結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300427(T2007−300427/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第2497944号商標(以下「本件商標」という。)は、「サクラサク」の文字を横書きしてなり、平成2年4月12日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として平成5年1月29日に設定登録され、その後、平成15年2月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成16年6月30日に指定商品を第30類「菓子,パン」とする書換登録がされているものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
ア 使用例1(後述、3(2)(イ)参照)は本件商標の使用とはいえないものである。
(ア)商標法第50条第1項は、登録商標を「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標を含む。」と規定する。
したがって、平仮名と片仮名を変更する場合は、(a)文字の表示を相互に変更するものであること、(b)同一の観念を生ずる商標であること、を要するものであることが明らかである。
しかしながら、使用例1の商標は、前記(a)及び(b)の双方において、本件商標の使用とはいえないものである。
(イ)本件商標は、被請求人も認めるように、ゴシック体の横書きで「サクラサク」の文字を書してなるものである。
一方、使用例1の「さくらさく!」は、「さくら」と「さく!」の部位が異なる色調で記載され、しかも、末尾に「さく」を強調する「!」を有するので、本件商標と対比すると、前記(a)の「文字の表示を相互に変更するものであること」ということはできない。
(ウ)さらに、本件商標は、「サクラサク」の文字を片仮名で横一連に書してなるので、片仮名書きの合格電報を瞬時に想起させるものである。
一方、使用例1の「さくらさく!」は、前述のとおり、「さくら」と「さく!」の部位が異なる色調で記載されるとともに、末尾に「さく」を強調する「!」を有するので、まさに桜の花が咲いていることを明白に示すものであり、何等合格電報を認識させるものではない。
よって、本件商標の「サクラサク」と使用例1の「さくらさく!」は、観念を異にする別異の商標であることが明白である。
(エ)なお、使用権者による使用例1の「さくらさく!」の使用は、請求人に係る登録商標(登録第4816766号及び同第5049553号)と業務上の混同を生ずるものであるから、商標法第53条第1項の規定に該当するものである。
イ 使用例2(後述、3(4)(イ))の場合も本件商標の登録の取消しを免れ得ない。
(ア)使用例2は、被請求人の使用権者における使用とはいえない。使用例2に関しては、通常使用権許諾契約の締結の証拠方法が提出されていないので、被請求人の主張は意味をなさない。
(イ)なお、使用例2は本件審判の請求前3月以内の使用であり、被請求人は、2度に亘る侵害警告を既に行っていて本件審判請求がされることを知っていたことが明らかであるから、商標法第50条第3項の規定により、この使用例2の使用は、登録商標の使用に該当しないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし同第8号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)請求人は、本件商標は継続して3年以上使用した事実がないから取り消されるべきである旨主張している。
しかし、本件商標は、本件審判請求日前より複数の通常使用権者により日本国内で使用されているので、以下に詳述する。
(2)本件商標の使用例1に関する説明
(ア)被請求人(商標権者)は、本件商標についてカンロ株式会社(以下「カンロ(株)」という。)と通常使用権許諾契約を締結している。
乙第1号証の1で示す平成17年9月28日付契約書の第1条では、被請求人がカンロ(株)に対し(a)期間「平成17年10月1日から平成18年9月30日までの1年間」(b)指定商品「キャンディ」(c)地域「日本全国」(d)対価「1年に付き金20万円(消費税別)」という条件で通常使用権を許諾している。
また、乙第1号証の2で示す平成18年9月1日付契約書の第1条では、被請求人がカンロ(株)に対し(a)期間「平成18年10月1日から平成19年9月30日までの1年間(b)指定商品「キャンディ」(c)地域「日本全国」(d)対価「1年に付き金30万円(消費税別)」という条件で通常使用権を許諾している。
カンロ(株)は上記契約に基づき本件商標を商品「キャンディ」について使用している。
(イ)乙第2号証の1で示す商品パッケージ(写し)の表面には、商品名として、縦書きで3段に分けて記載された「さくらさく!」「コーラ縁起が」「いいよかん」の表示がある。そして、裏面の左上部には横書きで5段に分けて「カンロ」「さくらさく!」「コーラ縁起が」「いいよかん」「CANDY」の記載がある。
また、乙第2号証の2で示す商品パッケージ写しの表面には、商品名として、縦書きで3段に分けて記載された「さくらさく!」「いいあん梅だよ」「あんずるなかれ」の表示がある。
(ウ)乙第2号証の1に係るパッケージの商品は、少なくとも2006年1月から同年9月まで小売店にて一般消費者向けに販売された。
すなわち、乙第2号証の1に係る商品は、裏面に商品コード(JANコード)として「4901351017821」が記載されている。
(エ)ニフティ株式会社が提供する会員向けホームページ(http://www.nifty.com/pos/)「POS売れ筋 商品コード検索」によれば、上記商品コードの商品は、乙第3号証の1の上段に記載されているように、2006年1月にPOS情報として出現している。
上記商品コード「4901351017821」については、「週次出現日2006年1月8日」、「月次出現日2006年1月」の記載があり、2006年1月8日に始めてPOS情報として出現していることが分かる。
そして、「POS売れ筋 単品売上トレンド 月次」(乙第3号証の2)によれば、商品コード「4901351017821」は、2006年6月から2007年6月までの13ヶ月のうち、2006年6月から同年9月までの販売が記録されている。
例えば、期間2006/6について「販売金額1,208」「販売数量7」「対象店数367」「取扱店数3」の記載があり、POS売上情報のデータ対象店数367件のうち3件で取り扱いがあり、販売数量は7個、販売金額は1,208円であることが分かる。
(オ)また、乙第2号証の2に係るパッケージの商品は、少なくとも2007年1月から小売店にて一般消費者向けに販売されている。
乙第2号証の1に係る商品は、裏面に商品コード(JANコード)として「4901351017913」が記載されているが、前記「POS売れ筋商品コード検索」によれば、上記商品コードの商品は2007年1月にPOS情報として出現している。
上記商品コード「4901351017913」については、乙第3号証の1の下段に「週次出現日 2007年1月10日」「月次出現日2007年1月」の記載があり、2007年1月10日に始めてPOS情報として出現していることが分かる。
そして、「POS売れ筋 単品売上トレンド 月次」(乙第3号証の3)によれば、上記商品コード「4901351017913」は、2006年6月から2007年6月までの13ヶ月のうち、2007年1月から同年6月まで販売が記録されている。
例えば、期間2007/1について「販売金額34,996」「販売数量234」「対象店数363」「取扱店数24」の記載、期間2007/2について「販売金額57,833」「販売数量371」「対象店数361」「取扱店数33」の記載等がある。
これによって、乙第2号証の1及び2の商品が販売された事実が分かる。
(3)商標の同一性について
(ア)本件商標はゴシック体の横書きで「サクラサク」の文字を記載してなり、指定商品は「菓子,パン」である。
一方、乙第2号証の1で使用されている商標は、表面に縦書きで3段に分けて記載された「さくらさく!」「コーラ縁起が」「いいよかん」の表示、及び裏面の左上部に横書きで3段に分けて「さくらさく!」「コーラ縁起が」「いいよかん」の表示の2箇所となる。なお、後者には最上段に「カンロ」の語が付加され、最下段には「CANDY」の語が付加されている。
(イ)上記パッケージの表示は、縦書き又は横書きの3行からなっているが「さくらさく!」の部分は、「さくらさく」と感嘆符「!」とが組み合わされて1行で表示されている。
この感嘆符「!」は、「!」の前に配された語の終わりを示し、前に配された語を強調するために用いられる符号である。
したがって、「さくらさく!」は観念上も外観上も称呼上も1行で完結しており、需要者は他の2行とは独立して観察するのが自然といえる。
(ウ)次に、「サクラサク」と「さくらさく!」の同一性について検討すると、本件商標「サクラサク」がカタカナで記載されているのに対し使用商標「さくらさく!」はひらがなで記載されている点、及び「さくらさく!」は語尾に感嘆符「!」を有するが「サクラサク」は感嘆符がないことの2点の差異がある。
このうち、カタカナとひらがなの差異は社会通念上同一として扱われており、両者間に実質的な差異はない。
そして、感嘆符の有無については、「!」は感嘆や強調を表す符号として通常用いられているが、称呼上は特に発声しないため、両者から生じる称呼に差異はない。また、両者の観念も同一である。
外観上では上記符号の有無に差異があるが、商標である「さくらさく」部分を強調するために付記した符号であって、商標上ことさら区別しなければならない理由はない。
よって、「サクラサク」と「さくらさく!」は社会通念上同一の商標といわなければならない。
(エ)本件商標と乙第2号証の2での使用商標の比較についても同様である。
すなわち、乙第2号証の2の商品パッケージ写しの表面には、縦書きで3段に分けて「さくらさく!」「いいあん梅だよ」「あんずるなかれ」と記載されている。
そして、この場合も、乙第2号証の1について詳述したように、「さくらさく!」部分が他の2行とは分離独立して認識され、かつ、「さくらさく!」と「サクラサク」は社会通念上同一の商標ということができる。
(オ)よって、乙第2号証の1及び2に示したように、本願商標と社会通念上同一の商標が使用されており、本件商標が継続して3年以上日本国内で使用した事実が存しないとの審判請求人の主張には理由がない。
(4)本件商標の使用例2に関する説明
(ア)被請求人は、本件商標について株式会社いちもんめ(以下「(株)いちもんめ」という。)に対して、その子会社である有限会社菓の子や(以下「(有)菓の子や」という。)による本件商標の使用を含めて通常使用権許諾契約を締結している。
(株)いちもんめ及び(有)菓の子やは、被請求人から許諾を受けた商標「サクラサク」を商品「ラスク(焼菓子)」について使用している。
(イ)乙第4号証で示す商品写真では、さくら風味ラスクの10枚入りの包装袋の表面中央に、薄いピンク色の楕円形内にほぼ丸ゴシックの斜体で緑色のカタカナ文字により横一連に「サクラサク」と表示されており、「サクラサク」が商標として使用されている。
同様に、ラスクを2枚単位で個包装した袋には、表面中央に、包装袋と同じく、薄いピンク色の楕円形内にほぼ丸ゴシックの斜体で緑色のカタカナ文字で横一連に「サクラサク」と表示されている。また、個包装の袋の裏面には「品名 サクラサク」の表示があり、ここでも「サクラサク」が商標として使用されている。
(ウ)乙第4号証に係るパッケージの商品は、少なくとも2007年3月14日に株式会社イトーヨーカ堂若葉台店(以下「イトーヨーカ堂」という。)に販売された。
すなわち、乙第4号証に係る商品は、裏面に商品コード(JANコード)として「4970385812283」が記載されているが、乙第5号証に示す2007年3月14日付け物品受領書では、イトーヨーカ堂が(株)いちもんめから「サクラサク」(商品コード4970385812283)を72個受領した旨が記載されている。
この商品は、乙第6号証の「菓の子や桜商品スポット案内」に記載されているように、イトーヨーカ堂にスポット商品として2007年3月に販売されたものである。
(エ)(株)いちもんめ、(有)菓の子や及びイトーヨーカ堂との関係は以下のとおりである。
「サクラサク」商品は、(株)いちもんめの子会社である(有)菓の子やが販売者となっている。
しかし、イトーヨーカ堂との取引口座は(株)いちもんめが持っているので、「サクラサク」商品は、(有)菓の子やから(株)いちもんめを経由してイトーヨーカ堂に販売する経路をとっている。
したがって、「サクラサク」商品の対価は、イトーヨーカ堂から直接に(株)いちもんめに支払われている。支払われた対価については、(株)いちもんめと(有)菓の子やとの間で処理される。
(オ)商標の同一性について
乙第4号証で示す使用商標は、ほぼ丸ゴシック体で斜体のカタカナ文字で横一連に表記した「サクラサク」からなっており、商品「ラスク(焼菓子)」に使用されており、本件商標とは社会通念上同一であり、また商品も同一である。
同様に乙第5号証で示す使用商標は、品名欄に明朝体のカタカナ文字で横一連に表記した「サクラサク」であり、前述のとおり商品コードから前述の「ラスク(焼菓子)」であることがわかる。したがって、この場合も本件商標とは社会通念上同一であり、商品も同一である。
(5)むすび
以上述べたように、本件商標については、通常使用権者であるカンロ(株)により、「さくらさく」商標が、少なくとも2006年9月から商品「キャンディ」について使用されている。
また、通常使用権者である(株)いちもんめ(及び使用許諾を受けた(有)菓の子や)により「サクラサク」商標が2007年3月14日にイトーヨーカ堂に販売された商品「ラスク」について使用されている。
本件商標は、通常使用権者により使用されており、商標法第50条第1項の規定に該当しないことが明らかであるので、本件審判の請求は成り立たない。
(1)被請求人の提出に係る証拠によれば、被請求人のいう使用例1及び2に関して以下の事実が認められる。
ア 本件商標権者たる被請求人は、指定商品中の「キャンディ」(使用例1)につきカンロ(株)に対し、指定商品中の「焼菓子(ラスク)」(使用例2)につき(株)いちもんめ及び(有)菓の子やに対し、それぞれ本件商標に係る通常使用権を許諾している(乙第1号証の1及び2並びに同第7号証)。
イ 使用例1について
(ア)乙第2号証の1及び2は、それらの形状及び表裏の記載内容(販売者名・品名等表示欄、「KANRO」及び「CANDY」の文字等)からして、「カンロ(株)が販売する2種類のキャンディの包装袋を撮影した写真と認められる。
乙第2号証の1の包装袋は、その表面に「さくらさく!」、「コ〜ラ縁起が」及び「いいよかん」の文字が3列で大きく縦書きされ、裏面左上に「カンロ」、「さくらさく!」、「コ〜ラ縁起が」、「いいよかん」及び「CANDY」の文字が5段に横書きされている。
また、裏面には「販売者:カンロ株式会社」、「品名:キャンディ」等を表示した欄があり、その下にバーコード(商品コード)が「4901351017821」の数字と共に付され、賞味期限として「2006.11」の数字が刻印されている。
乙第2号証の2の包装袋は、上記乙第2号証の1と同様の形態からなり、その表面に「さくらさく!」、「いいあん梅だよ」及び「あんずるなかれ」の文字が3列で大きく縦書きされ、裏面左上に「カンロ」、「さくらさく!」、「いいあん梅だよ」、「あんずるなかれ」及び「CANDY」の文字が5段に横書きされている。
また、裏面には「販売者:カンロ株式会社」、「品名:キャンディ」等を表示した欄があり、その下にバーコード(商品コード)が「4901351017913」の数字と共に付され、賞味期限として「2007.11」の数字が刻印されている。
(イ)乙第3号証の1は、ニフティ株式会社が提供する会員向けの「POS売れ筋情報サービス」に係るホームページ「POS売れ筋商品コード検索」のプリントアウト写しと認められるところ、1段目の表示欄には、品名コード「4901351017821」、メーカ名「(4901351)カンロ」、品目「(130121)キャンディ・キャラメル」、名称(漢字)「カンロさくらさくコ〜ラ縁起がいいよかん85g」、週次出現日「2006年1月8日」等の記載がされている。
また、2段目の表示欄には、品名コード「4901351017913」、メーカ名「(4901351)カンロ」、品目「(130121)キャンディ・キャラメル」、名称(漢字)「さくらさくいいあん梅だよあんずるなかれ85g」、週次出現日「2007年1月10日」等の記載がされている。
上記各品名コード欄に示された数字は、乙第2号証の1又は2の包装袋に付されたバーコードの数字と一致する。
乙第3号証の2及び3は、上記「POS売れ筋情報サービス」に係るホームページ「POS売れ筋単品トレンド月次」のプリントアウト写しと認められるところ、各表示欄には、「期間2006年6月−2007年6月」、「品目(130121)キャンディ・キャラメル」、「メーカ名(4911351)カンロ」、「アイテム(4901351017821)カンロさくらさくコ〜ラ縁起がいいよかん85g」(乙第3号証の2)、「アイテム(4901351017913)さくらさくいいあん梅だよあんずるなかれ85g」(乙第3号証の3)等が記載されているほか、販売金額、販売数量、取扱店数等が数字により示されている。
上記各アイテム欄に示された数字も、乙第2号証の1又は2の包装袋に付されたバーコードの数字と一致する。
(ウ)上記乙第3号証の1ないし3の「POS売れ筋商品コード検索」及び「POS売れ筋単品トレンド月次」は、2006年1月から2007年6月までの間に商品が市場において実際に取引されたことを示すものといえる。 そして、それらに掲載された商品は、その掲載内容からして、乙第2号証の1及び2に係る商品を指すものとみて差し支えない。
ウ 使用例2について
(ア)乙第4号証は、商品「ラスク」を包装した状態を撮影した写真と認められるところ、その包装袋の表面には、中央に「サクラサク」の文字が大きく横書きされ、その上段に「SAKURASAKU」の文字、下段に「RUSK」の文字がそれぞれ小さく横書きされている(同様の文字は、商品「ラスク」を個別包装した小袋にも記載されている。)。その裏面には、名称「焼菓子」、販売者「有限会社菓の子や」等の表示欄があり、さらにその右側にバーコード(商品コード)が「4970385812283」の数字と共に付されている。
(イ)乙第5号証は、物品受領書の写しと認められるところ、社名・店名欄に「イトーヨーカ堂若葉台店」、取引先名欄に「(株)いちもんめ」、年月日欄に「070314」、品名規格欄に「サクラサク」、品名コード欄に「4970385812283」の表示があるほか、数量、原価金額等が記載され、「07.3.14」の受領印が押捺されている。上記品名コード欄に示された数字は乙第4号証の商品包装袋に付されたバーコードの数字と一致する。
(ウ)乙第6号証は、「菓の子や桜商品スポット案内」と題するパンフレットの写しと認められるところ、各種商品の写真と共に乙第4号証の商品の写真も掲載され、品名欄に「サクラサク」の文字、JAN欄に「4970385812283」の数字が原価、売価等と共に表示されている。
(エ)乙第7号証は、イトーヨーカ堂加工食品部加工食品担当バイヤーによる証明書と認められるところ、その内容は、乙第4号証の商品をイトーヨーカ堂若葉台店で販売するために(株)いちもんめから72個を18,396円で購入し、2007年3月14日付けで受領した旨を証明するものである。この日付、数量、代金は、乙第5号証の物品受領書の記載と一致する。
(オ)乙第5号証の物品受領書に記載された商品は、その記載内容及び乙第7号証から、乙第4号証に係る商品「ラスク」を指すものとみて差し支えなく、2007年3月14日に(株)いちもんめからイトーヨーカ堂に販売されたものといえる。
(2)以上の認定事実によれば、通常使用権者たるカンロ(株)は、本件審判請求の登録(平成19年4月25日)前3年以内の期間である2006年1月及び2007年1月に、乙第2号証の1及び2に係る商品「キャンディ」を販売していたものと認められる。
また、通常使用権者たる(株)いちもんめ及び(有)菓の子やは、本件審判請求の登録前3年以内の期間である2007年3月に、乙第4号証に係る商品「焼菓子(ラスク)」を販売していたものと認められる。
(3)商標の同一性について
(ア)使用例1に関し、乙第2号証の1及び2の商品の包装袋の表面及び裏面に表示された「さくらさく!」の文字部分は、他の文字と行違いに並べて表示されているものの、他の文字と常に不可分一体にのみ認識し把握されるべき格別の理由は見出し難く、それ自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきである。
そして、「さくらさく!」の文字部分については、その中の「!」は、感嘆や強調を示す感嘆符であって、それ自体は称呼を生ずることなく、前におかれた「さくらさく」を強調するにすぎないから、「さくらさく」が要部として看取されるというべきである。
さらに、「さくらさく」は、本件商標「サクラサク」を平仮名で表記したものであり、本件商標以外の別異の称呼及び観念を生ずるものではないから、本件商標とは社会通念上同一といえるものである。
(イ)使用例2に関し、乙第4号証の包装袋の表面中央に大きく顕著に書された「サクラサク」の文字部分は、それ自体が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、本件商標と社会通念上同一といえるものである。
(4)請求人の主張について
(ア)請求人は、使用例1の「さくらさく!」の文字部分は、「さくら」と「さく!」の部位が異なる色調であり、「さく」を強調する「!」があることから、商標法第50条第1項にいう平仮名と片仮名の相互変更には該当しない旨、及び本件商標は片仮名書きの合格電報を想起させるのに対し、使用例1の「さくらさく!」は何ら合格電報を想起させるものでないから、両者は観念を異にする旨主張する。
しかしながら、上記「さくら」と「さく!」との色調はそれ程大きく異なるものではないし、一連に認識し把握することが困難というものでもなく、むしろ一連一体のものとして認識されるとみるのが自然である。
また、上記(3)(ア)で述べたとおり、「!」は単なる感嘆符であって、「さくらさく」が要部として認識し把握されるものであり、本件商標の「サクラサク」とは、平仮名と片仮名の相互変更に該当するものである。
さらに、本件商標のみが常に合格電報を想起させるものとまではいえないから、本件商標と上記「さくらさく」とが観念を異にするものともいえない。
よって、請求人の上記主張は採用することができない。
(イ)請求人は、使用例1の「さくらさく!」の使用は、請求人に係る登録商標と業務上の混同を生ずるものであるから、商標法第53条第1項の規定に該当するものである旨主張する。
しかしながら、本件は商標法第50条第1項に基づく商標登録の取消審判であり、同法第53条第1項に規定する商標登録の取消審判とは明らかに請求の趣旨が異なるものであるから、請求人の上記主張は、本件とは埒外の全く別異の主張を新たに行うものであり、請求の趣旨を変更するものであって、到底認められるものではない。
(ウ)請求人は、使用例2は本件審判の請求前3月以内の使用であり、商標法第50条第3項の規定により、本件商標の使用に該当しない旨主張する。
しかしながら、使用例2が本件審判の請求前3月からその審判請求の登録の日までの間に使用されたものであるとしても、その使用が本件審判の請求がされることを知った後であることを請求人は何ら証明していないから、使用例2の使用が上記規定に該当するものとはいえないことは明らかである。
よって、請求人の上記主張は採用することができない。
(5)以上を総合すると、本件商標は、その指定商品に属する商品「キャンディ」及び「焼菓子(ラスク)」について、本件審判請求の登録前3年以内の期間に日本国内において、通常使用権者により使用されていたものというべきであるから、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。