者が製造、販売している商品かの如くに、一般の消費者、需要者に誤認、混同を与えるものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当し商標登録を受けることができなかったものである。

また、請求人は同アニメーションのキャラクターについて商品化の許諾を株式会社バンダイ、株式会社セガ・エンタープライゼス等に付与し、これらの会社より種々のキャラクター商品が市場に提供されており、アニメーションの人気化と共にこれらのキャラクター商品も周知・著名となっていたものであり、キャラクター商品に付された標章「EVANGELION」「エヴァンゲリオン」は、本件商標が出願された平成8年1月には、同アニメーションのキャラクター商品を指称する商標として周知・著名になっていたものである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号にも該当し商標登録を受けることができなかったものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決を求め、要旨次のように述べた。

本件商標は、「新世紀エヴァンゲリオン」とは外観を異にし、称呼も異なる。また、「新世紀エヴァンゲリオン」と本件商標の観念が直ちに同じであるといえない。

さらに、アニメーション「新世紀エヴァンゲリオン」に興味をひく対象はキャラクター商品の出所の誤認、混同を判断する能力のある成人ではなく、そのキャラクター(デザイン)に興味を示す限られた年齢層以下の年少者が大半であり、いわゆる一般大衆ではない。キャラクターが即商標機能をもつものではない。

4 当審の判断

請求人の提出した甲各号証に徴すれば、次の事実が認められる。

1)平成6年6月15日、請求人の発行に係る雑誌「G.Press」において、同人の企画に係る新作漫画「新世紀エヴァンゲリオン」(NEON GENESIS EVANGELION)が「エヴァンゲリオン」の語の意味等を含めて紹介されていること(甲第1号証)。

また、平成7年4月1日、角川書店の発行する雑誌「月刊ニュータイプ」において、請求人に係る最新作漫画「新世紀エヴァンゲリオン」が紹介され、同年秋よりテレビで放映開始となる旨が掲載されていること(甲第4号証)。

2)請求人の企画する漫画「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビ放映に関し、「テレビ東京」、「テレビ北海道」、「TXN九州」、「テレビ大阪」、「テレビせとうち」では毎週水曜日の午後6時30分に放映され、「テレビ愛知」では毎週木曜日朝7時35分に放映される旨のポスターが作成されたこと(甲第3号証)。

3)平成7年10月4日の毎日新聞のテレビ番組欄には「テレビ東京」で午後6時30分から午後7時まで「エヴァンゲリオン」が放映される旨記載されていること(甲第2号証)。

4)平成7年2月1日、角川書店の発行する「月刊少年エース2月号」には、次号より請求人の制作に係る漫画「新世紀エヴァンゲリオン」が連載される旨予告され、その一部が掲載されるとともに、同漫画の題号を特定する表示としてやや図案化した「エヴァンゲリオン」の文字及び白抜きの欧文字で表された「EVANGELION」を使用していたこと(甲第8号証)。

5)平成7年9月1日初版発行、平成9年7月10日第19刷発行となる請求人の企画に係る漫画「新世紀エヴァンゲリオン」の単行本が角川書店より発行され、同漫画の題号を特定する表示として、白抜きで比較的小さい「新世紀」の文字のほかに、「エヴァンゲリオン」の文字と「EVANGELION」の文字とを重ね合わせ極めて大きく表示されていること(甲第9号証)。

6)平成7年12月20日、漫画「新世紀エヴァンゲリオン」のフィルムブックが角川書店より初版発行され、その表紙の題号表示部分には白抜きの「NEON GENESIS」の文字に比べて白抜きの「EVANGELION」の文字が大きく表示されていること(甲第10号証)。

7)平成8年6月3日発行の「スポーツニッポン」に「『エヴァンゲリオン』は西暦2015年の近未来を舞台にしたロボットアニメで、昨年10月から今年4月までテレビ東京系で放送され大反響を巻き起こした。また、同アニメのゲームもヒットするなど、昨年から高校生・大学生をまきこんで『エヴァンゲリオンブーム』が起こっている。『新世紀エヴァンゲリオン』サウンドトラックアルバムが30万枚をを突破、きょう6月3日号の『オリコン』アルバムチャートで1位にランクされた。」等の記述がされていること(甲第5号証)。

8)平成9年4月の雑誌「日経エンタテイメント創刊号」には漫画「新世紀エヴァンゲリオン」の題号の略称として「エヴァンゲリオン」が大きな文字で表示され、同漫画は「2年前の95年10月から96年3月にかけて、毎週水曜日午後6時半から30分間、テレビ東京系で放映された。平均視聴率こそ7.1パーセントと平凡な数字だったが、放映終了後も人気は衰えず、ビデオやLD、CDなど主要ソフトだけで売上げは210億円を軽く突破した。」と記述されていること(甲第55号証)。

9)テレビ東京系アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のエンディングテーマが記録されたCDが販売されたこと(甲第6号証)。

以上の事実を総合勘案すると、「EVANGELION」「エヴァンゲリオン」の語は、請求人が企画した漫画「新世紀エヴァンゲリオン」において創造した語であり、同漫画はテレビ東京等での放映、雑誌「少年エース」における連載、単行本の発行、同漫画のテーマ音楽を記録したCDの発売、新聞・雑誌における紹介等によって、請求人の企画に係る同漫画の題号の略称ないしは同漫画に登場するキャラクター名として、本件商標の登録出願前には既に需要者、取引者の間に広く認識されていたものと認められる。

また、漫画等のキャラクターの名称が本件商標の指定商品をはじめ種々の商品に使用されることも一般的に行われているところである。現に、甲第38号証ないし甲第52号証によれば、上記漫画のキャラクターが各種商品について使用されていることが認められる。

しかして、本件商標は、上記漫画の題号の略称ないしはキャラクター名として広く認識されている「EVANGELION」と同一の綴り字からなるものである。

そうすると、本件商標をその指定商品について使用した場合、これに接する需要者、取引者は広く認識されている上記「EVANGELION」、「エヴァンゲリオン」を連想、想起し、請求人又は請求人と組織的・経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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