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商標「ネバネバ濃縮粒」の識別力(第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2007−10115(T2007−10115/J1))

審判番号
不服2007−10115(T2007−10115/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「ネバネバ濃縮粒」引用商標「ねばねば」
争点(論点)
「ネバネバ濃縮粒」の識別力
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2007−10115(T2007−10115/J1)・不服)は、本件商標「ネバネバ濃縮粒」と引用商標「ねばねば」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「「ネバネバ濃縮粒」の識別力」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

第1 本願商標

本願商標は、「ネバネバ濃縮粒」の文字を標準文字で書してなり、第29類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年5月19日に登録出願され、その後、当審における同19年9月12日付け手続補正書により、第29類「コンブエキス・ワカメエキスを主原料とする粒状・タブレット状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ネバネバ濃縮粒』の文字を普通に用いられ方法で書してなるが、指定商品との関係において、該文字は、『ネバネバした食品を濃縮して粒状にした食品』程の意味合いを容易に想起させるものであって、食品を取り扱う業界において、ネバネバした食品は健康に良いとの理由で大変注目されている実情からすれば、本願商標をその指定商品に使用する場合、本願商標に接する取引者・需要者は、単に上記意味を認識するに止まるものであるから、商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における拒絶の理由の要点

当審において、請求人に対して、平成19年7月31日付け拒絶理由通知書をもって、以下の(1)ないし(3)の旨の拒絶の理由を通知した。

(1)商標法(以下、便宜上「法」という。)第6条第1項及び同第2項について

指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないものである。しかるに、本願商標の指定商品中「コンブエキス・ワカメエキスを配合した粉末状・粒状・タブレット状・液状・クリーム状・ペースト状・フィルム状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品」と記載された商品は、指定商品の内容及び範囲を明確に指定したものとは認めることができない。

したがって、本願は法第6条第1項及び同第2項の要件を具備しないものといわざるを得ない。

(2)法第4条第1項第16号について

本願商標は、その構成中に「濃縮粒」の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品中「コンブエキス・ワカメエキスを配合した粉末状・粒状・タブレット状・液状・クリーム状・ペースト状・フィルム状・カプセル状又は軟カプセル状の加工食品」について使用する場合には、これに接する取引者・需要者に、その商品が「(コンブエキス・ワカメエキス等を濃縮して、)粒状に加工したもの」であるかのように、商品の品質(形状)について誤認を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。

したがって、本願商標は、法第4条第1項第16号に該当するものというべきである。

(3)法第4条第1項第11号について

本願商標は、別掲のとおりの構成からなる登録第5019108号商標(以下「引用商標」という。)と同一又は類似の商標であって、同一又は類似の商品について使用するものであるから、法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断

(1)法第3条第1項第3号及び法第4条第1項第16号について

本願商標は、上記第1のとおり、「ネバネバ濃縮粒」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中「ネバネバ」の文字が「糸を引くような粘り気があるさま。また、そういうもの。」を意味する「ねばねば」を片仮名文字で表記したものと理解し、並びに、「濃縮粒」の文字が「液を煮詰めなどして濃度を高めること。」の意味を有する語である「濃縮」と、「まるくて小さいもの。」や「小さな固体」といった意味を有する語である「粒」(以上、各語義については、いずれも株式会社岩波書店発行「広辞苑第5版」)としても、同じ大きさで外観上まとまりよく一体的に表してなる本願商標から、直ちに原審説示のような意味合いを看取させるとはいい難く、加えて、これに接する取引者、需要者が、その指定商品についての品質を直接的かつ具体的に表示したものとして理解するものともいい難い。

そして、当審において職権をもって調査するも、本願商標が、本願の指定商品を取り扱う業界において、商品の品質、原材料等を表示するものとして、取引上、普通に採択、使用されている事実を発見できなかった。

してみれば、本願商標は、構成全体をもって一体不可分の一種の造語として認識されるものとみるのが相当であるから、これをその指定商品について使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、かつ、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないというべきである。

したがって、本願商標が法第3条第1項3号及び法第4条第1項第16号に該当するということはできない。

(2)法第4条第1項第11号について

本願商標は、上記(1)のとおり、外観上まとまりよく一体に構成されているものであって、これより生ずると認められる「ネバネバノウシュクリュウ」または「ネバネバノウシュクツブ」の称呼もやや冗長であるとしても、よどみなく一気一連に称呼できるものである。

さらに、他に、構成中の「ネバネバ」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見いだせない。

そうとすれば、本願商標は、その構成全体に相応して「ネバネバノウシュクリュウ」または「ネバネバノウシュクツブ」の称呼を生ずるものというのが相当である。

一方、引用商標は、別掲のとおり、「ねばねば」の文字よりなるところ、これよりは「ネバネバ」の称呼のみを生ずるものである。

したがって、本願商標と引用商標とは、称呼上類似する商標ということはできない。

(3)法第6条第1項及び同条第2項について

本願の指定商品については、上記第1のとおり補正された結果、商品の内容が明確になり、かつ、商品及び役務の区分に従ったものと認められる。

その結果、本願は、法第6条第1項及び第2項の規定の要件を具備するものとなった。

(4)むすび

したがって、本願商標が法第3条第1項第3号、法第4条第1項第11号、同16号に該当するとして本願を拒絶した原査定及び当審の拒絶の理由は、解消し、並びに、本願の指定商品は、法第6条第1項及び第2項の要件を具備するものとなった。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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