結論テキスト
その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年審判第35060号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3370395号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に表示したとおりの構成よりなり、平成5年8月4日登録出願、第9類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)、その他の電子応用機械器具及びその部品、電気通信機械器具、録音済みコンパクトディスク、その他のレコード、遊園地用機械器具、録画済みビデオディスク、家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、同10年10月9日に設定の登録がされたものである。
請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第8号証を提出している。
(1)本件商標の意味合い
本件商標は、「Power/パワー」と「Vision/ビジョン」とからなることは容易に理解できる。
しかるに、「Power/パワー」は本件商標の指定商品の分野においては「電力出力」「出力」を意味するだけでなく、さらに、他の語と結合した場合も、例えば、「Power Amplifier(パワーアンプ)」(甲第2号証)、「Power Electronics(パワーエレクトロニクス)」(甲第3号証)、「Power Detection(パワー検波)」、「Power Detector(パワー検波器)」、「Power Transistor(パワートランジスター)」(甲第4号証)の如く、「大電力、大出力(高出力)」の意味合いのものとなっている。
「Vision/ビジョン」は本件商標の指定商品の分野においては他の語を結合されて、例えば、「Hi−Vision(ハイビジョン)」、「クリアビジョン」、「ワイドクリアビジョン」、「Hi−Vision LD(ハイビジョンLD)」、「ナイトビジョンゴーグル」(甲第2号証)の如く、「画像、映像」等の意味合いのものとなっている。
以上述べたことからして、本件商標の指定商品の需要者は本件商標全体からは「大出力の画面、大出力の映像」の意味合いが容易に感得できる。
(2)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号
本件商標の意味合いである「大出力の画面、大出力の映像」は「大きな出力によって鮮明にされた画面・映像」を指すものと理解できる。さらに、「Power User」(甲第5号証)のように「高いレベルの」等の意味合いもあることから、本件商標全体として「高品質の画面、映像」の意味合いも感得できるとも言える。
一方、本件商標の指定商品中には画面、映像の鮮明性が商品の販売に際してセールスポイントとなるテレビジョン受信機、ディスプレイを有する電子計算機端末・カーナビゲーション、LDプレーヤー、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー等の商品が数多く含まれている。したがって、本件商標がこれらの商品に使用された場合には、「大きな出力によって鮮明になった画面・映像を映し出せるもの」という商品の品質を表示するものとなる。とりわけ、LDプレーヤーにあっては、LDからの信号を増幅して出力を上げて画面、映像を鮮明にすることは充分考えられる。
また、上記商品以外の商品に本件商標が使用された場合には必然的に商品の品質を誤認させるものとなる。この点で、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(3)商標法第3条第1項第6号
上述したことから明らかなように、本件商標の「Power/パワー」と「Vision/ビジョン」の各文字は、いずれもその指定商品との関係では自他商品識別力を欠くものである。そして、それらが結合された場合、両者の意味合いを結合した以上の特別な意味合いは感得できない。このように、本件商標が自他商品識別力を欠く語を単に並べたものからなるものに過ぎないことから、その指定商品に使用されたときに自他商品識別標識として機能できない。したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
被請求人は、何ら答弁するところがない。
本件商標は、別掲に示すとおり「Power Vision」の文字と「パワービジョン」の文字とを二段に書してなるところ、「Power/パワー」の文字と「Vision/ビジョン」の文字を組み合わせてなるものと容易に理解させるものであり、請求人の提出にかかる書証よりみて、以下の点を認めることができる。
(1)甲第2号証のオーディオ・ビジュアルの「アンプ」の項には、「パワー(power)アンプはプリアンプからの信号をさらに増幅してスピーカーを駆動する。・・・・出力(out put)はパワーともよばれ、電力出力の意味。」との記載、同第3号証の「パワーエレクトロニクス(power electronics)」の項には、「パワーエレクトロニクスとは,電力用半導体素子を用いて電力やエネルギーの変換,制御に関連した技術であって,半導体デバイス,制御理論,電気機器などの境界学術領域である.」との記載、同第4号証の「パワー検波(power detection)」の項には、「拡声器や録音機などの装置にかなり大きな電力を直接供給するのに,検波装置の出力電力を用いることができる検波方式.」との記載、同「パワー検波器(power detector)」の項には、「感知できるほどのひずみをひき起こすことなしに,大きい入力信号を処理することが出来る検波器。」との記載、同「パワートランジスター(power transistor)」の項には、「大電力,大電流用に設計された接合トランジスター.」との記載、同第5号証「パワーユーザー[power user]」の項には、「高度な処理を要求するコンピューターの利用者.上級者.」との記載が認められる。
(2)甲第2号証「ハイビジョン[Hi−Vision]」の項には、「NHKが中心となり開発した高品位・高精細テレビの一規格。」との記載、同「EDTV[extended definition television]」の項には、「現行テレビ放送(NTSC)の高画質規格で、クリアビジョンの愛称をもつ。・・・・EDTVIIはワイドクリアビジョンの愛称で分かるように、16:9の横長画面や水平・垂直解像度の改善が特徴で、・・・・」との記載、同「ナイトビジョン ゴーグル[night vision goggle]」の項には、「暗視技術を用い、暗闇でも自由に見える双眼鏡状の装置.」との記載が認められる。
以上の(1)及び(2)よりして、「Power/パワー」の文字は「大電力、大出力(高出力)」の意味合い、「Vision/ビジョン」の文字は「画像、映像」の意味合いのものと容易に理解され、本件商標の「Power Vision/パワービジョン」の文字は、「大出力の画面、大出力の映像」あるいは「大きな出力によって鮮明にされた画面・映像」を指すものと理解させるものというのが相当である。
また、本件商標の指定商品中、例えば「テレビジョン受信機、ディスプレイを有する電子計算機端末・カーナビゲーション、LDプレーヤー、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー」等、画面、映像の鮮明性が求められる商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、該商品が大きな出力によって鮮明にされた画面・映像であることを認識し、商品の品質を表示したものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものといわなければならない。また、これを前記品質を有しない商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)、その他の電子応用機械器具及びその部品、電気通信機械器具」については、商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすべきものである。
しかしながら、本件商標は、前記商品以外の指定商品については、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められるから、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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