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Trademark Appeal Case

図形商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900282(T2007−900282/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5033353号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5033353号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成18年7月6日に登録出願され、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として平成19年3月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1976560号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和59年2月22日に登録出願、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコ−ド、これらの部品及び附属品」を指定商品として昭和62年8月19日に設定登録され、その後、平成9年9月9日及び同19年8月28日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

同じく登録第1371518号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成からなり、アメリカ合衆国における1972年1月31日の商標登録出願に基づきパリ条約による優先権を主張して昭和47年6月30日に登録出願、第24類「運動用特殊衣服、運動用特殊靴」を指定商品として昭和54年2月22日に設定登録され、その後、平成元年3月29日及び同11年3月2日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

同じく登録第1517133号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(4)のとおりの構成からなり、昭和52年10月20日に登録出願、第24類「運動用特殊ぐつ、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和57年5月25日に設定登録され、その後、平成5年11月29日及び同14年4月2日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成15年6月25日に指定商品を第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」及び第28類「人形,おもちゃ,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,釣り具,運動用具」とする書換登録がされているものである。

以下、これらを総称するときは、単に引用商標という。

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)本件商標は、その外観上の印象が申立人の周知著名な引用商標と共通しており、申立人の著名ブランドのイメージに便乗して取引を行おうとする意図が窺えるものであって、公正な取引秩序を害するおそれがある。また、引用商標が著名な外国商標であることから、本件商標を我が国において登録することは国際信義にも反するものである。よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。

(2)引用商標の図形は「SWOOSH」(スウッシュ)と呼ばれ、「NIKE」の商標と共に本件商標の登録出願前から申立人の業務に係る「運動靴、運動用特殊靴、被服、運動用特殊衣服」等について使用する商標として需要者間に広く認識されているものである。そして、本件商標は、引用商標と印象において共通するものであって、引用商標と類似する商標として認識されているものであり、その指定商品に使用するときは申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当するものである。

(3)本件商標は、引用商標と外観上類似するものであるところ、現在までの使用態様から、申立人又はその著名ブランドのデザインを模倣するために使用されている事実があり、公正な商慣習に反する取引を行う意図があるから、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標との類似性について

本件商標は、別掲(1)のとおり、図形と文字の組合せからなるところ、該図形と該文字とは、常に不可分一体にのみ認識されるべき格別の理由は見出し得ないから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえる。しかして、本件商標の図形部分は、その下部に書された「LI−NING」の文字部分中の最初の「L」の文字を基に図案化した如くに看取されるものであり、「L」の縦線部分をやや右側に傾斜させ、同じく横線部分を長く緩やかに弧を描くように徐々に幅広にし、さらに右末端を収斂させ上方に跳ねるように表現した点に外観上の特徴を有するものである。

他方、引用商標は、別掲(2)ないし(4)のとおりの構成からなるところ、引用商標3は、本件商標と同様に、その構成中の文字部分と図形部分とが常に不可分一体にのみ認識されるべき格別の理由は見出し得ないから、それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものであり、該図形部分は引用商標1と同一といえるものである。そして、引用商標1と引用商標2とは、黒塗りであるか輪郭線であるかの差異はあるものの、全体の形状はほぼ同一のものといえる。しかして、引用商標の図形は、いずれも「レ点」(漢文の返り点の一。かりがね点ともいう。)ないしは「チェックマーク」(確認したことを示す印)を連想・想起させる如き構成からなるものであり、両端部を尖らせ中間部に向けて徐々に幅広にした弧状の曲線を左側をやや短く右側を長く表現した点に外観上の特徴を有するものである。

そこで、本件商標の図形と引用商標の図形とを対比すると、両者は、それぞれの上記外観上の特徴において明らかな差異があることから、それぞれを時と処を別にして観察しても、外観上判然と区別し得るものであり、彼此相紛れるおそれはないものというべきである。なお、本件商標の図形部分は、親しまれた既成の観念を有する事物・事象を表したものとはいえず、既成の称呼及び観念を生ずるものとはいえないから、称呼及び観念上引用商標の図形と比較すべくもない。

また、本件商標の文字部分と引用商標3の文字部分とは、綴りを全く異にし、これより生ずると認められる「リーニン(グ)」と「ナイキ」の称呼とは明らかに相違するものであり、外観及び観念においても彼此相紛れるおそれがないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(2)本件商標の商標法第4条第1項第7号該当性について

申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、いずれも申立人の業務に係る運動靴、運動用特殊靴、被服、運動用特殊衣服等について使用する商標として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認められる。

しかしながら、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものというべきであり、本件商標が引用商標の著名性に便乗し、引用商標を模倣したものとまでは断定することはできない。そして、本件商標の構成自体は、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるようなものではない。さらに、本件商標をその指定商品について使用することが、社会公共の利益や社会の一般的道徳観念に反したりするものではなく、日本の取引社会に悪影響を与えるものともいえないし、国際信義に反するものともいえない。

してみれば、本件商標は公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ではないから、商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。

(3)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について

前示のとおり、引用商標が周知著名なものであるとしても、また、本件商標は、図形部分と文字部分とが常に一体で用いられるとは限らず図形部分のみで商品の識別が行われる蓋然性が高いとしても、本件商標と引用商標とは別異の商標であること、引用商標は中国ではスポーツ関連商品についてトップクラスの人気を博していることが我が国でも知られていることなどを併せ考えれば、本件商標をその指定商品について使用した場合に、これに接する取引者、需要者は、引用商標ないしは申立人とは別異のものとして認識し理解するものというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(4)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について

既に述べたように、本件商標は、引用商標とは相紛れることのない別異のものであり、申立人の提出に係る証拠のみによっては、本件商標が、引用商標を模倣したり、引用商標の著名性にただ乗りし、結果として引用商標を希釈化するおそれがあるものとまではいえない。また、本件商標が不正の利益を得る目的、他人たる申立人に損害を加える目的等の不正の目的をもって使用するものであることを認めるに足る具体的な証左もない。

してみれば、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同項第15号及び同項第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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