Trademark Appeal Case
称呼の音感類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900353(T2007−900353/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5041649号商標(以下「本件商標」という。)は、「Monchel モンケル」の文字を標準文字としてなり、平成18年10月11日に登録出願、第14類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成19年4月20日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する商標は、以下の3件である。
ア 登録第791558号商標(以下「引用商標1」という。)
「MONCLER」の文字を書してなり、昭和39年10月28日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和43年8月23日に設定登録されたものである。
イ 登録第996136号商標(以下「引用商標2」という。)
「MONCLER」及び「モンクレー」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和45年4月24日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和48年1月24日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年12月22日、第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載の商品に書換登録がなされたものである。
ウ 登録第4142378号商標(以下「引用商標3」という。)
「MONCLER」の文字を書してなり、平成7年12月11日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、平成10年5月1日に設定登録されたものである
(2)理由の要点
本件商標は、指定商品中第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服、運動用特殊靴」について、下記アおよびイによって、その登録を取り消されるべきものである。
ア 第4条第1項第11号について
本件商標は「モンケル」の称呼が生じる。これに対し、引用商標1は「モンクレー」又は「モンクレール」の称呼、引用商標2は「モンクレー」の称呼、引用商標3は「モンクレー」又は「モンクレール」の称呼を生ずるものであるから、本件商標と引用商標は全体的称呼において相紛らわしく、互いに類似のものである。
また、本件商標の指定商品中「運動用特殊衣服、運動用特殊靴」は引用商標1及び3の指定商品と同一又は類似のものであり、本件商標の指定商品中「被服」は引用商標2の指定商品と同一又は類似のものである。
イ 第4条第1項第15号について
引用商標1は申立人の商標として広く知られており、また、引用商標2は申立人の商標として、広く知られているから、これと類似する本件商標がその指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服、運動用特殊靴」に使用された場合、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
3 当審の判断
(1)第4条第1項第11号該当について
本件商標は、その構成文字に相応して「モンケル」の称呼を生じるものであり、特定の観念を生じさせることのない造語からなるものと認められる。
一方、引用商標は、いずれも、その構成文字に相応して「モンクレー」あるいは「モンクレール」の称呼を生じるものというべきであり、また、いずれも、特定の観念を生じさせることのない造語からなるものと認められる。
しかして、本件商標の称呼「モンケル」と引用商標から生ずる「モンクレー」あるいは「モンクレール」の称呼を対比してみると、前半で「モン」の音を共通にするが、後半で「ケル」と「クレー」、あるいは「ケル」と「クレール」の差異を有するものである。そして、当該差異は、4音あるいは5音から構成される比較的簡素な称呼にあって、称呼の全体の音感に与える影響は決して小さいものとは言い難く、本件商標及び各引用商標を、それぞれ一連に称呼するときには、全体としての音感が相違し、相紛れることなく区別し得るものである。
また、本件商標と各引用商標との外観構成は明らかに相違するものがあり、両者が外観において相紛れるおそれはないというべきであり、さらに、観念においては、比較することができないものである。
してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標1ないし3に類似する商標であると判断することはできないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)第4条第1項第15号該当について
申立人提出の証拠によれば、申立人に係る商品について引用商標が使用されていることを窺い知ることはできるけれども、全証拠をもってしても、本件商標の出願時において、引用商標が需要者間に広く認識されるに至っていたとまで認めるには充分なものとはいえない。そして、本件商標が引用商標に類似するものでないことは前記(1)のとおりであり、他に本件商標と引用商標とを更に関連づけて見なければならない理由もみいだせない。
してみれば、本件商標を指定商品に使用したとしても、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る用品であるかの如く誤認するとは言い難いから、商品の出所について混同するおそれはないと判断すべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する
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