Trademark Appeal Case
外国語商標の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900352(T2007−900352/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5040641号商標(以下「本件商標」という。)は、「ペンギン」及び「PENGUIN」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成17年9月7日に登録出願、第3類、第5類、第9類ないし第11類及び第21類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同19年4月13日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第3330382号商標(以下「引用商標」という。)は、「PINGUINO」の文字を書してなり、平成6年5月11日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同9年7月11日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(2)理由の要点
本件商標は、以下のアあるいはイによって、その登録を取り消されるべきものである。
ア 第4条第1項第11号該当
本件商標は「ペンギン」の下に「PENGUIN」と記載してなるものであるから、「ペンギン」の称呼を生じ、ペンギンの観念を生じる。これに対し、引用商標は欧文字で「PINGUINO」と記載してなるものであるから、「ピンギノ」、「ピンギーノ」の称呼を生ずる。したがって、本件商標と引用商標とは全体の語感語調が近似し、彼此聞き誤るほどに相紛らわしい類似の称呼を有するものである。その外観も欧文字表記では6文字を共通しており、強い類似性がある。また、「PINGUINO」は、イタリア語でペンギンのことであり、ペンギンの観念を共通にする類似の商標である。
イ 第4条第1項第10号及び同第15号該当
「PINGUINO」の商標を付した申立人の製造・販売にかかる「エアコンディショナー」は、周知著名である。これに類似する本件商標をその指定商品である「暖冷房装置」に使用した場合には、他人の周知著名な商標に類似する商標をその商品に使用するものであり、その出所について誤認混同を生じるおそれがある。さらに、申立人の製造・販売にかかる商品と引用商標が周知著名であるので、本件商標を類似しない指定商品に使用した場合にもその出所について誤認混同を生じるおそれがある。
ウ 第4条第1項第7号該当
申立人は、本件商標が単に商標法第4条第1項第7号に該当するとのみ主張している。
3 当審の判断
(1)本件商標は、「ペンギン」及び「PENGUIN」の文字からなるものであるところ、当該両文字は、我が国において「ペンギン」を意味する語として広く親しまれたものであるから、これより、「ペンギン」の称呼及び「ペンギン」の観念を生ずること明らかである。
一方、引用商標は「PINGUINO」の文字からなるものであり、証拠(甲第3号証)によれば、当該文字は、「ペンギン」の意を表すイタリア語であることが認められるけれども、我が国のイタリア語の普及程度を勘案してみれば、前記の意をもって知られたものとはいえないから、これに接する需要者はこれより特定の観念を想起しないというのが相当である。
してみれば、引用商標は、その構成文字に相応して「ピンギノ」あるいは「ピンギーノ」の称呼を生じるものであり、また、特定の観念は生じないというべきものである。
しかして、「ペンギン」と「ピンギノ」あるいは「ピンギーノ」の称呼をそれぞれ対比しても、相違する音の音質の差異によって、判然と区別し得るものである。
また、両商標はその外観構成において明らかな相違があるから、外観上相紛れることはなく、さらに、観念において相紛れるものとは言い難い。
してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえない。
また、本件商標の指定商品中に「暖冷房装置」を含むけれども、申立人が「エアコンディショナー」に使用するとして引用する商標「PINGUINO」と本件商標とは類似するものとは認められないから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものとはいえない。
(2)本件商標と引用商標とは、別異の商標と認められ、他に両者を更に関連づけて見なければならない理由もみいだせない。そして、申立人提出の全証拠をもってしても、引用商標が、本件商標の出願時に「エアコンディショナー」の需要者間に広く認識されるに至っていたと認めるのに充分なものとはいえない。
以上からすれば、本件商標の出願時において、本件商標を指定商品に使用したとしても、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くに誤認するとは言い難く、商品の出所について混同するおそれがあったとは認められないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。
(3)さらに、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字からなるものではなく、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するものでもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものとはいえない。
(4)以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号、同第10号、同第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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