1 本願商標
本願商標は、「HA ハイアベイラビリティ」の文字を標準文字により表してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成17年12月27日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「HA ハイアベイラビリティ」の文字を表示してなるところ、「ハイアベイラビリティ」の語は「高い可用性(アベイラビリティ)を持つコンピュータシステムのこと」を表し、その英語表記「High Availability」の頭文字をとって「HA」と略している実情が認められることから、「HA」と「ハイアベイラビリティ」の文字を一文字空けて表示した本願商標を、その指定役務のうち前記に照応する「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電気に関する試験又は研究,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供」に使用しても、単に役務の質(内容)を表すにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあり、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「HA ハイアベイラビリティ」の文字を書してなるものである。
そして、例えば、「最新2002年版 標準パソコン用語事典」(株式会社秀和システム 2001年8月6日)の「HA」の項には、「ホームオートメーション」との記載、「アベイラビリティ」の項には、「システムの稼働率。」との記載、及び「imidas2007」(株式会社集英社 2007年1月1日発行)の「HA」の項には、「ホームオートメーション.家庭の自動化.」との記載がある。
そうすると、本願商標の構成中「HA」の文字は、「ホームオートメーション」の意味を表すものとして広く知られているものといえ、「ハイアベイラビリティ」の文字が、たとえ、「高い可用性」の意味合いを有するものとしてコンピュータシステムに関して使用され、その略語として「HA」の文字が使用されていることが散見されるとしても、本願商標全体の文字より、直ちに特定の役務の質等を具体的に表示するものとして一般に理解され、或いは、取引者・需要者間において、取引上普通に使用されている事実も認められないところであり、本願商標の文字よりは、原審説示の意味合いを認識するともいい難いものといえる。
以上よりすれば、本願商標は、これをその指定役務に使用した場合、取引者・需要者は、全体として特定の役務の質等の意味合いを看取し得ないものと認識し把握するとみるのが相当であって、自他役務の識別力を有しないものということはできない。
そして、本願商標は、これをその指定役務中のいずれの役務に使用したとしても、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるということもできない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものとはいえず、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。