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Trademark Appeal Case

商標使用証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300481(T2007−300481/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第592352号商標(以下、「本件商標」という。)は、「エアスロート」の文字を横書きしてなり、昭和36年2月2日に登録出願、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、同37年7月9日に設定登録され、その後、4回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成14年3月27日に指定商品を第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」及び第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」とする指定商品の書換登録がなされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

なお、本件審判の請求の登録は、平成19年5月25日になされている。

第2 請求人の主張の要点

請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁及び口頭審理における陳述において、要旨次のように述べている。

1 請求の理由

本件商標は、その全指定商品について、継続して3年以上日本国内において使用された事実がないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、その全指定商品について、登録を取消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

被請求人が答弁書において提出した乙第1号証は、富山市大手町を所在地とする朝日印刷株式会社が平成17年10月に作成(印刷)した商品パッケージであって、東京都中央区日本橋本町2−6−3を所在地とするオールジャパンドラッグ株式会社を通じて販売している事実を立証する証拠資料としているが、当該証拠資料よりは、本件商標を使用した当該商品パッケージが、当該審判請求の登録前3年以内に日本国内において実際に市場に流通していたものであるかどうかまったく証明がなされていない。

よって、当該パッケージの添付をもって、本件商標が本件指定商品において使用されている事実を証明する適正な証拠資料として成り立たない。

3 口頭審理における陳述

(1)口頭審理陳述要領書

被請求人が、平成19年11月2日付で提出した乙第2号証、乙第4号証の1ないし7は、いずれも2007年9月21日から10月4日の間に購入され、インターネット検索されたものであって、当該審判請求の登録前3年内に購入され、インターネット検索されたものでないから、本件の証拠資料としては成り立たない。

次に、被請求人が提出した乙第3号証は、被請求人が、オールジャパンドラッグ株式会社に宛てた「エアスロート内服液」、「エアスロート小児用内服液」、「エアスロートNC小児用」及び「エアスロートニスキャップ」なる品名を含む請求書(控)の写しであるが、被請求人が一方的に作成した請求書(控)のみでは、オールジャパンドラッグ株式会社が当該請求書を受理し、これら商品の代金を支払い、これら商品を引渡され、市場に流通させたものであるかどうか不明瞭である。

以上の理由のとおり、本件商標は、本件指定商品について使用の事実が認められないから、商標法第50条第1項の規定に基づきその登録を取り消されるべきである。

(2)口頭審理における陳述

a 製薬業界においては、実際に商品が流通していない試作品の段階で商品パッケージのみ作成することがあるので、乙第1号証によっては、商品が実際に流通したか不明瞭である。

b 請求人は、被請求人が提出した乙第1号証の現物と副本との同一性を確認した。

c 請求人は、被請求人が提出した乙第3号証の正本と副本との同一性を確認した。

d 請求人は、被請求人が提出した本件審判の請求の登録前3年以内に製造された商品サンプル及びロット番号を確認した。

e 乙第3号証に記載されている商標「エアスロートNC小児用」が「エアスロートニスキャップ小児用」のことであれば、この商標は、本件商標と社会通念上同一ではない。

第3 被請求人の答弁及び口頭審理における陳述の要点

被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁及び口頭審理における陳述において、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番号を含む。)を提出した。

1 被請求人の答弁

(1)本件商標の使用

本件商標は、被請求人により、現在使用中である。

乙第1号証は、被請求人による本件商標の使用の一例を示すものである。

乙第1号証に示すのは、被請求人が製造販売する小児向の乗りもの酔い用薬「小児用エアスロートニスキャップ」(以下、「本件商品」という。)のパッケージを展開したものである。

被請求人は、本件商品をオールジャパンドラッグ株式会社(東京都中央区日本橋本町2−6−3)を通じて販売している。乙第1号証から明らかな通り、パッケージの正面、側面等に「小児用エアスロート」が顕著に表示されている。「小児用」の語は用途表示であり、本件商標の一部をなすものではない。

したがって、本件商標「エアスロート」が登録表示とともにパッケージ上に明確に示されており、本件商標が使用されていることは疑いのない事実である。

(2)本件商品

本件商品は、本件商標の指定商品中の「薬剤」に属するものであり、これにより、本件商標は、被請求人により指定商品について使用されていることは明らかである。

よって、請求人の本件審判請求は成り立たないものであることは明らかであり、答弁の趣旨通りの審決を求めるものである。

2 口頭審理における陳述

(1)口頭審理陳述要領書

請求人は、乙第1号証の商品パッケージに関し、当該パッケージを用いた商品が実際に市場で販売されていたか不明であると述べているので、これに対し、以下の通り、証拠をもって立証する。

ア 証拠方法と立証趣旨

(ア)乙第2号証 本件商品に関する領収書

発行者:(株)キリン堂 南千住店

立証趣旨:

本件領収書は、本件商標「エアスロート」を表示した商品パッケージ(乙第1号証に示すパッケージ)の商品についての領収書であり、2007年10月3日(水)14時27分に購入した小児用「エアスロート」に関するものである(なお、購入した現物は乙第1号証のパッケージに示すものと同じであるが、その現物は口頭審理期日において持参する)。

(イ)乙第3号証 本件商品に関する請求書

発行者:エスエス製薬(株)

港区赤坂4−2−6 住友不動産新赤坂ビル

立証趣旨:

本件請求書は、本件審判の被請求人である、エスエス製薬(株)が、本件商品「エアスロート」及び他の商品を取引先である「オールジャパンドラッグ(株)」に納品したことに対する請求書である。請求書発行日は2007年1月5日である。当該請求書の「請求明細書(控)」の第1頁の左端の「品名」欄の下段に、「エアスロート内服液」及び「エアスロート小児用内服液」が記載され、右側に向かって「規格」、「出庫数」、「出庫金額」等が表示されている。続く第2頁には「エアスロートNC小児用」及び「エアスロートニスキャップ」が記載されており、これらは被請求人から「オールジャパンドラッグ(株)」に対する2006年12月の納品状況を示すものである。

請求書発行日から入金期日までは通常3ヶ月が指定されるため、2006年12月分納品分に関しては請求書発行日の2007年1月5日から3ヶ月後の4月16日が入金予定期日とされており、2006年12月分の合計金額¥77,608,438に関しては2007年4月16日の入金日(実際は入金予定期日)として記載されている。

(ウ)乙第4号証の1ないし7

「エアスロート」に関するインターネット検索

立証趣旨:これらのインターネット検索は、2007年9月から2007年10月にかけて検索した最近のものであるが、本件商品「エアスロート」に関する当該広告は、少なくとも、本件審判が請求(2007年6月20日)される前より堂々と行われていたものであり、本件審判請求後においてなされたものではない。

以下に示すのはその一部であって、これらが本件「エアスロート」に関するインターネット広告の全てではない。

乙第4号証の1

「小児用エアスロート」に関する「Google」検索

乙第4号証の2

「エアスロート「ニスキャップ」」に関するYahoo検索

乙第4号証の3

「エアスロート内服液」に関するYahoo検索

乙第4号証の4

「乗りもの酔い」に関する楽天市場検索

乙第4号証の5

「エアスロート「ニスキャップ」」に関する楽天市場検索

乙第4号証の6

「乗り物の酔い止め」に関するYahooh検索

乙第4号証の7

「乗り物酔い防止薬をご紹介しています。」に関する「MedicineBox」検索

以上の証拠から、本件商標「エアスロート」は乗り物酔い止めの薬として本件審判が請求される前より、様々なルートを通じ販売されていたことは明らかであると考える。本件商品は、所謂「プライベートブランド」として販売されていたものであり、それ故に市販されている一般用医薬品を掲載している出版物には掲載されておらず、請求人が実際の販売に関し疑問をもったものと考えるが、上記の通り、堂々と販売されていたものである。

イ その他の補充説明

(ア)本件商品のパッケージ印刷所について

乙第1号証に示す本件商品のパッケージは、富山県の朝日印刷(株)にて印刷されたものであるが、その理由は被請求人の本件商品「小児用エアスロートニスキャップ」は、被請求人の富山工場にて包装作業を行っていたため、富山県の朝日印刷(株)に印刷の依頼を行ったものである。

(イ)本件商品のパッケージのバーコードについて

乙第1号証に示すバーコード体系は、昭和59年2月3日に取得したものである。

(ウ)本件バーコードの意味について

乙第1号証のバーコード各桁の数字の意味については下記の(a),(b),(c),(d)に示す通りである。

[乙第1号証のパッケージに示されるバーコード]

49−70511−09097−4

(a) (b)(c) (d)

(a)国コード・・・・・・49:日本

(b)メーカーコード・・・70511:

オールジャパンドラッグ(株)のコード

(c)アイテムコード・・・09097:

被請求人会社が販売包装単位に設定する商品連番

(d)チェックデジット・・4:

読み取りをチェックするための数字で、一定の計算式により求める

(2)上申書

ア 被請求人は、本件商標を用いた商品の販売に関し取引先である「オールジャパンドラッグ(株)」に対し発行した請求書類乙第3号証として提出した。しかしこれに関して請求人は、これは内部書類であり取引されたこと自体を直接に証明するものではない旨を主張している。したがって、乙第3号証が本件商品の販売に際し、実際に取引先に発行され、これに基づき、納品代金が支払われていることを証明するために、乙第5号証を提出する。

乙第5号証

文書の表示 証明書

作成者 オールジャパンドラッグ(株)

東京都中央区日本橋本町2−6−3

作成日 平成19年10月26日

立証趣旨 本件証明書は、エスエス製薬(株)が本件商品「エアスロート」(及び他の商品)を取引先である「オールジャパンドラッグ(株)」に納品し、2007年1月5日付にて発行した請求書(乙第3号証)が、現実にオールジャパンドラッグ(株)によって受領され、これに基づき、納品代金が支払われたらことを証明するものである。

イ 本件商品及びその販売状況に関する補充説明

(ア)a 本件商品はオールジャパンドラッグ(株)専用のプライベートブランドである。

b 本件商品は、オールジャパンドラッグ(株)専用のプライベートブランドのため、オールジャパンドラッグ(株)以外のルートを取って販売されるものではない。

c 実際の広告主に確認はしていないが、

乙第4号証の1

インターネット「楽天市場」に広告しているのは「かつはらDRUG STORE」及び「薬の東ワ」である。

乙第4号証の2及び3

インターネット「Yahoo!ショッピング」に広告しているのは「かつはら DRUG STORE」である。

乙第4号証の4

インターネット「楽天市場」に広告しているのは「薬の東ワ」である。

乙第4号証の5

インターネット「楽天市場」に広告しているのは「かつはら DRUG STORE」である。

乙第4号証の6

インターネット「Yahoo!ショッピング」に広告しているのは「かつはら DRUG STORE」である。

乙第4号証の7

インターネット「MedicineBox」に広告しているのは「Gulliver」と思われる。

d 本件商品は、オールジャパンドラッグ(株)専用のプライベートブランドのため、エスエス製薬(株)としては、広告は行っていない。

e 本件商品が、医薬品が掲載されている出版物に掲載されていないのは、本件商品はオールジャパンドラッグ(株)専用のプライベートブランドであるからであって、一般的に他のプライベートブランド商品でもそうであるように、掲載されていないことについて特別の理由がある訳ではない。

(イ)a 本件商品の製造元は、エスエス製薬(株)です。

b 乙第1号証のメーカーコードが、オールジャパンドラッグ(株)となっているのは、プライベートブランド(pb)商品にあっては、商品仕様がプライベートブランド(pb)商品の注文者によって指定されてくるのが通常であり、本件にあっても当該メーカーコードは、オールジャパンドラッグ(株)の指定によるものである。

c オールジャパンドラッグ(株)は、全国有数のドラッグストア、薬局、薬店が参加する日本最大級のボランタリーチェーンであり、各種商品を販売している。

d オールジャパンドラッグ(株)とエスエス製薬(株)との関係は、人的、資本的関係がある訳ではなく、一取引先の関係である。

本件商品は、オールジャパンドラッグ(株)専用のプライベートブランド(pb)商品であるため、エスエス製薬(株)は、オールジャパンドラッグ(株)の指示した仕様にしたがって本件商品を製造し、納入している。

したがって、その意味で本件商品に関しては発注者と下請けとの関係である。

(ウ)a「NC」は「NYSCAP/ニスキヤップ」の略称であるが、「NYSCAP/ニスキヤップ」は薬効等を意味する言葉ではなく、造語であり、エスエス製薬(株)の登録商標である(商標登録第599990号及び同第599991号)。

b バーコード「4970511090974#」における「#」は、実際のバーコードに使用している記号ではなく、この「#」が付いたのはFAX送付した際に何らかの手違いで付いたものと思われる。

(エ)乙第1号証のパッケージの印刷年月は、正しくは平成17年12月であり、同年「10月」としたのは誤りである。そして、当該印刷パッケージがエスエス製薬(株)宛てに出荷されたのは平成17年12月15日である。

(オ)インターネット広告は過去のものはアウトプットできず、現在のものだけが可能であるからこれをアウトプットしたものである。

これをアウトプットし、本件での証拠の一つとして提出した趣旨は、本件商品はこのように本件審判請求前より、販売者により大々的に広告されていたことが合理的に推認できる筈であるからである。

(カ)サンプルは保存されている。いくつか持参することは可能なので、口頭審理当日に持参する予定である。

(3)口頭審理における陳述

a 乙第1号証の商品パッケージの印刷年月を平成17年10月から平成17年12月に訂正する。乙第1号証の商品パッケージが被請求人宛に出荷されたのは、平成17年12月15日である。

印刷年月を間違えた理由は、乙第1号証に記載されている1005Cのうち最初の10を10月と判断し、次の05を2005年(平成17年)と判断したためであり、正しくは乙第1号証に記載されている12−5AOが印刷年月であって、最初の12が12月を表し、次の5が2005年(平成17年)を表す。AOは、印刷会社を表す。

b 被請求人は、乙第3号証の商品コードの最後に#記号が付いている点について、何らかの手違いであると主張した。

c 被請求人は、本件商標を付した乗物酔い用の薬を昭和63年に製造を開始した当初から、オールジャパンドラッグ株式会社専用のプライベートブランド商品として製造・販売した。

また、被請求人とオールジャパンドラッグ株式会社との間には、取引の中断が存在しない。

d 口頭審理陳述要領書でいうバーコード体系を昭和59年2月3日に取得したというのは、本件商標を付した商品ではなく、被請求人が、会社として初めてバーコードを商品に付したという意味である。

e 被請求人は、使用商標と本件商標が、以下のように社会通念上の同一であることを主張した。

乙第5号証で「小児用エアスロートニスキャップ」といっているのは、乙第1号証についてのことであり、乙第1号証には、「エアスロート」と「ニスキャップ」が二段書きされている。乙第1号証の「エアスロート」の部分が、本件商標の使用である。

乙第5号証で各種の「エアスロート」商品というのは、乙第3号証の各箇所に記載されている商標「エアスロート」が付された商品のことである。

第4 当審の判断

1 争いのない事実

(1)使用されている商品が、本件商標の指定商品中、第5類「薬剤」に属する「乗物酔い用の薬」であること。

(2)日本国内の使用であること。

(3)商標権者による使用であること。

2 争点

(1)本件審判の請求の登録前3年以内の使用であるか。

(2)本件商標と使用されている商標が、社会通念上同一であるか。

3 判断

口頭審理における請求人及び被請求人の陳述並びに乙第1号証、乙第3号証及び乙第5号証によれば、以下のことが認められる。

(1)乙第1号証(商品パッケージ)には、「乗りもの酔いに」「小児用エアスロート」「ニスキャップ」「4カプセル」「医薬品」「1日1回の持続性製剤」「酔ってからでも効きます!」「[効能・効果]乗物酔いによるはきけ・めまい・頭痛の予防および緩和」「[用法・用量]7才〜14才1日1回1カプセルを服用します。ただし、乗物酔いの予防には乗車船の30分前に服用してください。」「製造販売元 エスエス製薬株式会社」「発売元 オールジャパンドラッグ株式会社」の文字が記載されている。また、乙第1号証に印刷されているバーコードの下に4970511090974の数字が記載されている。

(2)乙第3号証は、被請求人が、2007年(平成19年)1月5日付けでオールジャパンドラッグ株式会社に宛てた2006年(平成18年)12月分の請求書(控)及び請求明細書(控)と認められるところ、請求明細書(控)の2頁左上には、商品コードが「4970511090974#」の商品は、品名が「エアスロートNC小児用」であること並びに「規格」、「入庫数」、「出庫数」、「仕入単価」、「値引単価」、「出庫金額」及び「計」が記載されている。

乙第1号証のバーコードの下に記載されている4970511090974と乙第3号証の商品コード中の4970511090974とは一致している。

さらに、請求明細書(控)の1頁左下には、商品コードが「4970511090905#」の商品は、品名が「エアスロート内服液小児用」であること、商品コードが「4970511090912#」の商品は、品名が「エアスロート小児用内服液」であること並びに「規格」、「入庫数」、「出庫数」、「仕入単価」、「値引単価」、「出庫金額」及び「計」が記載されている。

(3)乙第5号証は、被請求人からオールジャパンドラッグ株式会社への証明願及びオールジャパンドラッグ株式会社から被請求人に対する証明書であって、以下の2点を証明している。

ア 乙第1号証に示す小児向けの乗りもの酔い用薬「小児用エアスロートニスキャップ」は、被請求人が昭和63年頃より製造・販売していたものであり、オールジャパンドラッグ株式会社は、これをプライベートブランド商品として少なくとも本件審判が請求される前より継続して購入している。

イ 乙第3号証に示す請求書(控)及び請求明細書(控)は、オールジャパンドラッグ株式会社の注文に応じて被請求人がオールジャパンドラッグ株式会社宛てに発行したものに相違なく、オールジャパンドラッグ株式会社は、これに記載されている各種の「エアスロート」商品を購入し、ここに記載された金額を被請求人宛てに支払っていることに相違ない。

(4)本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の使用について

被請求人は、口頭審理において、「本件商標を付した乗物酔い用の薬を昭和63年に製造開始した当初から、オールジャパンドラッグ株式会社専用のプライベートブランド商品として製造・販売した。被請求人とオールジャパンドラッグ株式会社との間には、取引の中断が存在しない。」と主張し、被請求人が本件審判の請求の登録前3年以内に製造した商品サンプルを持参したこと、乙第3号証には、本件審判の請求の登録前3年以内の2007年(平成19年)1月5日付けで、被請求人がオールジャパンドラッグ株式会社に宛てた2006年(平成18年)12月分の請求書(控)及び請求明細書(控)であること及び乙第5号証において乙第3号証は被請求人が一方的に作成した請求書(控)及び請求明細書(控)ではないことが証明されていることからすれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、ボランタリーチェーンのオールジャパンドラッグ株式会社専用のプライベートブランド商品として、「エアスロート内服液」の文字、「エアスロート小児用内服液」の文字又は「小児用エアスロート」の文字と「ニスキャップ」の文字を二段書きした商標を付した「乗物酔い用の薬」をオールジャパンドラッグ株式会社の指示した仕様にしたがって、製造販売していたものと認められる。

(5)商標の社会通念上の同一について

乙第1号証には、大きく表された「小児用エアスロート」の文字及び小さく表された「ニスキャップ」の文字が、上下2段に表示されているところ、「小児用エアスロート」の文字と「ニスキャップ」の文字とは、文字の大きさ、書体の違い、上下に表されていることから、視覚上、分離して観察されるものとみるのが相当である。

そして、「小児用エアスロート」の文字中の「小児用」の文字は、該商品が「小さなこども用」のものであるという用途を表示した自他商品識別標識としての機能を果たさない部分であり、自他商品識別標識としての機能を果たす部分は「エアスロート」の文字にあるものと認められるから、乙第1号証に表された商標と本件商標とは、「エアスロート」の同一の称呼を生ずる社会通念上同一の商標とみるのが相当である。

また、乙第3号証に記載されている「エアスロート内服液」、「エアスロート小児用内服液」及び「エアスロートNC小児用」についても、「小児用」の文字は用途を表し、「内服液」の文字は「液状の飲み薬」であるという商品の品質、用法を表し、「NC」の文字は、商品の品番、型番等を表す記号、符号として使用される自他商品識別標識としての機能を果たさない部分と認められるから、識別力を有する部分は、「エアスロート」の文字部分にある。

したがって、乙第3号証に記載されている「エアスロート内服液」、「エアスロート小児用内服液」及び「エアスロートNC小児用」と本件商標とは、いずれも「エアスロート」という書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標であって、「エアスロート」という同一の称呼を生ずる社会通念上同一の商標とみるのが相当である。

(6)まとめ

本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において商標権者が、その請求に係る指定商品中、第5類「乗物酔い用の薬」について、社会通念上同一と認められる商標を使用していたものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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