Trademark Appeal Case
ハイビジョンの品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−12731(T2006−12731/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「HI VISION」の文字を標準文字で表してなり、第10類「医療用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成17年10月4日に登録出願されたものであるが、指定商品については、当審における同18年6月20日付け手続補正書により、第10類「医療用超音波診断装置」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において「本願商標は、『HI VISION』の欧文字を書してなるところ、該文字は、指定商品との関係においては、『高品位テレビジョン』の意味合いを理解、認識させるから、これをその指定商品中、『高品位テレビジョンを使用した医療用機械器具及びその部品』に使用したときは、商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり「HI VISION」の文字よりなるところ、「コンサイスカタカナ語辞典(株式会社三省堂2005年10月20日第2刷発行)」の「ハイビジョン」の項目には、「[Hi−Vision] 現在のテレビよりも、格段にきめ細かな画像と良質の音声によって臨場感を楽しめるテレビ方式。現行方式と比較して走査線は525本から1125本へ。画面の横縦の比は4:3から16:9へとワイドになり、5倍の情報量を盛り込むことが可能となる。・・・利用分野は、放送衛星によるテレビ放送のほか、映画、ビデオパッケージ、CATV、広告、印刷、医療など」と記載され、さらに「イミダス編集部編現代人のカタカナ語欧文略語辞典(2006年4月30日株式会社集英社発行)の「ハイビジョン」の項目には、「高画質で広い大画面に適する放送規格。」と記載されているものである。
(2)そして、医療関係の各種の画像データを提供するために使用されるモニターにも、ハイビジョン方式が採用されるようになってきている。
このことは、以下にあげる新聞記事情報から、窺い知ることができる。
ア 1994年9月16日付け「日刊工業新聞」には「業務用の15インチ
ハイビジョン
モニター 日本ビクター」の見出しのもと、「日本ビクターは一二月中旬、普及価格の業務用一五インチ
ハイビジョン
モニター『HV−M1500』を発売する。・・・ドット間隔が〇.二七ミリメートルと細かいフラットブラウン管を採用、明るくメリハリのある映像を得られるようにした。解像度は水平七二〇TV本以上x垂直六〇〇TV本以上。走査線数一千百二十五本、映像周波数帯域三〇メガヘルツ以上でベースバンド信号を忠実に再現するという。映像制作、医療、産業計測分野向けに売り込んでいく。」との記載がある。
イ 1991年5月15日付け読売新聞東京夕刊には、「[科学ウォッチング]遠隔地から病理診断 患部の顕微鏡映像を通信衛星使い送信」の見出しのもと、「通信衛星経由で送信されてくる患者の患部の顕微鏡映像を、専門医が診断する『テレパソロジー(遠隔病理判断)システム』をニコンが開発した。・・・まず全自動顕微鏡に備えたハイビジョンカメラが高精度な画像を撮る。この情報は民間の通信衛星を経由して離れた場所の受信機に送られる。受信側では情報を
ハイビジョン
モニターで再生して、診断に役立てる仕組みだ。全自動顕微鏡は、映像回線とは別の電話回線を使うので、手元の顕微鏡をのぞく容量で、テレビ画面を見ながら、ピント合わせや倍率変換が自由に操作できる。」との記載がある。
ウ 1993年9月6日付け河北新報には「辺地医療の改善へ
ハイビジョン
映像/青森・伝送実験始まる」の見出しのもと、「青森県大間町の国保大間病院(辺地医療機関)、むつ市のむつ総合病院(辺地中核医療機関)、青森市の県立中央病院(基幹医療機関)の3病院と、栃木県南河内町の自治医科大学病院を、通信衛星やデジタル回線でネットワーク化。医師らが、
ハイビジョン
モニターに映し出される映像情報を交換し遠隔治療に役立てる。」との記載がある。
(3)さらに、近年、通常の病院等の検査ばかりでなく一般の定期検診等にも超音波診断装置が普及してきているが、このモニターに映し出される画像は、病気の早期発見のためには、細部までより正確に写し出すことができるよう、より高画質のものが求められ、実際に販売されている実情にある。
このことは、以下にあげるインターネットホームページ情報から、窺い知ることができる。
ア 東芝メディカルシステムズ株式会社が運営する「2006年5月23日付けNews release」のホームページ(http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/company/news/060523.html)には、「コンパクトなボディで高画質・使いやすさを追求した超音波診断装置Nemio(「o」の右上に小さく「TM」の文字が付されている。)/液晶モニタ搭載により軽量化、益々多くの医療現場へ」の見出しのもと「超音波診断装置は、検査時の患者さんへの負担が他の画像診断装置に比べて少なく、またリアルタイムに画像を観察できることから、腹部一般の検査や産科、循環器等の幅広い臨床領域で使われています。特に、近年、数々の新しい技術の開発により超音波診断装置の臨床応用範囲はさらに広まりつつあります。当社は、その優れた性能をより多くの臨床の場で活用していただくため、装置の軽量化により可搬性を向上、プレミアムクラスの機能を導入し
高画質
を実現、さらに使いやすさを追求した新製品「Nemio XG(「o」の右上に小さく「TM」の文字が付されている。)」(ネミオXG)を商品化し、・・・」との記載がある。
イ 株式会社島津製作所が運営する「Medical Parkの製品情報」中「超音波診断システム/SDU−2200Pro」を紹介するホームページ(http//www.ned.shimadzu.co.jp/products/sdu/01.html)には、「●デジタル超音波の真価を発揮する
高品質
画像」の見出しのもと、「・・・高精度なフォーカスを実現し浅部から深部に至るまで均一でシャープな
高品位
画像を提供します。」との記載がある。
(4)そして、以下にあげるインターネットホームページ及び新聞記事情報のとおり、「超音波画像」を「ハイビジョン方式」で提供する例がある。
ア オリンパス株式会社が運営する「オリンパス ニュースリリース」のホームページ(http://www.olympus.co.jp/jp/news/2006b/nr061127viserapj.cfm) には、「2006年11月27日
ハイビジョン
画像の実現と様々な臨床科の共通システムとして手術室の効率運営をサポート 内視鏡統合ビデオシステム『VISERA Pro(ビセラ・プロ)システム』発売」の見出しのもと、「オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌 治人)は、近年、様々な臨床分野に普及している内視鏡外科手術の観察性能向上と手術室の効率運営を目的に、ハイビジョン画像の実現と様々な臨床科の共通のシステムとして当社製従来機器との互換性も確保した内視鏡統合ビデオシステム『VISERA Pro(ビセラ・プロ)システム』を12月5日から国内で発売し、順次アジア・中南米地域※1に販売を予定しています。・・・内視鏡画像に加え、
超音波
やCT、MRIなど他の画像との同時表示や親画面/子画面の切り替えが可能です。」との記載がある。
イ 1997年5月12日付けMedical & Test Journalには、「〈第46回日本臨床衛生検査学会・超音波ビデオカンファレンス・心臓超音波検査〉司会:増田喜一(国立循環器病センター生理機能検査部)・出題者・伊藤善祐(福井循環器病院)」の見出しのもと「・・・名古屋国際会議場において、国際会議室の大型
ハイビジョン
モニターを利用しての超音波ビデオカンファレンスである。・・・
超音波
動画像を用いての『ビデオカンファレンス』は学会最終日の5月16日午前9時に開演される。」との記載がある
(4)そうすると、「HI VISION」の文字からなる本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、ハイビジョン方式という商品の品質、機能を表示したにすぎないものと理解するに止まり、これを自他商品の識別標識とは認識しないとみるのが相当である。
(5)請求人は、「高品位テレビジョン」とはテレビやビデオ、DVD等の放送や映像に関して使われている用語であるから、当審において、前記1のとおり指定商品を、放送や映像等を表示させるものではない「医療用超音波診断装置」に補正したことにより、指定商品との関係において、商品の品質を表示するものでも、商品の品質について誤認を生じさせるものでもなくなった旨主張しているが、医療用超音波診断装置でもハイビジョン方式のものがあることは前記したとおりであるから、この主張を採用することは出来ない。
(6)してみれば、本願商標は、これをその指定商品中、「ハイビジョン方式の医療用超音波診断装置」に使用しても、単に商品の品質、機能を表示するにすぎないものであり、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願商標を拒絶した原査定は妥当であり、取り消すことはできない。
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