Trademark Appeal Case
氏名商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−2686(T2007−2686/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「KUBOTA」の欧文字を普通に用いられる書体をもって表してなり、第36類「農業用機械器具又は土木機械器具の購入資金の貸付け及び手形の割引,その他の資金の貸付け及び手形の割引,生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出」を指定役務として、平成17年7月21日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、ありふれた氏の一つである『久保田』に通じる『KUBOTA』のローマ文字を、いまだ普通の域を脱しない程度に表示してなるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第4号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、上記1のとおり、「KUBOTA」の欧文字を特徴のない普通に用いられる書体をもって表してなるところ、「久保田」の文字は、姓氏の一であり、「日本人の姓」(1972年(昭和47年)2月5日初版、六藝書房発行)の「第二部 多い姓の六千傑」(162頁)によれば、「久保田」の姓が、約8万の数をもって、140位に位置づけられていること、また、「ハローページ 東京都23区 個人名全区版・上巻」(平成13年3月、東日本電信電話株式会社発行)の847頁ないし851頁によれば、「久保田」の氏を有する者が1400名以上掲載されていることが認められる。
そして、日常の商取引において、氏を表す場合は、必ずしも漢字のみに限らず、欧文字をもって表す場合も決して少なくないものである。
そうとすると、本願商標に接する取引者、需要者は、これがありふれた氏の「久保田」を欧文字で表したものと理解、認識し得るというのが相当であるから、本願商標は、ありふれた氏を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
(2)請求人は、農業用機械器具及び建設用機械の分野においては、請求人及びその商標「KUBOTA」の双方が著名であり、また、その著名な商標「KUBOTA」の態様と本願商標の態様は同一であること並びに、同分野の需要者と本願に係る指定役務中の「農業用機械器具又は土木機械器具の購入資金の貸付け及び手形の割引」の需要者とが一致することからすれば、本願商標に接する需要者、殊に「農業用機械器具又は土木機械器具の購入資金の貸付け及び手形の割引」の需要者は、本願商標から直ちに請求人を想起し、同商標が請求人の業務に係るものと認識するとみるのが極めて自然であって、本願商標は、その指定役務との関係において、自他役務の識別力を有している旨主張すると共に、その主張を裏付けるための資料を提出している。
しかしながら、請求人の提出に係るすべての資料を見ても、普通に用いられる書体をもって表された本願商標「KUBOTA」が、その指定役務の取引者、需要者間において、直ちに請求人を想起するほどに広く知られているとは認められず、また、仮に農業用機械器具及び建設用機械の分野の取引者、需要者間において、請求人がその分野の製品を製造・販売する者として相当程度知られているとしても、そのことから直ちに、「農業用機械器具又は土木機械器具の購入資金の貸付け及び手形の割引」を含む本願商標に係る指定役務の取引者、需要者が、前記農業用機械器具等の取引者、需要者と一致するとまでは言い難く、結局、本願商標から直ちに請求人を想起し、これを請求人の業務に係るものとして認識するともいえない。
また、請求人は、ありふれた氏に通ずる欧文字からなる商標が登録されていることから、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が登録され得るものであるか否かの判断は、当該商標の全体の構成に基づき、その指定役務との関係において、個別具体的に検討、判断されるべきものであり,本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当するか否かについての判断が、その全体の構成を異にする他の登録例に拘束されるものではないから、請求人の挙げた登録例によって、本願商標における上記判断が左右されるものではない。
3 むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第4号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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