Trademark Appeal Case
「PLUS」商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−65118(T2006−65118/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第10類及び第42類に属する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2004年12月2日にSwitzerlandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2005年(平成17年)5月10日を国際登録の日とするものである。その後、指定商品及び指定役務については、平成18年5月16日付け手続補正書により、第10類「Medical machines and apparatus for orthopaedic purpose.」及び第42類「Technical consulting in the development of medical machines and apparatus for orthopaedic purpose;research and development regarding medical machines and apparatus for orthopaedic purpose;expert reports in the field of research and development regarding medical machines and apparatus for orthopaedic purpose.」に補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものであるとして引用した登録第580435号商標(以下「引用商標1」という。)は、「Plus」の欧文字を筆記体風に横書きしてなり、昭和32年10月16日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同36年9月20日に設定登録され、その後、3回にわたって、商標権存続期間の更新登録がなされ、平成15年1月22日に指定商品及び商品の区分を第5類「医療用腕輪」、第8類「ピンセット」、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具(天文用のものを除く。),眼鏡,タイムスタンプ,タイムレコーダー,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,算数器,スライドフィルム」、第10類「スポイト,氷のうつり,綿棒,医療用機械器具(蹄鉄機械器具・電気医療機械・電気補聴器・妊娠帯を除く。)」、第12類「車いす」、第16類「地球儀,そろばん,分度器,三角定規,定規,青写真複写機」及び第28類「体操用器具」とする書換の登録がされたものである。
同じく、登録第594392号商標(以下「引用商標2」という。)は、「プラス株式会社」の文字を横書きしてなり、昭和34年7月6日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同37年8月2日に設定登録され、その後、3回にわたって、商標権存続期間の更新登録がなされ、平成16年10月27日に指定商品及び商品の区分を第1類「フィルム,その他の写真材料」、第5類「医療用腕環」、第8類「ピンセット」、第9類「理化学機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,眼鏡,タイムスタンプ,タイムレコーダー,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,算数器(計算尺を除く。),計算尺,スライドフィルム」、第10類「スポイト,氷のうつり,綿棒,医療用機械器具(蹄鉄機械器具・電気医療機械・電気補聴器・妊娠帯を除く。)」、第12類「車いす」、第16類「地球儀,そろばん,分度器,三角定規,定規,青写真複写機」及び第28類「体操用器具」とする書換の登録がされたものである。
同じく、登録第1416367号商標(以下「引用商標3」という。)は、「プラス株式会社」の文字を横書きしてなり、昭和36年7月11日に登録出願、第10類「理化学機械器具、光学機械器具、映画機械器具、測定機械器具、医療機械器具」を指定商品として、同55年4月30日に設定登録され、その後、2回にわたって、商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
同じく、登録第1522256号商標(以下「引用商標4」という。)は、「PLUS」の欧文字を横書きしてなり、昭和52年8月9日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同57年6月29日に設定登録され、その後、2回にわたって、商標権存続期間の更新登録がなされ、平成15年12月24日に指定商品及び商品の区分を第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,映画機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」とする書換の登録がされたものである。
同じく、登録第1913126号商標(以下「引用商標5」という。)は、「プラス」の文字を横書きしてなり、昭和57年9月16日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年11月27日に設定登録され、その後、2回にわたって、商標権存続期間の更新登録がなされ、平成19年3月22日に指定商品及び商品の区分を第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,映画機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」とする書換の登録がされたものである。
同じく、登録第2021493号商標(以下「引用商標6」という。)は、「PLUS」の欧文字を篭字で横書きしてなり、昭和59年6月16日に登録出願、第10類「理化学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)光学機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)映画機械器具、測定機械器具(電子応用機械器具に属するものおよび電気磁気測定器を除く)医療機械器具、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同63年2月22日に設定登録され、平成10年2月10日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。
同じく、登録第2275572号商標(以下「引用商標7」という。)は、「PLUS CORPORATION」の欧文字を横書きしてなり、昭和59年6月29日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成2年10月31日に設定登録され、同12年9月19日に商標権存続期間の更新登録がなされ、同13年12月12日に指定商品及び商品の区分を第9類「理化学機械器具,光学機械器具,映画機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」とする書換の登録がされたものである。
同じく、登録第2608877号商標(以下「引用商標8」という。)は、「プラス」の文字を横書きしてなり、平成3年8月22日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同5年12月24日に設定登録され、同15年10月21日に商標権存続期間の更新登録がなされ、同16年10月13日に指定商品及び商品の区分を第1類「写真材料」、第5類「医療用腕環」、第9類「理化学機械器具,光学機械器具,映画機械器具,測定機械器具」、第10類「医療用機械器具」及び第12類「車いす」とする書換の登録がされたものである。
同じく、登録第3354328号商標(以下「引用商標9」という。)は、「PLUS」の欧文字をややデザイン化して横書きしてなり、平成7年4月14日に登録出願、第10類「医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器」を指定商品として、同9年10月24日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4401660号商標(以下「引用商標10」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成10年5月28日に登録出願、第35類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務(別掲3に記載)として、同12年7月21日に設定登録されたものである。
同じく、登録第4548782号商標(以下「引用商標11」という。)は、「PLUS」及び「プラス」の文字を二段に横書きしてなり、平成10年6月11日に登録出願、第39類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務(別掲4に記載)として、同14年3月8日に設定登録されたものである。
以下、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。
3 当審の判断
本願商標は、別掲1に示すとおり、黒塗り正方形内に白抜きで人の頭部とおぼしき図形と、その右側に「PLUS」「ORTHOPEDICS」の欧文字を二段に表してなるところ、その構成中の文字部分は、図形部分と重なり合うことなく離れて表されていることから、視覚上、図形部分と分離して看取されるばかりでなく、その図形と文字の相互間には、観念上これらを必ず不可分一体のものとして把握しなければならない格別の事情は認め難いものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中の文字部分も独立して自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たすものというのが相当である。
そこで「PLUS」及び「ORTHOPEDICS」の文字部分についてみるに、該文字全体より生ずる称呼は、「プラスオーソペディクス」と10音からなるものであって、比較的冗長であるところ、上段の「PLUS」の文字部分は、肉太の文字で目立つように表示されているものであり、また、我が国において「加えること。足すこと。」等の意味を有する「プラス」の英語表記であると直ちに理解、認識され、それより容易に「プラス」と称呼されるものである(株式会社岩波書店発行「広辞苑」第五版2362頁)。
これに対し、下段の「ORTHOPEDICS」の文字は、「整形外科」等の意味を有する英語であって我が国において容易に称呼し得るものとはいい難いのに加え、本願の指定商品及び指定役務との関係においては、商品又は役務の用途を表示したものと理解、認識され、自他商品及び役務の識別機能が弱いか又は有しないものというのが相当である。
そうとすれば、本願商標に接する取引者、需要者は、簡易迅速を尊ぶ商取引場裡において、識別力の弱い下段の「ORTHOPEDICS」の文字に比べ、肉太で表示され、より親しまれており、容易にそれとわかり、称呼し易い「PLUS」の文字部分に着目し、これより単に「プラス」とのみ簡略称呼し、かつ、「加えること。足すこと。」の意味合いを想起して取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。
してみれば、本願商標からは、「プラス」の称呼及び「加えること。足すこと。」の観念をも生ずるものといわなければならない。
他方、上記2のとおり、引用商標1、4ないし6、8及び9、11は、「Plus」、「PLUS」又は「プラス」の文字からなるものであり、該文字部分が自他商品又は役務の識別標識となり得るものとみるのが相当である。
また、引用商標2及び3は、「プラス株式会社」の文字よりなり、引用商標7は、「PLUS CORPORATION」の文字よりなるところ、「株式会社」の構成文字は、法人の組織形態を表すものであり、「CORPORATION」は、会社であることを英語で表示したと認識されるものである。
しかして、法人の組織形態等を表す文字部分は、それを省略して、取引に資されることも決して少なくないことから、「プラス」及び「PLUS」の文字部分が自他商品の識別機能を有する主要部として認識される場合も十分にあるというのが相当である。
さらに、引用商標10は、十字状の図形中に「プラス」の文字を配した構成よりなるものであって、該「プラス」の文字部分が独立して自他役務の識別標識となり得るものである。
してみれば、引用各商標は、いずれも、その構成中の「Plus」、「プラス」又は「PLUS」の文字部分に相応して「プラス」の称呼及び「加えること。足すこと。」の観念をも生ずるものである。
そうすると、本願商標と引用各商標とは、外観において相違する点があるとしても、「プラス」の称呼及び「加えること。足すこと。」の観念を共通にする場合があるものといえるから、互いに相紛れるおそれのある類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の補正後の指定商品及び指定役務は上記1(仮訳 第10類「整形外科用の医療用機械及び機器」及び第42類「整形外科用の医療用機械及び機器の開発における技術的指導及び助言,整形外科用の医療用機械及び機器に関する研究及び開発,整形外科用の医療用機械及び機器に関する研究及び開発の分野における専門的報告書の作成」)のとおりであって、これらの商品及び役務は、いずれも、引用各商標の指定商品又は指定役務中、第10類「医療用機械器具」、第42類「防犯・防火・防災・救急及び安全に関する設備機器の受託による開発,防犯・防火・防災・救急及び安全に関する設備機器の開発に関する助言,防犯・防火・防災・救急及び安全に関する設備機器の開発のための調査及び研究」等と同一又は類似のものと認められる。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は、妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、本願商標中の文字部分が同人の商号の略称であり、一連一体にのみ把握されるべきであるとか、本願商標中の「PLUS」の文字部分は、単独で自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たさないとか、本願の指定商品及び指定役務の需要者等は、専門家であって、慎重に商品及び役務を選択するから、その出所の混同を生ずるおそれはない旨主張しているが、本願商標中の文字部分は、前述のとおり、比較的冗長であり、しかも、上段の「PLUS」の文字部分は、肉太の文字で目立つように表示されているだけでなく、我が国において親しまれており容易にそれと分かり、称呼しやすいことなどから、簡易迅速を尊ぶ取引場裡においては、「PLUS」文字部分のみを捉えて、単に「プラス」とのみ称呼し、かつ、「加えること。足すこと。」等の観念を有するものとして記憶されることも決して少なくないといえるものであるし、「PLUS」の文字が、自他商品及び役務の識別標識としての機能を有することは、引用各商標に照らし、相当というべきであり、また、本願の指定商品及び指定役務の需要者は、決して専門家のみというわけではなく、一般的な消費者も含まれているところであるから、請求人の主張を認めることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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