sokuhyo

Trademark Appeal Case

称呼類似と清濁音の差異

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2006−17950(T2006−17950/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「LabCyte」の文字を標準文字により表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として平成17年2月18日に登録出願、その後、指定商品については、当審における平成18年8月17日付け手続補正書により、第1類「皮膚・軟骨・角膜・肝臓・神経・血管およびその他の細胞を有するキット状の研究用化学試薬」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第789443号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ラブサイド」の文字を横書きしてなり、昭和41年10月19日に登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤及び医療補助品」を指定商品として昭和43年8月9日に設定登録され、その後、昭和53年8月2日、昭和63年7月21日及び平成10年8月25日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされたものである。

同じく、登録第4324982号商標(以下「引用商標2」という。)は、「RABCIDE」の文字を横書きしてなり、平成10年9月25日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として平成11年10月15日に設定登録されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点

本願商標は、引用商標1及び引用商標2と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似する商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 当審の判断

(1)本願商標は、その指定商品について前記1のとおり手続補正書により、「化学品」の範疇に属する商品に補正された結果、引用商標2の指定商品と同一又は類似の商品は、全て削除されたものである。その結果、本願の指定商品は、引用商標2の指定商品と類似しない商品となったものと認められるものである。

したがって、本願商標は、引用商標2と同一又は類似であっても、その商標に係る指定商品とは非類似の商品となったものであるから、引用商標2を引用して、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は解消した。

(2)本願商標と引用商標1との類否について検討するに、本願商標は、前記1のとおり、「LabCyte」の文字を書してなるものであって、その構成文字に相応して「ラブサイト」の称呼を生ずるとみるのが自然である。

他方、引用商標1は、その構成文字に相応して「ラブサイド」の称呼を生ずること明らかである。

しかして、本願商標から生ずる「ラブサイト」と、引用商標1から生ずる「ラブサイド」の称呼とは、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音を含めて「ラブサイ」の各音を共通にし、異なるところは、比較的聴取され難い語尾音における「ト」と「ド」の清音と濁音との差異にすぎないから、この差異が両称呼の全体に及ぼす影響は小さいものであって、両称呼を一連に称呼するときは、全体の語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれがあるといわなければならない。

してみれば、本願商標と引用商標1とは、外観において相違し、観念において両者が親しまれた既成の観念を有しない一種の造語として認識し把握されるとみられるから、両者を比較すべきところがないとしても、称呼において類似する商標というべきである。

また、本願商標の指定商品は、バイオ製品(ライフサイエンス分野)であるとしても、「化学品」の範疇に属する商品であって、引用商標1の指定商品中の「化学品」とは、生産部門、販売部門、需要者等を共通にする類似の商品といわざるを得ず、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標といわなければならない。

ところで、請求人は、甲第2及び第3号証を提出し、本願商標の指定商品はバイオ製品であり、その製品の性質上、引用商標1の指定商品である「化学品」などの化学工業製品とは生産・販売ルート等が異なる旨主張している。

該証拠は、本願商標の指定商品が、製造期間および保存期間の観点から受注締切日と出荷日が予め定められた受注生産であることや、細胞保存の観点から製造業者である本願出願人から直送される販売ルートとなっていることなど(甲第2号証)、また、引用商標1の商標権者は、その事業分野において、化学製品として工業薬品(無機薬品、有機薬品)、アグロ製品(農薬、農材)等を取り扱っていること(甲第3号証)は認められる。

しかしながら、これから直ちに生産・販売ルート等を異にする非類似の商品とは言い得ない。

さらに、請求人は、甲第4ないし第11号証を提出し、請求人は、ヒト細胞を利用した再生医療製品の事業化を目的とした我が国最初の企業として1999年2月に設立された後、全国紙やTV放送で繰り返し紹介されており、その事業に関して常に先駆的存在として全国に知られている旨主張しているが、本件については上記認定のとおりであるから、該証拠をもって、本件の判断を左右するものとはいえない。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。