結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2006−90528(T2006−90528/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
登録異議申立人ピナクル フーズ グループ インコーポレーテッド(以下「申立人」という。)が引用する登録第2693474号商標(以下「引用商標」という。)は、「LOG CABIN」の欧文字を横書きしてなり、第31類「調味料、香辛料、食用油脂、乳製品」を指定商品として、平成4年1月27日に登録出願、同6年8月31日に設定登録されたものであるが、その後、指定商品を第1類「人工甘味料」、第29類「食用油脂,乳製品」及び第30類「みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖(調味料),砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ(調味料),ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと」とする書換登録が同16年10月13日になされたものである。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、丸太小屋を意味する「LOGCABIN」の欧文字とその表音の「ログキャビン」の片仮名文字からなるのに対し、引用商標は、「LOG CABIN」の欧文字からなるものであるから、本件商標と引用商標とは、「ログキャビン(丸太小屋)」の称呼・観念を共通にする類似の商標といわなければならない。
次に、本件商標の指定商品「菓子およびパン」と申立人の指定商品とは、食品として共通するだけでなく、スーパーなどの食料品店の陳列棚においても近接して配置されているものである。
申立人の商標「LOG CABIN」を付する主力製品は、シロップであるが、このシロップは一般に、ホットケーキ(パンケーキ)、ワッフル、食パンを利用したフレンチトースト、アイスクリームなどに用いられる。このシロップは、引用商標の指定商品に含まれる。
特に、本件商標の指定商品「菓子およびパン」に包含されている「氷砂糖、水あめ」と引用商標の指定商品中の「氷砂糖(調味料)、水あめ(調味料)」とは、原材料及び品質を同じくするものであり、販売経路のみならず、製造者、需要者等を共通にする場合が極めて多く、互いに類似の商品であると言うことは殊更である。尚、類似商品・役務審査基準によると、「本件商標の『氷砂糖、水あめ』と引用商標に含まれる『氷砂糖(調味料)、水あめ(調味料)』に類似する」(備考類似)、という記載がある(甲第4号証)。
しかも、引用商標は、本件商標の先願、先登録に係るものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、シロップ等について世界的に著名な商標である「LOG CABIN」の所有者である。
引用商標「LOG CABIN」は、三省堂発行の「EXCEED英和辞典」に申立人の商標として掲載されており(甲第19号証)、この事実も引用商標の著名性に関する有力な証拠である。
また、申立人の商標「LOG CABIN」の付されたシロップ製品は、1888年以降、第二次世界大戦前後に製造に一時中止された時期を除き、現在に至るまで100年以上も製造および販売が続けられている(甲第5号証、甲第12号証)。そして、申立人のシロップ製品は、1996年前後の当時のシロップマーケットにおいて34%をしめて首位の座を獲得した(甲第13号証)。
申立人の商標「LOG CABIN」は、本物のメイプルシロップを含んだ唯一の米国のブランドである。申立人の商標「LOG CABIN」の付されたシロップ製品は、2005年現在に於いてマーケットシェア9.5%であり、米国マーケットにおいて第2位である(甲第6号証)。
更に、申立人は、商標「LOG CABIN」に関係する商標に限ってみただけでも、北米、ヨーロッパはもちろん、アジアなど、現在も有効なものとして、世界44カ国以上で合計68件の商標出願・登録を行っており、長年複数の商標権を所有している(甲第14号証)。
商標「LOG CABIN」を付した製品の世界における年間売り上げは、1994年当時1億万ドル、1997年当時8千八百万ドルであった(甲第15号証)。
商標「LOG CABIN」を付したシロップ製品中、特にレギュラー(24オンスサイズのボトル)は、シロップ部門において米国で第3番目に最も売れている人気製品である(甲第9号証)。
更に、商標「LOG CABIN」は、第二次世界大戦前後に一旦製造・販売の中止を余儀なくされた以外は現在に至るまで、ラジオ、テレビ、ポスターのほか、近年においては申立人のウェブサイトなどを通じて幅広く宣伝が行われてきている(甲第5号証、甲第18号証)
申立人は、引用商標「LOG CABIN」を有する商標として日本で更に3件の登録商標を有する(登録番号2575176、2674733,2622945号)。
また、商標「LOG CABIN」を付したシロップは、著名な人気ある商品であることから、日本においても購入可能である(甲第17号証)。
そうすると、本件商標は、申立人の商標として需要者の間に広く認識されている引用商標と前記(1)のとおり類似するものであるから、これをその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者・需要者がその商品が申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)商標法第4条第1項第19号について
上記(2)のとおり、引用商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内または外国における需要者の間に広く認識されている商標であり、上記(1)のとおり本件商標と引用商標は極めて類似する商標である。
申立人は、本件商標の権利者「明治製菓株式会社」より2006年11月7日e−mailにて有償で譲渡申し出を受けた。
このことは、「不正の目的」を検討する際に勘案すべき「出願人より、商標の買い取りを受けている事実を示す資料」といえる。
したがって、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内または外国における需要者間に広く認識されている商標と類似の商標であって、商標権者が引用商標の著名性にフリーライドする不正の目的をもって使用をするものと判断するのが妥当である。
してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。
本件商標は、丸太小屋を意味する「LOGCABIN」の欧文字とその表音の「ログキャビン」の片仮名文字からなるのに対し、引用商標は、「LOG CABIN」の欧文字からなるものであるから、「丸太小屋」の観念及び「ログキャビン」の称呼を共通にする類似の商標であり、また、本件商標における「LOGCABIN」の欧文字部分と引用商標「LOG CABIN」の欧文字とは、いずれも同一文字の配列よりなるものであるから、外観においても類似するものというべきである。
そして、本件商標の指定商品中の第30類「菓子及びパン」の概念中の和菓子に包含されている「氷砂糖,水あめ」と引用商標の指定商品中の「氷砂糖(調味料),水あめ(調味料)」との関係についてみるに、「氷砂糖,水あめ」は、その用途としては、菓子として直接食用に供されるとともに、調味料としても用いられるものであって、第30類の「菓子及びパン」の概念のもとに例示されるとともに、「調味料」の概念のもとにも例示されている商品ではあるが、菓子としての「氷砂糖,水あめ」と調味料としての「氷砂糖,水あめ」は、その名称を同じくするばかりでなく、それぞれの原材料を共通にし、生産部門等をも共通にする場合も多いものと認められることから、互いに類似する商品といわなければならない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観において類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「菓子及びパン」の概念に包含されている「氷砂糖,水あめ」は、引用商標の指定商品中の「氷砂糖(調味料),水あめ(調味料)」に類似するものであるから、本件商標の指定商品中、「菓子及びパン」の概念に包含されている「氷砂糖,水あめ」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたというべきものである。
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号の該当性について
平成19年4月24日付けで前記4のとおり取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何の応答もない。
そして、上記の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、その指定商品中、「氷砂糖,水あめ」については、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわなければならない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号の該当性について
申立人は、引用商標を引用して本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張しているが、申立人から提出された証拠中には、我が国における引用商標の使用の期間、範囲、規模等の事実を証する証拠はないから、引用商標が申立人の業務に係る商品について使用する商標として、本件商標の登録出願時に、既に我が国の取引者、需要者間に広く認識されていたと認めることはできない。
また、申立人は、甲第19号証にあるとおり、「引用商標『LOG CABIN』は申立人の商標として辞書に掲載されているから、引用商標の著名性が認められる。」旨主張しているが、この1件の証拠のみで、引用商標が、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
してみれば、本件商標は、上述のとおり引用商標に類似するものであるとしても、我が国の取引者、需要者間に広く認識されていないものであるから、本件商標を商標権者がその指定商品について使用しても、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできない。
。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第19号の該当性について
申立人は、本件商標は、他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内または外国における需要者の間に広く認識されている引用商標と類似の商標であって、商標権者が引用商標の著名性にフリーライドするものと判断するのが相当であるから、不正の目的をもって使用をするものであり、商標法第4条第1項第19号に該当する旨主張し、申立人は「本件商標の権利者『明治製菓株式会社』より2006年11月7日e−mailにて有償で譲渡申し出を受けた(審判合議体よりの要請または本件商標の所有者の同意によって、申立人は本証拠を提出する用意がある。)。」としていたので、当審において、平成19年7月17日付けで該証拠を提出するよう審尋書を送ったところ、同19年10月29日付けで申立人から甲第21号証ないし甲第24号証の証拠とともに回答書が提出された。
そこで、甲第21号証ないし甲第24号証を検討するに、申立人が商標権者から譲渡の申出を受けている事実が認められるのみであって、申立人の主張するような引用商標の著名性にフリーライドする不正の目的をもって使用する根拠となり得る証拠は見当たらない。
してみれば、本件商標は、申立人から提出されたいずれの証拠によっても、商標権者が不正の目的をもって使用するものということはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものということはできない。
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中「氷砂糖,水あめ」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわなければならず、商標法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとし、また、その余の指定商品については、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではなく、取り消すべき理由がないものであるから、同第4項の規定により登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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