Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−19194(T2006−19194/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「MICRO WIRELESS」の欧文字を横書きしてなり、第9類「自転車用計測器,その他の測定器械器具」を指定商品として、平成16年11月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、その構成中『MICRO』の部分が、結合辞で『微,小』の意味もあり、各種商品分野において超小型の製品であることを表す語として他の語に冠して広く用いられているものであるから、全体として『超小型ワイヤレス式のもの』程の意味合いを容易に認識させるものである。してみれば、これをその指定商品中上記文字に照応する商品について使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、「MICRO WIRELESS」の欧文字を書してなるところ、その構成中の「MICRO」の文字は、「微,小」の意味を有し、各種商品分野において「超小型」であることを表す語として他の語に冠して広く用いられており、また、「WIRELESS」の文字は「無線電信、ワイヤレス」の意味を有する語としてよく知られた語であるから、構成文字全体で「超小型無線(方式)」程の意味合いを容易に認識させるとみるのが自然である。
(2)そして、測定器械器具を取り扱う業界において、「MICRO」に通じる「マイクロ」の文字が「超小型」を意味する語として、取引上普通に使用されていることは、以下にあげる新聞記事やインターネットホームページ情報から明らかである。
(ア)2004年3月31日付け日刊工業新聞には、「THK、レール幅世界最小1ミリの直道ガイド3機種販売」の見出しのもと、「THKはレールが1ミリメートルと世界最小の直道案内機器『マイクロLMガイドRSR1・2』など3機種を、4月に発売する。・・・医療機器や半導体製造装置、精密機器、各種計測機器などの超小型・高精度化に対応するため、従来の『マイクロLMガイドRSR3M・3N』のラインアップを拡充した。」との記載。
(イ)2002年12月20日付け化学工業日報には、「トキメック、
超小型ジャイロを開発、回転体を静電力で浮上」の見出しのもと、「トキメックは、マイクロマシン技術を用いて、シリコン基板上に直径四ミリメートルの高速回転リングを形成したマイクロ静電支持加速度計(ジャイロ)『MESAG−1』を開発した。これは、回転型としては、世界初のマイクロ慣性センサー。・・・同社は機械式と同様な拘束の回転体を持ちながら、一円玉よりも小さく薄い、超小型のジャイロの開発に取り組んでいた。」との記載。
(ウ)2002年8月8日付け日刊工業新聞には、「山武、微小部品も確実に検出するチャック確認用流量センサーを発売」の見出しのもと、「どんな微小部品も確実にキャッチー。山武は7日、チップマウンターやボンダーなどで、微小電子部品の吸着を確実に検出するチャック確認用流量センサー『MCS100』を発売した。気体の質量流速を直接計測する独自開発のマイクロフローセンサーを使用する。・・・サイズは長さ30X高さ17X幅10ミリメートル、重量9グラムと超小型のため、ノズル直上に搭載できる。」との記載。
(エ)2001年6月21日付け「Medical & Test Journal」には、「血球計測用次世代センサを開発/堀場製作所と豊橋技術科大 体積比で約100分の1以下と小型化が可能」の見出しのもと、「堀場製作所は8日、世界で初めて血液中の赤血球、白血球の数を測定できる平面上の次世代センサを豊橋技術科学大学と協同開発したと発表した。・・・超小型化によって、医療現場での利便性と検査を受ける患者の負担軽減に寄与するものと同社では期待している。・・・今回のセンサは一連の測定を約1cm角の平面シリコンチップ上で実現した。マイクロマシン技術を用いた結果、センサ部のサイズは従来比で100分の1以下と大幅な小型化が図られた。」との記載。
(オ)株式会社東陽テクニカが運営するホームページの「MAGTROL/トルク測定装置」の新商品「超小型モータ測定システム マイクロダイン」を紹介するウェブページには、「新製品 マイクロダイン ダイナモメータ」の「概要」の項目に「マグトロール社は極小トルク(0.0004mNmから4mNm)を高速10万回転まで対応して測定できるマイクロダイン高速ダイナモメータを開発しました。」(http://www.toyo.co.jp/magtrol/dynamo_MD.html )との記載。
(カ)株式会社インコムが運営する「製品ナビ powered by INCOM」のホームページの「製品名/非接触精密エアサーボ測長器 マイクロエアスキャナ DSー05h」を紹介するウェブページには、「製品概要」の 項目に「“マイクロエアスキャナDS−05h”は、非接触ですべての固体を再現良く測定できる超小型の非接触超精密エアサーボ測長器。・・・W22XH90XD30mmと超小型。」(http://www.incom.co.jp/productnavi/index.php/product/16544)との記載。
(キ)株式会社モリテックスが運営する「機能性材料・精密部品関連製品」のホームページの「LIGA/マイクロスペクトロメータ」を紹介するウェブページには、「放射光によるX線ディープリソグラフィ技術(LIGA プロセス)による世界最小の自己集光性エシュレット回折格子が組み込まれた超小型分光器です。」(http://www.moritex.co.jp/home/zigyo_main_d010.html )との記載。
(ク)株式会社イプロスが運営するホームページの「超小型・超高精度データロガーシステム トラックセンス マイクロ 」を紹介するウェブページには、「超小型で設置場所を選ばず、殺菌・滅菌工程の温度測定、F値計算、バリデーション、低温殺菌、インキュベーター、冷蔵室、輸送等の温度管理に最適。」(http://www.ipros.jp/products/083712015/)との記載。
(3)また、測定機械器具を取り扱う業界において、「WIRELESS」に通じる「ワイヤレス」の文字が「無線(方式)」であることを表す語として、取引上普通に使用されていることは、以下に掲げる新聞記事情報から明らかである
(ア)2006年12月4日付け産経新聞東京朝刊には、「フジタ、米企業と提携 無線計測システム開発へ」の見出しのもと、「順大手ゼネコンのフジタは、米国マイクロストレイン社とワイヤレス(無線)計測システムに関する業務提携契約を締結した。マイクロストレイン社が開発した、構造物のひずみや傾斜などの計測を配線なしで行うことができる『ワイヤレスセンサー』を活用したシステムを共同で開発することが目的。」との記載。
(イ)2006年9月8日付け日刊工業新聞には、「アジレント、ワイヤレス向け計測ソリューションを強化−シェア拡大図る」の見出しのもと、「アジレント・テクノロジーは、ワイヤレステスト市場向け計測ソリューションを強化する。」との記載。
(ウ)1988年9月19日付け日刊工業新聞には、「電総研、超電導研究用の新温度計を開発。室温から4.2Kまで。精度0.0025K」の見出しのもと、「工業技術院電子技術総合研究所エネルギー部の研究グループは、室温から液体ヘリウム温度の間を〇.〇〇二五Kという精度で温度を正確に計測する超電導研究用の温度計を開発した。・・・またこの温度計にアンテナを組み込むと発振周波数(計測温度)をワイヤレスで表示装置に送ることができる特徴も併せ持つ。」との記載。
(エ)1988年4月8日付け日刊工業新聞には、「東洋通信機、超音波結合ワイヤレス水晶温度計を開発。0.01度C刻みで高精度計測」の見出しのもと、「東洋通信機は水晶振動子の優れた残響振動特性を利用し、物体内部の温度を外側から測定する『超音波結合ワイヤレス水晶温度計』を開発した。」との記載。
(オ)1997年1月21日付け日本工業新聞には、「山武ハネウェルが温度調節器 ファンコイルユニット用 薄型化と低価格実現」の見出しのもと、「山武ハネウエルは、従来製品に比べ大幅な薄型化と約三〇%の低価格を実現したファンコイルユニット用温度調節器『マイクロスタット』を発売した。・・・これまでのデジタル横型タイプに、ワイヤレスタイプ、アナログタイプの二モデルを加え、利用者ニーズに最適のシステムを選択できるようにした。」との記載。
(4)さらに、測定器械器具を取り扱う業界において、「超小型」で「無線(方式)」の商品があることは、以下にげるインターネットホームページの情報から明らかである。
(ア)株式会社シロ産業が運営する「Shiro」のホームページの「無線伝送温度計測システム/品番 SWM−YT1 」を紹介するウェブページには、「超小型ワイヤレス温度計です。手の届かない場所での温度測定に最適です。」(http://www.webshiro.com/syouhinsetumei/SWM-YT1.htm)との記載。
(イ)株式会社インコムが運営する「製品ナビ powered by INCOM」のホームページの「製品名/超小型膜厚計 デュアルスコープMPOR」を紹介するウェブページには、「“デュアルスコープMPOR”は、2つのバックライト付き液晶ディスプレイを備えた超小型膜厚計。前面と上面のディスプレイでどの測定ポジションからでも膜厚を読取れるほか、10〜20m離れたコンピュータに測定値を直接無線送信が可能。渦電流方式でアルミなど非鉄金属上の絶縁皮膜、電磁方式で鉄や鋼上の非磁性皮膜に対応。 」(http://www.incom.co.jp/productnavi/index.php/product/27392)との記載。
(5)以上を総合すると、「MICRO」と「WIRELESS」の欧文字を普通に用いられる方法で表したにすぎない本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者に「超小型無線(方式)」の商品であることを表したものと認識されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものとみるのが相当である。
(6)請求人は、「本願商標は、『小さくコンパクト』な態様に加えて、『配線を必要とせず持ち運びに便利』な機能を有するとの2つのイメージを漠然と暗示的に想起させるにとどまるものであり、『超小型ワイヤレス式のもの』の意味合いをもって容易に認識されることはない」旨主張しているが、前記のとおり各構成文字は、よく知られた語であって、それぞれが商品の特徴となる大きさ、機能を表すために取引上普通に使用されており、2つの機能を併せ持つ商品と容易に認識されるといわざるを得ないものである。
(7)してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、「超小型無線方式の測定器械器具」に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものであり、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び商標法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当なものであり、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。