Trademark Appeal Case
ナイトケアの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−28979(T2006−28979/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、その構成中に「ナイトケア」の文字を書してなり、第3類に属する「歯磨き,洗口液」を指定商品として、平成17年2月24日に登録出願されたものである。
第2 原査定における拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、青色のグラデーションを施した長方形内に白抜きで『ナイトケア』の文字を普通に用いられる域を脱しない程度に書されてなるところ、当該語は『夜間の手入れに使用する商品』といった意味合いを容易に直感させるものである。また、その構成中の『青色のグラデーションを施した長方形』の図は、特段の意味を有しない背景的なものと認められる。そして、近時、歯の健康志向の高まりと共に、就寝前に、歯磨き、うがいをする生活習慣が一般化しているから、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は『夜就寝前の手入れに使用する商品』であることを認識するに止まり、本願商標は単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能しないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
(1)「ナイトケア」の語について
本願商標は、別掲1のとおり、青色のグラデーションを施した長方形を背景として、白抜きの『ナイトケア』の文字を表してなるところ、その前半部の「ナイト」の文字は英語「night」の表音であり、「夜。夜間」の意味を有する語であるが、該語を冠した用語として「ナイトウエア」「ナイトガウン」「ナイトキャップ」等がある(以上、「広辞苑」による)。
また、その後半の「ケア」の文字は、英語「care」の表音であり、「介護。世話」を意味する語であるが、該語を語尾に付した用語として、「ヘアケア」「アフターケア」(以上、「広辞苑」による)、「オーラルケア([oral care]歯と口腔の手入れ)(imidas2007による)、「デンタル・ケア」([dental care]歯の手入れ)「スキン・ケア」([skin care]肌の手入れ)(現代用語の基礎知識2007による)等が挙げられる。
(2)マウスウオッシュ製品について
別掲2「新聞記事情報」によれば、「マウスウオッシュ製品」に関する新聞記事中に「『液体歯磨き、口腔液』には歯周病等を予防する成分が含まれてこと。洗口液の出荷量が倍増していること。洗口液の使用率は、特に40代、50代で著しく伸びていること。歯周病のリスクは加齢年齢とともに高くなること。眠っている間は唾液(だえき)の分泌が減って菌が増えやすくなるので、就寝前に洗口液を使用することがお勧めであること。」等が記載されている。
(3)各メーカーの洗口液等について
別掲3「洗口液等に関する商品情報」によれば、アース製薬株式会社((1)参照)、ライオン株式会社((2)参照)、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社((3)参照)、花王株式会社((4)参照)及びサンスター株式会社((5)参照)では洗口液又は液体歯磨きの商品説明として、「歯周病予防として就寝前の使用が効果的であること」等が記載されている。
(4)化粧品における「ナイトケア」の使用について
別掲4「化粧品に関する商品情報」(1)ないし(4)によれば、「ナイトケア」等の語は、「就寝前(晩)に使用するスキンケア商品」の意を指称する語として記載されている。
(5)以上の事実によれば、本願商標を構成する「ナイトケア」の文字は、「ナイト」を冠した用例、及び「ケア」の文字を末尾に付加した用例の意味に倣い「夜間(就寝中)の世話(手入れ)」の意味合いを容易に認識させるものである。
そして「洗口液、歯磨き」と需要者、流通経路等を同じくする化粧品分野において、該語は「就寝前に使用することで就寝中に肌をケアする(スキンケア)商品」の意を指称する語として一般に使用されていることが認められ、請求人もこれを認めているところである。
そうとすれば、該語を本願の指定商品との関係でみた場合、洗口液には、口臭予防だけでなく、虫歯予防、歯周病予防の成分が配合されており、就寝前に使用することで、就寝中における長時間の歯周病予防等としての効果がある旨、宣伝、広告されている事実が認められること等を併せ考えると、本願商標を本願の指定商品に使用するときは、取引者、需要者をして「就寝中における歯、歯周を手入れする(デンタルケア)商品」の意を容易に認識させるものであり、商品の品質(用途)を表示するものとして認識されることは明らかであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、「ケア」(care)の文字を付した登録商標を引用して登録要件を具有するものであると主張しているが、商標の類否はそれぞれ個別、具体的に判断されるものであることから、それらの登録例をもって、本件の判断基準とすることは適切ではないので、請求人の主張を採用することはできない。
また、請求人が提出する甲第9号証ないし甲第34号証によれば、請求人が洗口液に「サンスター」(SUNSTAR)、「ガム」(G・U・M)を商標として使用していることが認められるが、「ナイトケア」のみが使用されている事実を見いだせないから、本願商標が商品の出所表示として使用されているものとは認められない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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