Trademark Appeal Case
地名商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−2492(T2006−2492/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「高野山」の文字を横書きしてなり、第29類「こんにゃく,油揚げ,ごま豆腐,豆乳,納豆,加工野菜及び加工果実,肉製品,加工水産物,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,ふりかけ,なめ物,食用たんぱく,食用油脂,豆」を指定商品として、平成16年9月14日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、和歌山県北部、伊都郡高野町にある真言宗の総本山金剛峰寺を中心とする山地名で、真言宗の霊地であり、著名な観光地でもある『高野山』の文字を普通に用いられる方法で書してなるので、これをその指定商品に使用しても、高野山或いはその周辺地域で生産又は販売されているものの意を認識させるにとどまるから、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり「高野山」の文字を書してなるところ、「コンサイス日本地名事典 第3版」(株式会社三省堂)において「高野山:(和歌山県北部)伊都郡高野町。紀伊半島北部,紀ノ川の南にある平頂な隆起準平原の産地。真言宗の総本山金剛峰寺の100余の僧坊伽藍があり、門前町が発達。」の記載が認められる。
ところで、一般に、広く知られた観光地においては、その地域の特産品に限らず、菓子をはじめとする各種の食料品等が土産品として販売されていること、及び、これに当該観光地において取り扱われる商品であることを表示して取引に資することが普通に行われている実情にあり、それに用いられる地名、地域名等の表示は、商品を流通過程に置く場合に必要な表示として何人もその使用を必要とするものであって、その使用の機会を当該地域において商品を生産、販売する多くの事業者に開放しておくことが適当であるというべきである。
してみれば、本願商標は、観光地の一として知られる地域を表示するものとして使用されていることから、これをその指定商品に使用した場合、取引者、需要者をして、商品が、当該地で、生産され、販売されているであろうと認識するとみるのが相当であり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
なお、請求人は、「『三輪山』『比叡山』『月山』『須弥山』『立山』『石▲づち▼山』『富士山』等の地理的名称は、産地、販売地とみなされずに登録されたことから推測して本件商標「高野山」も産地、販売地とみなされないものと確信する」旨主張している。
しかし、本願商標は、通常、使用される行政区画表示としての地名ではないとしても、これが、一般に、観光地、一定の地域名を表示するものとして、現実の商取引、地名事典等において、普通に使用されている事実がある以上、本願商標をその指定商品に使用すれば、需要者が商品の販売地等を表示したと認識することは明らかであり、このような標章を特定人に独占使用させることは公益上望ましくないというのが相当である。
また、商標登録出願に係る商標が上記条項に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、その商標が使用される商品等の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるものであるから、請求人の挙げた商標登録例の存在によってその認定は左右されないというべきである。
したがって、上記、請求人の主張は採用することができない。
以上のとおり、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないものと認められるから、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。