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Trademark Appeal Case

使用方法・効能の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−17418(T2003−17418/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「座るときガ−ド」の文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年12月4日に登録出願されたものであるが、その指定商品については、平成15年1月7日付けの手続補正書により、第5類「生理用ナプキン」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由

原査定は、「本願商標は、指定商品との関係においては『座ったときであっても、しっかりガードすることのできる商品』程の意味合いを看取させるに過ぎない『座るときガード』の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、本願の指定商品は、たとえば、『寝るときに使用する夜用の商品』『普通の時に使用するレギュラータイプの商品』等のように商品が使用目的によって開発され販売されていることから、これを本願の指定商品『(長期間等)座る時に使用することを目的の一つとした商品』に使用するときは、単にその商品の品質を表すにすぎないものと認める。したがって、この本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に照応する商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。なお、意見書において、商標法第3条第2項の主張をしているが、提出に係る具体的な使用に関する証拠を総合勘案してみると、出願人が出願時において、商標『座るときガード』の文字を単独で使用し、かつ、指定商品『生理用ナプキン』に使用していたとものとは認められないものであり、その他に使用の事実を証明するものはないから、上記証拠によっては、商標法第3条第2項の適用を受けるための、登録要件を具備していない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

1.商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号について

(1)本願商標は、前記のとおり、「座るときガード」の文字よりなるところ、その構成中の「座る」、「とき」及び「ガード」の各文字が、それぞれ「膝を折り曲げて席につく。また、腰かける」、「ころ。時期。その場合。そのおり。」及び「警戒。監視。見張り」の意味を有する語(いずれも株式会社岩波書店発行 広辞苑第五版)であって、全体として「座るときにガード(警戒、監視)する」程の意味合いを認識させるものである。

ところで、いわゆる生理用品や失禁用品を取り扱う業界においては、経血漏れや尿漏れを防止するために、お尻に当たる部分を幅広に設計・加工したもの、夜用のもの、ヨレ・ズレの原因となる動きを吸収するもの等生理用ナプキンや失禁用パッド等の商品が製造、販売されていること、また、それら商品の特徴を説明する際には、例えば、「朝までガ−ド」、「モレを徹底(的に)ガード」、「徹底ガ−ド設計」、「ヒップを包み込むバックガード」及び「(後ろモレ・背モレ等の)モレをガード」等の如く、「○○」の語と「ガード」の語を結合してその商品の機能、用途を表して普通に使用されているのが実状である。

(2)生理用ナプキンに関しては、記事又はインターネットの情報においても、請求人の取扱に係るものも含め、例えば次のような記事又は掲載情報を見出すことができる。

(ア)女性セブン(2002.4.25号)の「ガードがかたい あの日 グッズ」において、請求人も含めた各社の生理用ナプキンが紹介され、経血漏れ、尿漏れをガードする意味合いで、例えば「ソフィボディフィット ドキッとした時瞬間ガード」「ソフィしっかり吸収ガード」「エリス さらさらシルク 昼用ウルトラガード」「ソフィボディフィット 朝まで超・熟睡ガード」「ウイスパーネオ 朝までガード」「ロリエ スーパーガード エクストラロング」等。

(イ)「ケンコーコム」のウェブページ(http://www.kenko.com/product/item/ite_6541911072.html)によれば、「エリスウルトラガード(特に多い夜用羽なし)18枚」の見出しのもと、「エリスウルトラガード(特に多い夜用 羽なし)18枚は、特に多い日の夜用羽なしタイプの生理用ナプキンです。幅広ヒップホールドでしっかりガード。」の掲載情報。

(ウ)「ケンコーコム」のウェブページ(http://www.kenko.com/product/seibun/sei_834060.html)によれば、「ロリエスーパーガードEX340 18個入」の見出しのもと、「ロリエスーパーガードEX340 18個入は、後ろモレを徹底的にガードする、特に多い夜も安心の34cm夜用。」の掲載情報。

(エ)「ケンコーコム」のウェブページ(http://www.kenko.com/product/seibun/sei_834060.html)によれば、「ロリエスーパーガードMAX400 14個入」の見出しのもと、「ロリエスーパーガードMAX400 14個入は、全方位からモレを徹底的にガードする、特に多い夜も安心の40cm夜用。ウイング付です。ヒップを包み込むバックガードで、特に量が多くて後ろが不安定な日でも安心。」の掲載情報。

してみると、これらの新聞記事又はインターネットの情報によっても、上記(1)の認定の妥当性を裏付けることができる。

(3)そうすると、上記実情よりして、本願商標をその指定商品「生理用ナプキン」に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、本願商標を構成する「座るとき」及び「ガード」の各文字をそれぞれ上記(1)の意味合いで把握、理解し、構成文字全体として、当該商品が「座ったときに(お尻からのモレを)ガードする商品」であること、すなわち、「経血漏れや尿漏れを防止するための商品」であることを表示する語として理解するに止まり、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというのが相当であるから、本願商標は、単に商品の品質、効能、用途を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものといわざるを得ない。

また、本願商標を上記「経血漏れや尿漏れを防止するための商品」以外の生理用ナプキンに使用するときには、これに接する取引者、需要者において、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。

2.商標法第3条第2項について

請求人は、当該業界において、その商品に関し、請求人の業務に係る商品であることを認識させるに至っているから、使用による自他商品識別力を獲得している旨主張し、証拠方法として甲第1号証ないし同第13号証(枝番号を含む)を提出しているが、提出された資料のみでは、請求人が生理用ナプキンを販売している事実を窺うことはできるが、その記事内容はその商品が従来の同種商品より幅広で吸収性が高いことの効能、効果等についてのもの、睡眠、ドライブ、運動、椅子に座る時等の使用例であり、商標としての使用はテレビタイムの広告からしても「ウィスパ」「ウィスパーネオ」「whisper」であることを窺うことができ、「座るときガード」の文字が請求人の事業に係る商品を表す商標として認識されているものと認めることはできない。

そうとすれば、前記の証拠のみをもってしては、本願商標が永年にわたり使用された結果、商標法第3条第2項の要件を満たすに至ったものと認定するには十分なものとはいい難く、その主張は採用することができない。

3.請求人の主張

請求人(出願人)は、本願商標は登録すべきものであるとして、以下の如く主張している。

(1)本願商標「座るときガード」の語は、辞典には見あたらず、また一般的な語や専門用語が存在するわけではなく、本願指定商品を取り扱う業界において、不特定多数の者によって、商品の品質表示として使用されている事実は全く存在しない。さらに、生理用ナプキンについて用途を「座る」ことに結びつけた製品は、請求人以外存在しない。

(2)甲各号証は、「本願商標の使用時期、それ自体に識別力があること、使用による識別力の獲得と『ウィスパー』が特に生理用ナプキンの著名商標であること、実際に業務を行っている子会社の証明、本願商標の使用態様は著名商標『ウィスパー』と別個・独立して使用されていること。」が証明されている。

(3)本願商標中の「座る」と「ガード」の関係が指定商品の品質を具体的・明確に表示するものとは言えない。また、同種の商品について競業者に「超睡眠ガード」「瞬間ガード」等の既登録例がある。

(4)本願商標は、商品の品質を暗示するかもしれないが、これは、その品質を直接的に表示したものとはいえないから、商標法第3条第1項第3号には該当しない。旨主張している。

(5)しかしながら、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである(平成12年(行ケ)第76号 東京高裁平成12年9月4日判決言渡参照)。

そして、上記1.(2)のとおり、生理用品や失禁用品を取り扱う業界における取引の実状からすれば、本願商標は、全体として「幅広く、お尻(からのモレ)をガードする商品」であること、すなわち、「経血漏れや尿漏れを防止するための商品」であることを表示する語として容易に理解されるものといわなければならない。

また、本願商標が如何なる意味合いで理解されるものであるかは、その指定商品に関する取引の実状に基づいて、その取引者・需要者の認識を基準として判断すべきものであるところ、上記(2)のとおり、生理用品や失禁用品を取り扱う業界における取引の実状からすれば、その取引者、需要者は、本願商標を構成する上記各文字をそれぞれ上記(1)の意味合いで理解するものというのが相当であり、また、構成文字全体としては、当該商品が「座ったときに(お尻からのモレを)ガードする商品」であること、すなわち、「経血漏れや尿漏れを防止するために、お尻に当たる部分が幅広になっている商品」であることを表示する語として理解するものというべきである。

このことは、甲第13号証のアンケート調査からも、「座るときガード」から連想するのは「生理用ナプキン」であると解答している。(請求人の商品であることを伺わせるものとは認められない。)

更に、請求人は、既登録例を挙示して、本願商標もこれらと同様に登録されて然るべきものである旨主張するが、それらの登録例は商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品とに基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に拘束されるべき理由はない。

したがって、この点に関する請求人(出願人)の主張は何れも採用することができない。

4.以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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