結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2007−890028(T2007−890028/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4998239号商標(以下、「本件商標」という。)は、「AIR WOOL」の文字を標準文字で表してなり、平成18年4月12日に登録出願、第24類「毛繊維を使用している織物(畳ベリ地を除く。)」を指定商品として、平成18年10月27日に設定登録されたものである。
請求人が引用する登録第4397109号商標(以下、引用商標という。)は、「エアロウール」の文字を標準文字で表してなり、平成11年6月16日に登録出願、第24類「毛織物」を指定商品として、平成12年7月7日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
(1)請求の理由
ア 無効理由について
本件商標は、引用商標と類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ 本件商標と引用商標の類否について
(ア)称呼の類否について
本件商標は、「AIR WOOL」の標準文字からなるもので、その構成文字に相応して「エアウール」の称呼を生じる。他方、引用商標は「エアロウール」の標準文字からなり、同文字に相応して「エアロウール」の称呼を生じる。
本件商標は、「AIR」の語と「WOOL」の語の間にスペースがあるというその構成態様から、「エアウール」と一気に称呼されるというよりは、「エア・ウール」 のように「エア」と「ウール」 の間で一拍置いて称呼されるのが自然である。また、アクセントは、それぞれの単語の語頭に相当する「エ」の音と「ウ」の音に置かれる。
一方、引用商標においても、アクセントの位置は自然と、語頭の「エ」の音と長音を伴う「ウ」の音に置かれる。そして、中間部の「ロ」の音は、アクセントの係る「ウ」の直前に位置する関係上、前半部の「エア」に吸収されるように響きの弱い音になり易い。
以上述べたような、両商標から生じる称呼を比較すると、両者は中間部において「ロ」の音の有無に差異を有するほか、他の全ての音を同じくするものである。また、アクセントの位置も、両者ともに、語頭の「エ」と長音を伴う「ウ」 にある点で共通する。
すなわち、本件商標から生じる「エア・ウール」の称呼と引用商標から生じる「エアロウール」の称呼とでは、中間部で何も発音されず一拍置くか、「ロ」が弱く発音されるか、という微弱な相違しかなく、両者はアクセントの位置を共通にし、「エ〜・ウール」と2音節に聴取される点も同じである。
してみれば、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語調・語感が極めて近似したものとなり、取引者・需要者にとって、その聴別が困難なものとなり、混同が生じやすいものであることは明らかである。
(イ)観念の類否について
本件商標は、その構成文字から「空気のウール」ないし「空気の毛織物」の観念を生じるものであり、本件商標を本件指定商品について使用した場合には、取引者・需要者に対して、当該商品が「空気を含ませた毛織物」ひいては「通気性、保温に富んだ素材」といったイメーンを与えるものである。
一方、毛織物(ウール)を指定商品とする引用商標において、その構成文字「エアロウール」が、英単語に由来するエアロ(aero)とウール(wool)の結合したものであることは、本件指定商品分野におけるわが国需要者において容易に理解されるところである。そして、「aero」が「空気」等の意味合いを有し、「air」と同義に用いられる英語(接頭語)であることもまた、多くの需要者の知るところである。
「aero」が「air」と同義に用いられる点については、英語の辞書で「aero−」を引くと、「1『空気』『空中』の意を表す。2『航空(機)』の意を表す。(米)ではair−が普通。」(小学館/プログレッシブ/英和中辞典)と記載されていることからも明らかである。例えば、「aeroplane」と「airplane」 は、語頭が「aero」と「air」で異なるが、いずれも「飛行機」を意味する英単語である。
また、「エアロ」が空気を連想させる身近な語に「エアロビクス」がある。「エアロビクス(aerobics)」が、空気を多く取り入れ多く消費する運動(有酸素運動)であることは広く知られている。
このように、「air」と「aero」は共に「空気」の意味を有する同義の語(接頭語)であり、「aerowool」のカタカナ表記に相当する「エアロウール」からもまた、「空気のウール」の観念が生じるから、本件商標と引用商標とは観念において同一である。
(ウ)外観の類否について
本件商標は、「AIR WOOL」の英文字を標準文字で書してなるものであるのに対し、引用商標は、「エアロウール」の片仮名文字を標準文字で書してなるものであるから、両者を対比して観察した場合には、外観上は一応相違することが認められる。
しかし、両商標はいずれも、標準文字からなり外観上何ら特徴はないから、視覚的に格別に記憶に残るようなものであるとは認められない。むしろ、「エアウール」ないし「エアロウール」の称呼が簡潔で馴染みやすく、「空気のウール」の観念とともに記憶にとどめやすいものであるところから、取引にあたり、商標の称呼に頼る場合が少なくないものと考えられる。そうすると、時と所を異にしてそれぞれの商標に接した場合、両商標の外観上の相違点は、両商標の称呼が相紛らわしく、観念が同一であることを凌駕して、明らかに識別できるものと評することはできず、この相違点をもって、両商標の称呼上の類似及び観念上の同一によって生ずる混同のおそれを否定することはできない。
(エ)指定商品について
本件商標に係る指定商品第24類「毛繊維を使用している織物(畳ベリ地を除く。)」と引用商標の指定商品第24類「毛織物」とは、ともに織物であるから、同一又は類似する商品である。
(オ)両商標の類否の総合判断
以上によれば、本件商標及び引用商標は、称呼において類似し、観念において同一のものであり、また、外観上の相違点も評価すべきものとは認められないから、本件商標を指定商品について使用した場合、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれが十分にあるものと認めることができる。
ウ むすび
本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。
(2)弁駁
ア 被請求人は、本件商標から生じる自然的称呼「エアーウール」と、引用商標から生じる「エアロウール」の称呼を対比すると、本件商標には引用商標に存在しない「ー」の延ばす音が存在し、引用商標には本件商標に存在しない「ロ」の音が存在する点で、明らかに互いに相違すると主張する。
しかし、中間部において「ア」の長音(ー)と「ロ」の音の差異が存するとしても、当該差異が称呼全体に及ぼす影響は微弱なものであり、両称呼は、語頭部の「エア」と後半部の「ウール」の音を同じくし、アクセントの位置も両者ともに語頭の「エ」と長音を伴う「ウ」にある点で共通する。そうすると、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語調・語感が極めて近似したものとなり、混同が生じやすいものであることは明らかである。
また、被請求人は、両商標は毛織物(ウール)に関連する商品を指定しているから、識別力を有する称呼部分は本件商標では「エアー」、引用商標では「エアロ」とするのが妥当であり、3文字の称呼中1文字が異なるので、両商標の称呼は互いに相違する、と主張する。
しかし、「エアーウール」の称呼も「エアロウール」の称呼も、長音を含めて6音という簡潔なものであり、取引上「エアー」や「エアロ」の如く略称されることはあり得ない。あり得ない称呼を対比することに意味はなく、本件ではそれぞれの商標(「AIR WOOL」と「エアロウール」)の全体から生じる称呼を対比するのが合理的である。
さらに、被請求人は、通常の日本人の需要者・取引者にとって「エアロ」の具体的な意味がどのようなものであるのかを正確に理解できていないのが実情である、実際、酸素運動、飛行機のように「エアロ」の文字は接続する文字によって意味を大きく変えるので、一意の意味に定まらない、したがって、具体的に「空気」を意味する「エアー」とは観念上混同することはない、と主張する。
しかし、接続する文字によって空気や航空といった複数の意味を有するのは、「エアロ」ばかりでなく「air」も同様である。現在のわが国において、「エアロ」の語は決して馴染みの薄い語ではなく、本件指定商品分野における平均的な英語力を有する取引者・需要者であれば、仮に「エアロ」の具体的な意味を日本語で直ちに正確に述べられない場合があるとしても、「エアロ」が「air」と同義であることは容易に理解できるものである。そして、エアロ(aero)とエアー(air)とが実際に接頭語として同義に用いられることは、英和辞典でも確認される顕著な事実である。
したがって、「air wool」と「エアロウール」は観念において同一である。
両商標の外観について、被請求人は、アルファベット文字とカタカナ文字による相違を主張するが、いずれの文字も標準文字で視覚的に特徴のないものであるから、両商標の称呼が相紛らわしく観念が同一であることを凌駕して識別力を発揮するものでない。
以上によれば、本件商標と引用商標とは、商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれのある互いに類似する商標である。
イ 請求人は、以上述べた主張理由の正当性を立証すべく、本件事案と判断の軌を一にする、次の審決例を挙げて、これを自己の主張理由に有利に援用することとする。
<平成10年審判第1866号(平成13年12月11日審決)>
本願商標 :AirWay
引用A商標:エアロウェイ
引用B商標:AEROWAY
『本願商標は、「航空路」 を意味する英語「AirWay」の文字を表したと認められるものであり、これよりは、「エアーウェイ」の称呼及び「航空路」の観念を生じさせるものである。
他方、引用A、B商標は「エアロウェイ」「AEROWAY」の各文字よりなるものであるから、これよりは、いずれも「エアロウェイ」の称呼を生じさせるものである。そして、引用商標中「AERO」「エアロ」の語は、「航空」等の意味を表す接頭語であり、かつ、引用商標はその後に「路」を意味する「WAY」「ウエイ」の語が続くものであるから、全体として「航空路」の如き観念をも生じさせるものというのが相当である。
そこで、本願商標より生ずる「エアーウェイ」の称呼と、引用A商標、引用B商標より生ずる「エアロウェイ」の称呼とを比較するに、両称呼は、語頭部の「エ」「ア」と後半部の「ウェ」「イ」の4音を共通にし、異なるところは、「ア」の長音(一)と「ロ」の差異のみである。しかしながら、該差異音「ア」の長音(一)と「ロ」の音は比較的聴別し難い中間に位置するものであるから、両称呼を一連に称呼した場合には、全体の語調語感が相近似し、これらを互いに間き誤る場合が少なくないというのが相当である。
さらに、本願商標と引用A商標、引用B商標とは、上記の如く共に「航空路』」の観念を生じさせるものでもある。
してみれば、本願商標と引用A商標、引用B商標とは、外観において相違するとしても、称呼及び観念において類似する商標であって、かつ、その指定商品も同一又は類似のものであるから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消す限りでない。』
上記と同旨の判断は、下記の審決においても示されている。
<平成10年審判第1867号(平成12年9月25日審決)>
本願商標 :エアーウェイ
引用A商標:エアロウェイ
引用B商標:AEROWAY
上記審決における類否判断は、本件においてもそのまま当てはまるものである。
本件商標は「AIR WOOL」の文字からなるものであり、これよりは、「エアーウール」の称呼及び「空気のウール」の観念を生じさせるものである。他方、引用商標は「エアロウール」の文字よりなるものであるから、これよりは、「エアロウール」の称呼を生じさせるものである。そして、引用商標中「エアロ」の語は、「aero」の表音であって「空気」等の意味を表す接頭語であり、かつ、引用商標はその後に「ウール」の語が続くものであるから、全体として「空気のウール」の如き観念をも生じさせるものである。
そこで、本件商標より生ずる「エアーウール」の称呼と、引用商標より生ずる「エアロウール」の称呼とを比較するに、両称呼は、語頭部の「エ」「ア」と後半部の「ウー」「ル」の4音を共通にし、異なるところは、中間部の「ア」の長音(ー)と「ロ」の差異のみである。そして、該差異音は聴別し難い中間に位置するものであるから、両称呼を一連に称呼した場合には、全体の語調語感が相近似し、これらを互いに聞き誤る場合が少なくない。
さらに、本件商標と引用商標とは、共に「空気のウール」の観念を生じさせるものでもある。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べた。
(1)請求人は、本件商標が引用商標と類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当すると主張するが、かかる主張は何ら根拠のないものである。
(2)本件商標と引用商標の類否について
(ア)称呼の類否について
本件商標は、「AIR WOOL」のアルファベットの標準文字からなるもので、「エアーウール」が最も自然的称呼と考えるのが妥当である。一方、引用商標は、「エアロウール」の片仮名の標準文字からなるもので、同文字に対応して「エアロウール」 の称呼を生じる。
両商標の称呼を対比すると、本件商標には引用商標に存在しない「ー」の延ばす音が存在するが、引用商標には本件商標に存在しない「ロ」の音が存在する点で、明らかに互いに相違する。
また、両商標はいずれも、短い称呼の商標であるので、一つの文字の音の存在、不存在は、両商標の称呼の相違を顕著にする。
特に、両商標は毛織物(ウール)に関連する商品を指定しているから、識別力を有する称呼部分は本件商標では「エアー」、引用商標では「エアロ」とするのが妥当であり、両商標の比較しうる称呼は極めて短い発音からなる。 したがって、両商標の3文字の称呼中、1文字が異なるので、両商標の称呼は互いに全く異なるものと判断せざるを得ない。
以上のように、比較的短い両称呼間で、明らかに異なる発音が互いに存在するから、両商標は称呼上非類似であることは明らかである。
(イ)観念の類否について
本件商標「AIR WOOL」中、識別力のある「AIR」の文字は、英和辞典を引けば様々な意味を掲載しているが、通常の日本人の取引者・需要者は「空気」の意味を有すると判断するのが妥当である。
一方、引用商標「エアロウール」中、識別力のある「エアロ」は、通常の日本人の需要者・取引者にとって接頭語として使う「エアロビクス」、「エアロプレーン」 ぐらいしか思いつかないはずであり、「エアロ」の具体的な意味がどのようなものであるのかを正確に理解できていないのが実情である。実際、上記のように酸素運動、飛行機のように「エアロ」の文字は接続する文字によって意味を大きく変えるので、一意の意味に定まらない。また、「ウール」の文字と接続したとしても「エアロ」の具体的な意味を容易に想像できない。
したがって、「エアロ」 自体は、需要者・取引者に対して具体的な観念をほとんど生じないものと考えられるから、具体的に「空気」を意味する「エアー」とは観念上混同することはあり得ない。
してみれば、両商標の観念は互いに非類似であることは明らかである。
(ウ)外観の類否について
本件商標はアルファベット文字であり、引用商標は片仮名文字であるから、両商標の外観は非類似であることは明らかである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標と引用商標は称呼・観念・外観において互いに類似しない。
(1)本件商標は、「AIR WOOL」の文字からなるものであるところ、「AIR」と「WOOL」の両文字の間に空白を有しており、両語を結合した商標であると容易に看取し得るものである。そして、「AIR」が「空気」の意味を有する英語、「WOOL」が「羊毛・ウール」を意味する英語として一般に親しまれた語であるが、両語を結合した「AIR WOOL」にそれぞれの語の語義を結びつけて「空気のウール」との意味合いを当て嵌めてみたとして、それが既成・固有の具体的な事象等に結びついて認識され記憶され得るものとはいえず、「AIR WOOL」の文字が直ちに特定の意味合いを表すものとして理解、認識されるとは言い難いから、同文字は、特定の意味合いを表さない一連の造語として看取されるとするのが相当である。
してみると、本件商標は、特定の観念を生じさせないものであり、その構成文字「AIR WOOL」に相応して「エアウール」あるいは「エアーウール」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標は、「エアロウール」の文字からなるところ、その構成各文字は同じ書体で同じ大きさをもって一連に表されたものであり、特定の観念を生じない一連の造語を表したものとして看取されるというべきであり、その構成文字に相応して「エアロウール」の称呼が生じるものである。
なお、引用商標に関して、請求人は、「エアロビクス」「aeroplane」の例を挙げ、「エアロ」が「aero」に由来し、「air」と同義の接頭語として認識され、「エアロウール」の文字より「空気のウール」の観念が生ずる旨主張する。
しかしながら、我が国において「エアロビクス」及び「aeroplane」は、既に「有酸素運動(エアロビクス)」や「飛行機」といった定着した一義的語義をもって理解されている語であり、また、我が国の英語の普及程度を勘案して、その中の「エアロ」や「aero」が英語「aero」の「空気」の語義に由来し「air」と同義語として一般に理解されているとしても、「エアロウール」の文字は、前述のとおり、一連の造語として看取されるというのが相当であるから、この「エアロ」や「aero」より連想して、「エアロウール」の文字が「空気のウール」として理解され記憶されるとするのは困難であるといわざるを得ない。
したがって、請求人の前記主張は採用できない。
(2)しかして、本件商標の称呼「エアウール」あるいは「エアーウール」と引用商標の称呼「エアロウール」をそれぞれ比較すると、「エアウール」と「エアロウール」の両称呼においては、前半の「エ」「ア」及び後半の「ウ」「ー」「ル」の各音を共通にするけれども、中間で「ロ」の音の有無の差異を有するものである。そして、「ロ」の音は、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)と母音(o)の結合した音節であり、中間に位置するとはいえ、前音の「エ」及び「ア」と同様に1音として明確に発音・聴取されるものであるから、該音の有無の差異が、格別冗長ともいえない称呼(請求人も簡素な称呼であるとしている。)全体の音感に与える影響は決して小さいとはいい難く、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、相紛れることなく区別し得るものである。
また、「エアーウール」と「エアロウール」の両称呼においては、前半の「エ」「ア」及び後半の「ウ」「ー」「ル」の各音を共通にするけれども、中間で「ア」に長音を伴うか否か、及び「ロ」の音の有無の差異を有するものである。そして、前者の長音は前音「ア」をやや引き延ばす音であり、他方、「ロ」の音は、舌面を硬口蓋に近づけ、舌の先で上歯茎を弾くようにして発する有声子音(r)と母音(o)の結合した音節であり、該差異音が中間に位置するとはいえ、前述のとおり、明確に発音・聴取されるものであり、差異音である長音と「ロ」とを対比しても両者は明確に相違するから、該差異音の差異が、格別冗長ともいえない称呼全体の音感に与える影響は決して小さいとはいい難く、これらをそれぞれ一連に称呼するときには、相紛れることなく区別し得るものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、その外観構成において欧文字と片仮名文字という明らかな差異を有するものであるから、相紛れる余地はなく、また、観念においては、前記(1)のとおりであるから、比較することができないものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても相紛れるおそれはなく、これらよりの印象、記憶、連想等を総合して考察してみても、両商標を同一又は類似の商品に使用した場合、商品の出所について誤認混同するおそれがあるとはいえないから、本件商標が引用商標と類似する商標であると判断することはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)請求人は、審決例を挙げて、当該審決における類否判断が、本件においてもそのまま当てはまるものである旨主張する。
しかしながら、商標の類否は、対比される両商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人が引用する審決は、いずれも、「航空路」という既成・固有の観念を生じさせると認め得る商標に係るものであるから、商標の構成・態様(及び指定商品)において本件とは異なる事案であって、本件の上記判断を左右するものとはいえないというべきである。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとは認められないから、同法第46条第1項によってその登録を無効とすることはできないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。