sokuhyo

Trademark Appeal Case

略語と一般名称の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−17416(T2006−17416/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は「PI SYSTEM」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類の願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年4月4日に登録出願され、その後、指定商品については、原審における同18年2月6日付け手続補正書及び当審における同20年1月21日付手続補正書により、第9類「プラントの生産・運転状況に関する必要な情報をリアルタイムで提供するソフトウェア」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『PI』の文字は、例えば『protocol interface』『program interrupt』『programmed instruction』等を表示する略語として広く使われており、『system』の語は、『ある機能を発揮するための集合体や仕組み』等を意味する言葉であるから、これをその指定商品に使用しても、『PIの略語でその内容を表記することができるシステム』程度の意味合いを認識させるに止まり、需要者が何人かの業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断をして、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「PI SYSTEM」の文字よりなるところ、外観上、「PI」と「SYSTEM」の間に一文字分空いているとしても、その構成文字は、まとまりよく表示してなるものである。しかも、その全体より生ずると認められる「ピーアイシステム」の称呼、もしくは「PI」の文字が、ギリシア語アルファベット第16字(π)を意味する「pi」に通じることから認められる「パイシステム」の称呼も格別冗長とはいえず、無理なく一連に称呼し得るものである。

そして、「PI」の文字が、いろいろな略語として使用されている事実があり、また、「SYSTEM」の文字が、「ある機能を発揮するための集合体や仕組み」等の意味を有する語であるとしても、「PI」と「SYSTEM」の語を軽重の差なく結合してなる本願商標の構成よりは、「PI」と「SYSTEM」の文字とを分離して、略語と、照応する商品の品質・用途を表す文字とを組み合わせたものとして理解するというよりは、むしろ、これらの構成文字全体をもって特定の語義を有しない一種の造語よりなるものと認識し、取引にあたるとみるのが自然である。

そして、その構成文字中の「SYSTEM」は、辞書等に掲載され、その指定商品との関係において知られている語であることは認められるが、「PI」については、略語として使用例はあるとしても、これらの語を結合させた場合に、全体として、「PIの略語でその内容を表記することができるシステム」の意を想起させるとはいい難いものであり、「PI」のどの略語の意味合いをもって、内容を表記することができるものであるのか、特定することができない。

そうすると、本願商標は、取引者、需要者をして、その構成中の「PI」の文字を略語として認識するということはできないものであり、原審説示の意味合いを認識するものとはいい難く、本願商標をその指定商品について使用したときは、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであるというのが相当である。

加えて、請求人(出願人)が提出した証拠及び職権による調査の結果を総合すれば、本願商標は、請求人(出願人)の業務に係る補正後の指定商品に使用して、ある程度その取引者、需要者の間に請求人(出願人)の取り扱いに係る商品であると推認できることをも併せ考慮すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係るものであるかを認識することができないとはいえないものである。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものとはいえず、取り消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。