Trademark Appeal Case
図形商標の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900289(T2007−900289/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5033351号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成からなり、平成18年7月6日に登録出願、第18類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同19年3月16日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第1976560号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、昭和59年2月22日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録されたものである。
同じく登録第1371518号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり、昭和47年6月30日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同54年2月22日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
本件商標は、以下のア及びイに該当するから、その登録を取り消されるべきである。
ア 商標法第4条第1項第7号該当
本件商標が付された商品は、模倣ブランドとして需要者の間に現に認識されており、公正な取引秩序を害するおそれがあり本号に該当する。
また、本件商標の外観上の印象が引用商標と共通しており、申立人や他の著名ブランドのイメージに便乗して取引を行おうとする意図が窺えるものであり、公正な取引秩序に反するため本号に該当する。
イ 商標法第4条第1項第15号該当
本件商標は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と印象において共通している。また、需要者に申立人の商標と類似する商標として認識されている。よって、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあり、本号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標の類否
本件商標は、別掲のとおり、右斜めおよそ45度に傾斜しその下部を鋭角に削いだ左端の直線部から、右に向かって、左より右に行くほど厚みをもたせて上に膨らむように弧を描き、右先端で右斜め上に向けてやや細く跳ね上げるようにした、全体が略L字状の黒塗り図形から構成されるものである。
そして、当該図形は一種独特の幾何図形というべきものであり、これより特定の称呼及び観念は生じないものである。
一方、引用商標1は、左側において、左下方に向けて厚みをもたせて弧を描き、左から右上方に向けて徐々に幅を狭め、右端において右斜め上に向けて鋭く収斂させた、全体が変形したU字状の黒塗り図形から構成されるものである。
また、引用商標2は、引用商標1と酷似した外縁をもち、右端部をやや丸みをもって収斂させ、全体が輪郭線で描かれた変形したU字状の図形から構成されるものである。
そして、引用商標に係る図形は、いずれも、一種独特の幾何図形というべきものであり、特定の称呼及び観念は生じないというのが相当である。
しかして、本件商標と両引用商標とを比較すると、本件商標と引用商標1とは共に黒塗りの図形ではあるが、前者が上方向に膨らみ、後者が下方向に膨らんだ全体的構図と、左端近辺で、前者が鋭角的であるのに対して、後者が曲線的である点で明らかな差異を有するものである。また、本件商標と引用商標2は、前記差異に加えて、黒塗りと輪郭線で表された点においても相違するものである。
してみると、本件商標と両引用商標とは、上記のとおり、その構成態様において著しく異なり、これより受ける外観上の印象が明らかに相違するといわざるを得ないものであるから、時と処を異にして観察した場合においても、明確に区別し得るというのが相当である。
また、称呼や観念において、本件商標と引用商標が相紛らわしいものということはできない。
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれよりみても、引用商標に類似するものとはいえず、全く別異の商標というべきものである。
(2)商標法第4条第1項第7号該当性
引用商標が申立人の取り扱いに係る商品の出所を表示する著名商標であることは、申立人提出の証拠からも認められるとしても、本件商標は、前記(1)のとおり、引用商標と全く異なった印象を与えるものであり、引用商標に類似するものとはいえないから、本件商標をその指定商品に使用した場合に、これをもって著名ブランドのイメージに便乗した取引を意図するものと断ずることはできないし、公正な取引秩序を害するおそれがあるともいえない。全証拠に徴しても、これを覆すに足りる証左は見出せない。
また、本件商標は、商標の構成において公序良俗を害するおそれのある商標でないことは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号には該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性
引用商標が申立人の商品を表示する著名な商標であることは上記のとおりであるが、上記(1)のとおり、本件商標は引用商標とは別異の商標として看取されるものであり、これらを更に関連づけて見なければならない特段の理由は見出せない。
してみると、本件商標を運動用特殊靴等を含む指定商品に使用したとしても、これより引用商標を想起し連想して、申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信するとは言い難く、商品の出所について混同のおそれがあるとすることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)結語
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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