結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30956(T2006−30956/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第3057475号商標(以下「本件商標」という。)は、「CHE」の欧文字を横書きしてなり、平成4年9月16日に登録出願、第25類「洋服その他の被服,ガ―タ―,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,乗馬靴,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品として、同7年7月31日に設定登録さたものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証(商標登録原簿の写し)を提出した。
(1)請求の理由
被請求人は、本件商標をその指定商品中「洋服その他の被服,ガ―タ―,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」について継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標について専用使用権者は存在せず、通常使用権者として本件商標を使用している者もいない。
したがって、請求人は、商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨通りの審決を求める。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)被請求人は、乙第1号証を根拠にヤマトに通常使用権の設定があった旨主張するが、通常、商標の使用権の設定に際しては、商標権者・通常使用権者の居所・名称、対象となる登録商標の詳細、目的・範囲などが記された商標権の使用許諾に関する契約書を交わされ、これをもって使用許諾の存在を証することが通常であるが、乙第1号証には、これらの事項のいずれについても特定しうるだけのものはなく、これに基づいて本件商標について使用許諾契約があったと証することはできない。登録商標の使用説明書(1)ないし(6)においても同様である。
したがって、ヤマトは本件商標についての通常使用権者であるとはいえない。
(イ)仮に、ヤマトが本件商標についての通常使用権者であったとしても、以下に述べる理由によって、被請求人の主張は根拠がない。
(a)登録商標の使用説明書(4)ないし(6)は、いずれも商標を使用している主体が不明であり、証拠価値がない。
(b)登録商標の使用説明書(1)ないし(6)にあらわされている商標は、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標ではなく、別異の商標である。
(c)登録商標の使用説明書(1)ないし(3)では、最下段の「生産シュケジュール」の「合計」欄にはいずれも6枚との記載がされていることからすると、販売のための製造というよりはむしろ市場に出回るものではないサンプル品を作成したとみるのが自然である。
(d)提出された乙号証あるいは登録商標の使用説明書のいずれにおいても、登録商標の使用説明書(1)ないし(3)に表された商標を付した被服等が実際に販売されたことを示すものが何ら含まれていない。
(e)登録商標の使用説明書(1)ないし(6)には、これらにおけるデザイン画と近似するデザインが施されたティーシャツ等があらわされた写真が添付されているが、撮影者・撮影場所・撮影日時のいずれも不明であり、証拠価値がない。
(f)登録商標の使用説明書(1)ないし(6)に添付の写真では、ティーシャツ等の前面にわざわざ「制作依頼書」に記された品番と共通する品番を記したテロップのようなものを置いた極めて不自然な状態で撮影されており信憑性がない。
(ウ)以上のとおり、被請求人が提出した乙第1号証及び登録商標の使用説明書(1)ないし(6)は、いずれも本件取消審判の請求の登録前3年以内の本件商標の使用を証明するものではない。よって、被請求人は、本件審判の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者、通常使用権者が本件取消審判の請求に係る指定商品について本件商標を使用したことを立証していないから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消しを免れることができない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び登録商標の使用説明書(1)ないし(6)を提出した。
(1)被請求人は、通常使用権者を介して本件商標を「T−シャツ,タンクトップ,スウェットシャツ」に現在まで使用している。
(ア)乙第1号証について
乙第1号証は、商標権者から通常使用権者であるヤマトインターナショナル(YAMATO INTERNATI0NAL)に宛てた「CHE」ブランドに係る「スウェットシャツ」(SWEAT−SHIRTS)の西暦2005年〜2006年秋・冬の製作承諾書(Approval)である。ここにおいて、ヤマトインターナショナル株式会社は、ナフ ナフ ディストリビューション ビーヴイ(商標権者)のライセンシー(通常使用権者)であることが示されており、また、ここには品番2502−55237及び2502−55239が示されている。そして、これらの製作販売に係る商品及び値段は、添付写真の写しのようである。
(イ)登録商標の使用説明書(1)ないし(3)について
登録商標の使用説明書(1)ないし(3)は、いずれも、T−シャツあるいはタンクトップの製作依頼が平成17年2月17日付でなされ、その製作品が平成17年(2005年)の夏に販売されていることが示されている。そして、その商品及び値段は、添付写真の写しのようである。
(ウ)登録商標の使用説明書(4)ないし(6)について
登録商標の使用説明書(4)ないし(6)は、2005年夏の製作に係るグラフィックNo.CH−3、No.CH−8及びNo.CH−9の「CHE」ブランドの製作内容を示したデザイン及びその製作に係る「T−シャツ」の製作品が平成17年(2005年)の夏に販売されていることが示されている。そして、その商品及び値段は、添付写真の写しのようである。
(2)以上のとおり、被請求人は通常使用権者を介して本件商標「CHE」を「T−シャツ,タンクトップ,スウェットシャツ」に現在まで使用しているものであるから、請求人の主張は理由のないものである。
(1)被請求人は、本件商標が「T−シャツ,タンクトップ,スウェットシャツ」について使用されているとして、乙第1号証及び登録商標の使用説明書(1)ないし(6)を提出しているので、これらの各証拠について検討する。
(ア)乙第1号証は、被請求人名義の2005年7月8日付「Approval(製作承諾書)」と題する書面であり、3葉の写真(コピー)が添付されている。
被請求人は、乙第1号証により、どのような事実を証明しようとしているのか必ずしも明らかではないが、まず、「乙第1号証には、ヤマトインターナショナル株式会社が被請求人のライセンシー(通常使用権者)であることが示されている」旨述べている。
この点については、その表題が「Approval(製作承諾書)」となっていることや記載内容において本件商標の登録番号、通常使用権の範囲・期間等の記載もないことから、乙第1号証をもって、直ちに、被請求人がヤマトインターナショナル株式会社(以下「ヤマトインターナショナル」という。)に対して本商標権についての通常使用権を許諾した書面であるとまではいい難いが、通常使用権の許諾自体は、口頭の契約であっても有効なものと解されており、被請求人の主張をも併せみれば、被請求人は、ヤマトインターナショナルに対して、本商標権についての通常使用権を許諾していたものと推認することができる。
また、被請求人は、「乙第1号証は、商標権者から通常使用権者であるヤマトインターナショナルに宛てた『CHE』ブランドに係る『スウェットシャツ』西暦2005年〜2006年秋・冬の製作承諾書(Approval)であり、ここにおいて品番2502−55237及び2502−55239が示されており、これらの製作販売に係る商品及び値段は添付の写真の写しのようである」旨述べている。
確かに、乙第1号証の書面には、「PRODUIT」として「Men collection」、「SAISON」として「FALL/WINTER2005−06」、「SWEAT−SHIRTS」の欄には、品番2502−55237及び2502−55239とともに「CHE」の表示もあり、添付されている3葉の写真(コピー)には、衣紋掛けに掛けられた3枚のシャツが写されており、その前下部分には、2502−55237及び2502−55239の品番や値段等が表示されたプレート状のものが写し込まれている。
しかしながら、乙第1号証は、その表題が「Approval(製作承諾書)」とあるように、被請求人がヤマトインターナショナルに対して、2005年〜2006年秋・冬の「CHE」ブランドに係る「スウェットシャツ」の製作を承諾したことは認められるとしても、この書面をもって、ヤマトインターナショナルが2005年〜2006年秋・冬の「CHE」ブランドに係る「スウェットシャツ」を実際に製作したことまでが証明されたものとはいえない。また、添付されている写真についても、これらの写真が何時、何処で、どのような取引の場面に置かれている商品を撮影したものか、具体的な事実関係が何ら明らかにされていないから、これらの写真の商品が現実に、市場において販売されたものと認めることはできない。結局、これらの写真を含めて乙第1号証全体をもってしても、本件商標が本件審判請求の登録(平成18年8月22日)前3年以内に日本国内において、通常使用権者によって、「スウェットシャツ」について使用されていたことまでをも証明したものとはいえない。
(イ)登録商標の使用説明書(1)ないし(3)は、いずれもヤマトインターナショナルが双日株式会社へ宛てた平成17年2月17日付の製作依頼書であり、マークの製作版下と衣紋掛けに掛けられた3枚のシャツが写されている3葉の写真(コピー)が添付されているものである。
各製作依頼書には、年度として「05」、シーズンとして「夏物2」、ブランド名として「CHE」、品番として「2502−53356」「2502−53364」「2502−53363」、品名として「Tシャツ」あるいは「タンクトップ」、「展示会サンプル 枚数」の欄に「M寸/各2枚」、「合計」の欄に「6枚」等の記載があり、Tシャツ等の各部分の寸法や標章の表示位置が指示されている。そして、その標章は、別掲(1)ないし(3)のとおりの構成からなるものであり、各シャツの胸部中央に大きく表示するように指示されている。
これらの各製作依頼書によれば、ヤマトインターナショナルは、本件審判の要証期間内である平成17年2月17日に、双日株式会社に対して、品番が2502−53356、2502−53364、2502−53363の夏物Tシャツ等を製作することを依頼したものと認めることができる。
しかしながら、通常、被服等についての商標の使用は、織ネームあるいは胸元のワンポイント等での使用が通常であるところ、各製作依頼書及び添付されている写真に表示されているTシャツ等の標章は、いずれも、胸部中央部分に、「CHE(Chε)」の文字が他の図形や文字とまとまりよく一体的に大きく表されているものであって、本件商標と社会通念上同一の商標とはいい難いばかりでなく、商標として用いられているというよりは、むしろ、Tシャツ等の装飾的あるいは意匠的効果を狙ったデザインとして表示されているとみるのが相当である。そして、襟部分の織ネームにも本件商標は見当たらない。
加えて、製作依頼に係る商品が実際に製作・納品された事実を証する納品書等の証拠も提出されておらず、また、登録商標の使用説明書(1)ないし(3)に添付されている写真は、乙第1号証に添付されている写真と同様、これらの写真が何時、何処で、どのような取引の場面に置かれている商品を撮影したものか、具体的な事実関係が何ら明らかにされていないから、これらの写真の商品が現実に、市場において販売されたものと認めることはできない。
そうとすれば、登録商標の使用説明書(1)ないし(3)をもってしては、本件商標が本件審判の要証期間内に日本国内において、通常使用権者によって、Tシャツ等について使用されていたものとはいえない。
(ウ)登録商標の使用説明書(4)ないし(6)は、被請求人の説明によれば、「2005年夏の製作に係るグラフィックNo.CH−3、No.CH−8、No.CH−9の『CHE』ブランドの製作内容を示したデザイン及び製作に係る販売品」であるとの説明がなされており、写真(コピー)が添付されている。
しかしながら、これらの各使用説明書によれば、2005年の夏物(Tシャツ)のデザインが別掲(4)ないし(6)のとおりの構成からなるものであり、製品にした状態が添付写真のとおりのものであるとしても、使用説明書(1)ないし(3)と同様、該写真に示されているTシャツの標章は、いずれも、胸部中央部分に、「CHE」の文字が他の図形や文字とまとまりよく一体的に大きく表されているものであって、本件商標と社会通念上同一の商標とはいい難いばかりでなく、商標として用いられているというよりは、むしろ、Tシャツの装飾的あるいは意匠的効果を狙ったデザインとして表示されているとみるのが相当である。加えて、該写真は、乙第1号証に添付されている写真と同様、これらの写真が何時、何処で、どのような取引の場面に置かれている商品を撮影したものか、具体的な事実関係が何ら明らかにされていないから、これらの写真の商品が現実に、市場において販売されたものと認めることはできない。
そうとすれば、登録商標の使用説明書(4)ないし(6)をもってしても、本件商標が本件審判の要証期間内に日本国内において、通常使用権者によって、Tシャツについて使用されていたものとはいえない。
(エ)そして他に、被請求人は、本件商標が自他商品識別標識としての機能を果たし得る態様をもって取消請求に係る指定商品について使用されていた事実を客観的に認め得るに足る証拠(例えば、新聞・雑誌等への広告、パンフレット、チラシ、取引書類等)を何ら提出していない。
(2)まとめ
以上のとおり、被請求人の答弁の全趣旨及び乙各号証を総合的に判断しても、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標を取消請求に係る商品のいずれかについて使用をしていた事実を証明したものということはできない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定商品中、取消請求に係る「洋服その他の被服,ガ―タ―,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」について取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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