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Trademark Appeal Case

結合商標の一体不可分性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900261(T2007−900261/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5029592号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5029592号商標(以下「本件商標」という。)は、「エクセルカッター」の片仮名文字を横書きしてなり、平成18年6月8日に登録出願、第7類「土木機械器具」を指定商品として、同19年3月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標を引用している(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)。

(a)登録第4434974号商標は、「エクセル」の片仮名文字と「EXCEL」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成10年2月12日に登録出願、第7類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年11月24日に設定登録されたものである。

(b)登録第289418号の1の1商標は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和11年6月26日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月26日に設定登録された登録第289418号商標の商標権から分割された商標権に係る登録商標であって(昭和48年2月12日及び同62年1月26日に分割移転の登録)、第17類「他類に属せざる機械器具及其の各部、但し、消火器及び動力機械器具、蒸気暖房装置、温水暖房装置、温気暖房装置、放熱器、温気炉及びその部品を除く」を指定商品とするものである。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「エクセル」及び普通名詞である「カッター」の2語を単に結合したものであり、これを常に不可分一体のものとしてのみ把握されるべき格別の事情もないものであるから、「エクセル」の称呼、外観、観念が生ずる。他方、引用商標は、「エクセル」の称呼、外観、観念が生ずるものである。そうすると、両商標は、「エクセル」の称呼、外観、観念を共通にする類似のものである。

また、本件商標と引用商標は、その指定商品も同一又は類似のものである。

よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

(3)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第15号について

本件商標を指定商品の一部である「カッター」又は「切削機」について使用した場合は、本件商標中の「エクセル」の文字部分は、これに接する需要者をして、引用商標を想起させ、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標である。

あるいは、本件商標を指定商品の一部である「カッター」又は「切削機」について使用した場合は、本件商標中の「エクセル」の文字部分は、これに接する需要者をして、引用商標を想起させ、該商品が引用商標を使用する申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所に混同を生ずるおそれがある。

よって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号又は同法第4条第1項第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する各文字は、同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で表され、外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「エクセルカッター」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「カッター」の文字部分が「切る人、切る物」等の意味を有するとしても、「土木機械器具」についての品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであり、また、観念上も「卓越した切る人、卓越した切る物」等の如き一つの意味合いを把握することのできるものであるから、本件商標は、むしろその構成全体をもって一体不可分の構成からなるものと認識し把握されるとみるのが相当である。

(2)この点について、申立人は、甲第4号証ないし同第6号証を示し、本件商標の構成中「カッター」の部分は単なる普通名称、又は単に品質を表すものにすぎない旨主張している。

しかしながら、該証拠は、商標権者のみのホームページ等を示したものであって、他に本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「カッター」の文字が指定商品の普通名称又は品質等を表示する語として普通に使用されている事実を裏付ける何らの証拠も示されていないから、この点に関する申立人の主張は採用することはできない。

(3)そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「エクセルカッター」の称呼のみを生ずるものであって、単に「エクセル」の称呼及び観念が生ずることはないものといわなければならない。

してみれば、本件商標から「エクセル」の称呼及び観念を生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。

その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見いだせない。

したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

よって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。

(4)商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第15号について

本件商標は、前記のとおり、「卓越した切る人、卓越した切る物」等の如き一つの意味合いを把握することのできる構成全体をもって一体不可分の構成からなるものといえるところ、この意味合いからは、その指定商品の品質等を直接ないし具体的に表示するものとはいい難いから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果たすものであって、需要者をして何人かの業務に係る商品であることを認識できない商標ということはできない。

また、本件商標と引用商標とは、前記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、かつ、引用商標が、本件商標の出願時において、その需要者の間で広く認識されるに至っていたものと認めるに足りる証拠の提出もない。そうすると、本件商標をその出願時において指定商品に使用しても、これに接する需要者が引用商標を想起又は連想して、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品と誤認し、その出所について混同するおそれがあったと判断することはできない。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。

(5)まとめ

本件商標の登録は、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、その登録を維持すべきである。

よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

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