Trademark Appeal Case
図形商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第90437号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | other |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4217828号商標(以下「本件商標」という。)は、別紙の(1)に示すとおりの構成よりなり、平成9年9月29日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年12月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
3 取消理由の通知
平成11年8月23日付けで、商標権者に要旨下記の取消理由を通知した。
本件商標は、別紙の(1)に示すとおりの構成よりなり、平成9年9月29日に登録出願され、平成10年12月4日に設定登録されたものである。
これに対して、登録異議申立人が引用する商標は、別紙の(2)に示すとおりの構成よりなる登録第1670740号商標、登録第1650964号商標、登録第1636037号商標、登録第2450396号商標及び別紙の(3)に示すとおりの構成よりなる登録第2204518号商標、登録第2076955号商標、登録第1941608号商標、登録第1976842号商標である。
しかして、本件商標と引用各商標の図形部分は、鳥類を図案化したと認められるものであるところ、いずれも、等間隔に横線が入った翼を左右に広げ、V字状に切り込んだ翼の中央部分に、頭部を右向きに配するという基本的構成を同じくするものであるから、その外観的印象は極めて近似するものである。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、細部において異なるところがあるとしても、時と処を異にして使用される取引においては、外観上、彼此相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
そして、本件商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証を提出した。
まず、本件商標について、取消理由では、鳥類を図案化したものと判断しているが、何故本件商標が直ちに鳥類と判断できるのか疑問である。
本件商標は、取消理由において、翼と頭部であると判断された部分についても、それぞれが分離しており、中央がくぼんだ複数本のライン上にワンポイント的な図形を配した幾何図形と考えられるものである。
また、仮に本件商標が鳥類を図案化したものとしても、引用各商標とはその構成が非常に異なるものである。
即ち、図形部分についても、全体として翼と頭部が一体となった引用各商標と、翼としても横線がそれぞれ分離し、頭部とされる部分とも分離した本件商標とでは、その構成が非常に異なるものである。
また、引用各商標は文字がバランスよく配置されており、文字部分を無視できるような構成とはなっていない。このため、文字の部分も当然、需要者・取引者の注意を惹く一体不可分の商標であると考えられる。そうであれば、本件商標とは、その構成を異にし、時と処を異にした離隔観察をした場合にも、何等相紛れるようなことはない。
しかも、引用各商標との具体的な相違点として、登録第1670740号商標、登録第1650964号商標、登録第1636037号商標及び登録第2450396号商標の等間隔の横線は確認できないほどのものであるし、登録第2204518号商標、登録第2076955号商標、登録第1941608号商標及び登録第1976842号商標にしても、黒枠で一体化された「EMPORIO ARMANI」の文字を無視することは到底できないものであり、これらの部分が細部における相違とは到底考えられない。
商標権者のこのような主張は、文字と一体となった商標と文字を有しない商標との類否や図形の構成が異なる商標の類否が判断された乙第1号証ないし乙第5号証のような審決例によっても裏付けられるものである。
本件商標と引用各商標も、これらの審決例のように、文字の有無や図形の構成が異なるため非類似と判断されるべきである。
以上述べたように、本件商標は、引用各商標と何等類似するような商標ではない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
5 当審の判断
本件商標は、別紙の(1)に示すとおりの構成よりなり、平成9年9月29日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成10年12月4日に設定登録されたものである。
これに対して、登録異議申立人が引用する商標は、別紙の(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和55年9月30日に登録出願され、昭和59年3月22日に設定登録された、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品とする登録第1670740号商標、同じく、昭和55年9月30日に登録出願され、昭和59年1月26日に設定登録された、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第1650964号商標、同じく、昭和55年9月30日に登録出願され、昭和58年11月25日に設定登録された、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品とする登録第1636037号商標、同じく、昭和62年2月23日に登録出願され、平成4年8月31日に設定登録された、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、つり具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第2450396号商標、別紙の(3)に示すとおりの構成よりなり、昭和59年12月5日に登録出願され、’平成2年1月30日に設定登録された、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品とする登録第2204518号商標、同じく、昭和59年12月5日に登録出願され、昭和63年9月30日に設定登録された、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第2076955号商標、同じく、昭和59年12月5日に登録出願され、昭和62年3月27日に設定登録された、第21類「装身具、ボタン類、かばん類、袋物、宝玉およびその模造品、造花、化粧用具」を指定商品とする登録第1941608号商標、同じく、昭和59年12月5日に登録出願され、昭和62年8月19日に設定登録された、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコード、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第1976842号商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
しかして、本件商標と引用各商標の図形部分は、鳥類を図案化したと認められるものであるところ、いずれも、等間隔に横線が入った翼を左右に広げ、V字状に切り込んだ翼の中央部分に、頭部を右向きに配するという基本的構成を同じくするものであるから、その外観的印象は極めて近似するものである。
また、登録異議申立人の提出に係る甲第16号証の「英和商品名辞典(第2刷)」(株式会社研究社1991年発行)及び甲第17号証の「服飾辞典(第2刷)」(文化出版局昭和54年4月13日発行)には、「Giorgio Armani」について記載されている。同じく、甲第19号証の「外国ブランド権利者名簿(改訂版)」(社団法人日本輸入団体連合会平成10年3月刊行)には、引用各商標及び「GIORGIO ARMANI」等についてブランド名、ブランドマーク等が記載されている。同じく、甲第20号証の「MEN’S CLUB」(1990年8月1日株式会社婦人画報社発行)、甲第21号証の「MEN’S CLUB」(1991年1月1日株式会社婦人画報社発行)、甲第22号証の「MEN’S CLUB」(1991年8月1日株式会社婦人画報社発行)、甲第23号証の「MORE for MEN」(平成10年「モア」増刊号)及び甲第53号証の「FP」(1991年6月1日株式会社学習研究社発行)には、ジョルジオ・アルマーニについての記事が掲載されている。同じく、甲第33号証の「BRUTUS」(1990年9月15日株式会社マガジンハウス発行)、甲第36号証の「BRUTUS」(1991年4月1日株式会社マガジンハウス発行)、甲第37号証の「Tarzan」(1991年9月11日発行)、甲第39号証の「BRUTUS」(1991年9月15日株式会社マガジンハウス発行)、甲第40号証の「FASHION NEWS」(1990年12月20日インファス発行)及び甲第41号証の「BRUTUS」(1992年9月15日株式会社マガジンハウス発行)には、引用各商標の広告が掲載されている。以上の事実より、引用各商標が紳士服等の各種商品に使用され、または雑誌等の記事に紹介され、周知なものとなっていると認め得るものである。
そうとすれば、本件商標と引用各商標とは、細部において異なるところがあるとしても、時と処を異にして使用される取引においては、外観上、彼此相紛らわしい類似の商標といわなければならない。
そして、本件商標の指定商品は、引用各商標の指定商品と同一又は類似するものであり、引用各商標は、本件商標より先出願かつ先登録に係るものである。
なお、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの理由により、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものであって、これについて述べる商標権者の意見は、以下の理由により、採用することができない。
商標権者は、審決例(乙第1号証ないし乙第5号証)を示し、本件商標と引用各商標も、これらの審決例のように、文字の有無や図形の構成が異なるため非類似と判断されるべきである旨述べているが、本件については上記認定のとおり引用各商標の周知性を考慮して、本件商標と引用各商標とが細部において異なるところがあるとしても、時と処を異にして使用される取引においては、外観上、彼此相紛らわしい類似の商標といえるから、その審決例等とは事案を異にするものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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