結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300348(T2007−300348/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4142435号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ソフィット」及び「SOFIT」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成8年8月21日に登録出願、第25類「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」を指定商品として、同10年5月1日に設定登録されたものである。そして、本件審判の請求の登録は、同19年4月10日にされたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)被請求人は、本件商標をその指定商品中の「インソール(靴の中底)」(以下「使用商品」という。)について使用しているとし、答弁書(第1回)において本件商標の使用の事実を証明するものとして乙第1号証ないし同第7号証を提出した。
(2)しかし、上記の乙各号証には「ソフィット」、「SOFIT」等の文字が表示されているものの、それらは完成品である「靴」についての材料表示として使用されているものであり、使用商品についてその出所を表示し、自他商品の識別機能を果たす態様では使用されていない。
すなわち、被請求人が本件商標を使用していると主張する使用商品であるが、これに関して、被請求人は、同社の「Shoesfit.com」のサイトにおいて、「インソールとは、靴の中に敷く足裏に接する部分の敷物のことです(インナーソール、または中敷きとも呼ばれています)。一般的に取り外しできる後入れタイプのものを指すことが多いのですが、この他に、製造工程で靴の中に組み込まれる『中底』と呼ばれる部品があり、こちらもまた英語読みではインソールと呼ばれています。どちらも広く使われている名称であることから、シューズフィット・ドットコムでは後入れタイプのものを『インソール』と呼び、靴部品のインソールを『インソール(中底)』とそれぞれ表記します。」と説明している(甲第1号証)。
したがって、使用商品は上記説明における「製造工程で靴の中に組み込まれる『中底』と呼ばれる部品」を指しているものである。
ところで、法上の商品は独立して取引対象となるものであることが必要であるところ、後入れタイプの「靴中敷き」は「靴」の付属品として独立して取引対象となるものであるのに対し、使用商品は「靴」の中に組み込まれることにより「靴」と一体化してしまい、もはや独立して取引対象とはならないものである。
これを商標の機能の観点からみると、使用商品に付される商標は、「インソール(靴の中底)」のメーカーと「靴」のメーカーとの間における流通過程においては自他商品の識別機能を発揮するものであるが、使用商品がいったん「靴」の中に組み込まれた後は「靴」についての材料表示として使用されるにすぎないものとなる。
そこで、本件についてみると、乙第2号証ないし同第5号証の写真に写っているのはいずれも完成品としての「靴」(品番:K 3280 23 1/2 等)であって、使用商品は「靴」の中に組み込まれることにより「靴」と一体化しており、もはや独立して取引対象とはならないものである。
そして、乙第1号証は、商品添付用のタグには、「ソフィット/SOFIT」の文字、「足にやさしい快適歩行インソール」の文字等が表示され、また、乙第2号証及び同第4号証の表示物には、「ソフィット/SOFIT」の文字等、「『SOFITソフィット』は足の健康・履き心地の良さを追求し、開発された高機能シューパーツです。」の説明文、「【特徴】☆高い衝撃吸収性と、歩行に最適な反発弾性をあわせ持っています。☆優れた透湿性を持ち、汗や湿気の通りをスムーズにして快適な履き心地を持続させます。」の説明文が表示されているが、上述のように、使用商品は「靴」の中に組み込まれていることから、タグや表示物の全体としては、単に被請求人に係る「インソール(靴の中底)」を材料として組み込んだ「靴」であることを表示するにすぎないものである。
また、取引書類として提出されたのは、わずかに2007年3月1日付け納品書と2007年1月9日付け納品書のみである(乙第6号証及び同第7号証)が、この販売に係る商品は「タグ」であり、被請求人が本件商標を使用していると主張する使用商品とは商品が異なっている。
その他、使用商品自体の販売価格、販売数量、販売時期等を明らかにする取引書類等の証拠はなんら提出されていない。
(3)このように、被請求人が提出した上記の乙各号証によっては、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者が「インソール(靴の中底)」を含む指定商品「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」についての本件商標を使用していることは証明されていないので、本件商標の指定商品「靴類(「靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具」を除く。)」についての登録は、取消しを免れない。
(1)被請求人は、答弁書(第2回)において、本件商標「ソフィット/SOFIT」を付した「インソール」(靴の中底)を靴製造メーカーに販売していると答弁し、乙第8号証ないし同第15号証を追加提出した。
(2)乙第8号証及び同第9号証の専門誌は、それぞれ平成10年1月1日と平成9年1月1日に発行されたものであり、これらをもって審判の請求の登録前3年以内における登録商標の使用事実を立証したことにはならない。
また、被請求人は、乙第10号証及び同第11号証の商品パンフレットは現在でも継続して使用中であり、展示会等においても配布されていると主張しているが、印刷部数、印刷会社、展示会の開催の事実等、継続して使用していることを明らかにする証拠はなんら提出されていない。
乙第12号証の「サンダル用インソール」に係る広告物についても現在使用中であると主張しているが、同書証の右上部の記載より、1996年9月20日に発行されたものであることは理解できるものの、印刷部数、印刷会社、配布場所等、現在使用中であることを明らかにする証拠はなんら提出されていない。
さらに、被請求人が、乙第13号証及び同第14号証の納品書並びに同第15号証の中底仕様書により、2007年2月23日と2007年3月29日に出荷したと主張するパンプス用の「インソール」(商品名:JB39257 M2170SF)については、当該「インソール」自体の外観形態は明らかにされておらず、当該取引の対象物を特定することはできない。
なお、被請求人は、乙第2号証ないし同第5号証のタグは、登録商標「ソフィット/SOFIT」に係る商品「インソール」(靴の中底)が靴の材料として使用されていることを小売店業者に示すため表示しているものであり、株式会社村井はその前の取引において「インソール」を靴メーカーに販売していると主張しているが、これについても当該取引の対象物は特定されておらず、取引の事実は明らかになっていない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第15号証を提出した。
(1)請求人は、本件商標はその指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである旨主張する。
(2)しかし、被請求人である株式会社村井は、製靴用材料及び部品の製造を業務とするシューパーツの専門メーカーあり、本件では、審判の請求の登録前3年以内に、商品「インソール(靴の中底)」について本件商標を使用している(乙第1号証ないし同第5号証)。
即ち、乙第1号証は、商品添付用の夕グであって、本件商標「ソフィット/SOFIT」の文字と、商品を示す「足にやさしい快適歩行のインソール」の文字及び靴の図形からなるタグであり、同社はこのタグを商品「靴」の販売時に提示又は添付することにより、当該靴が同社の製造販売に係る「インソール(靴の中底)」を材料として組み込んだ靴であることを示すものである。
また、乙第2号証ないし同第5号証は、そのタグを靴に添付したものと、靴の横にこのタグを拡大し「ソフィット/SOFIT」の内容及び特徴を説明したものを表示し展示した状態のものである。卸売店「株式会社シンエイ、東京都台東区寿3−19−8」での展示の態様である。撮影は、平成19年5月29日(撮影者:東京都豊島区北大塚2−27−4、株式会社村井内、能美知威)に行われたが、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に本件商標は使用している。
また、卸売店等にこのタグも自体も同社より1個8円で販売され、組み込まれて製造された靴に添付するようになっている。乙第6号証及び同第7号証は、このタグが販売(納品)されたことを示す納品書である。
なお、納品書に単価「800円」のように記載されているように見えるが、小計4000円(500枚×8)からもわかるように「8円」である。
以上のとおり、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において本件商標を指定商品「インソール(靴の中底)」について使用していることは明らかである。
(ア)請求人は、乙各号証には「ソフィット」、「SOFIT」等の文字が表示されているものの、それらは完成品である「靴」についての材料表示として使用されているものであり、使用商品についてその出所を表示し、自他商品の識別機能を果たす態様では使用されていない。
使用商品は、上記説明における「製造工程で靴の中に組み込まれる『中底』と呼ばれる部品」を指しているものである。
本件についてみると、乙第2号証ないし同第5号証の写真に写っているのは、いずれも完成品としての「靴」であって、使用商品は、「靴」の中に組み込まれることにより「靴」と一体化しており、もはや独立して取引対象とはならないものである。
また、取引書類として提出されたのは、わずか2007年3月1日付け納品書と2007年1月9日付け納品書のみである(乙第6号証及び同第7号証)が、この販売に係る商品は「タグ」であり、被請求人が本件商標を使用していると主張する商品である、使用商品とは商品が異なっている。
その他、使用商品自体の販売価格、販売数量、販売時期等の証拠はなんら提出されていない旨主張する。
(イ)しかしながら、シューパーツの専門メーカーある株式会社村井は、靴製造メーカーを主要顧客とするものであり、本件商標「ソフィット/SOFIT」を付した「インソール」(靴の中底)を靴製造メーカーに販売している。
そこで、証拠書類としてその広告物や取引書類を追加提出する。
乙第8号証は、靴やバッグの専門誌である「フットウエア・プレス」(1998年1月号)での使用である。この裏表紙に本件商標「SOFIT/ソフィット」が明示され、その商品が「Insole」であることが掲載されている。
乙第9号証は、同じ専門誌である「フットウエア・プレス」(1997年1月号)での使用である。この裏表紙に本件商標「SOFIT」が明示され、その商品が「Insole」であることが掲載されている。
これらの専門誌の発行日は、審判の請求の登録前3年以上も前のものであるが、掲載されている広告物と同内容のパンフレットは現在でも継続して使用中である(乙第10号証及び同第11号証)。これらは商品の展示会等においても配布されている。
また、1996年9月20日付の広告物「MURAI REPORT」においても、本件商標「SOFIT」「ソフィット」が明示され、その商品が「サンダル用インソール」であることが明示されている(乙第12号証)。
この広告物の発行日も、審判の請求の登録前3年以上も前のものであるが、現在でも使用中である。
乙第13号証及び同第14号証は、靴メーカーである有限会社Be・Oneに本件商標に係る商品「インソール」を納品したことを示す取引書類である。
出荷年月日は、各々2007年2月23日及び2007年3月29日であるから、審判の請求の登録前3年以内の使用である。
また、当該納品書に示される商品名の欄に「JB39257 M2170SF」と記載されているが、中底仕様書に記載されているように「39257」は、仕様書Noを意味し、「M2170SF」は指定名を意味するところ、商品分類に記載のとおり商品が「インソール」であり、製品分類に記載されているとおり「組立中底、ソフィット」であることが掲載されている。
また、当該納品書に示される得意先コード:09443がBe・Oneであることも掲載されている(乙第15号証)。
単価は250円であり、6足であるから、合計1500円である(乙第13号証)。
以上のとおり、被請求人は、審判の請求の登録前3年以内に、「本件商標」を指定商品「インソール」(靴の中底)について使用していることは明らかである。
被請求人は、乙第1号証ないし同第15号証を提出し、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人が、その指定商品中、本件請求に係る商品に属する「インソール(靴の中底)」について、本件商標を使用している旨主張している。
そこで、被請求人の提出に係る上記証拠について検討する。
(1)乙第1号証は、商品添付用のタグの現物写真と認められるところ、当該タグには、「SOFIT」の欧文字が表示され、その上部に小さく片仮名文字「ソフィット」が書されており、その左側に、「足にやさしい」「快適歩行インソール」の文字が二段に横書きされ、その下に2つの靴の図形が配されているから、使用商品に使用するタグと認められる。タグに表示された商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。
乙第2号証は、上記タグを付した靴及び商品の説明の表示物を写した写真である。そして、表示物には、乙第1号証のタグと同様のものが表され、その下に、「『SOFITソフィット』は足の健康・履き心地の良さを追求し、開発された高機能シューパーツです。」と記載され、「【特徴】☆高い衝撃吸収性と、歩行に最適な反発弾性をあわせ持っています。☆優れた透湿性を持ち、汗や湿気の通りをスムーズにして快適な履き心地を持続させます。」の説明文が記載されているから、使用商品が組み込まれた靴であることが認められる。
乙第3号証は、上記タグを付した靴を拡大した写真である。
乙第4号証は、上記タグが付された片方づつの2つの靴と上記の乙2号証の表示物が写った写真である。
乙第5号証は、乙第4号証の靴の片足づつの2つの靴を、角度を変えて拡大した写真である。
乙第6号証は、被請求人から宮崎株式会社に宛てた2007年3月1日を出荷日とする納品書、及び売上伝票の写しと認められる。その商品名の欄に「ソフィットインソールタグ」の表示があり、単価8円、数量250枚、小計2000円、合計2100(消費税を含む)で納品されたものと認められる。
乙第7号証は、被請求人から宮崎株式会社に宛てた2007年1月9日を出荷日とする納品書、及び売上伝票の写しと認められる。その商品名の欄に「ソフィットインソールタグ」の表示があり、500枚が4000円で納品されたものと認められる。
乙第6号証及び同第7号証の出荷日は、いずれも、本件審判の請求の登録前3年以内(以下「本件期間内」という。)に該当している。
乙第8号証及び同第9号証は、靴やバッグの専門誌である「フットウエア・プレス」(1998年1月号及び1997年1月号)での使用であるが、この裏表紙に本件商標「SOFIT/ソフィット」が明示され、その商品が「Insole」であることが掲載されている。
なお、これらの専門誌の発行日は、本件期間内に該当しない。
乙第10号証及び同第11号証は、商品パンフレットの原本と見受けられ、本件商標が明示され、その商品が「Insole」であることが掲載されているが、作成日付の記載はない。
乙第12号証は、1996年9月20日付の広告物「MURAI REPORT」であるが、本件商標「SOFIT」「ソフィット」が明示され、その商品が「サンダル用インソール」であることが明示されている。
なお、この広告物の発行日は、本件期間内に該当しない。
乙第13号証及び同第14号証は、靴メーカーである有限会社Be・Oneに本件商標に係る商品「インソール」を納品したことを示す取引書類である。出荷年月日は、各々2007年2月23日及び2007年3月29日であるから、本件期間内の使用と認められる。
当該納品書に示される商品名の欄に記載されている「JB39257 M2170SF」及び宛名「有限会社Be・One」は、乙第15号証の「中底仕様書」(発行年月日:2005年6月21日)に記載の「39257」(仕様書No)、「M2170SF」(指定名)及び「Be・One」(得意先名)とが一致することから、当該仕様書中の商品分類及び製品分類に記載のとおり、使用商品が「インソール」、「組立中底、ソフィット」であることが推認できる。
また、当該納品書には、単価は250円、数量6足、合計1500円であることが記載されているから、使用商品が靴の材料として組み込まれる商品(乙第1号証及び同第2号証)であるとしても独立して取引されていることが認められる。
(2)そうとすれば、被請求人が提出した証拠を総合勘案すれば、使用商品は、その生産者と靴製造業者の間において取引・流通が行われる商品であり、靴の需要者(最終消費者)との間で取引の対象とされるものではないということができるが、上述のとおり使用商品が独立して取引されており、この使用商品に使用される商標も前記の事業者間及び最終消費者において自他商品の識別のために機能するものと認められる。
そして、上記(1)において、本件期間内に、使用商品に貼付するタグについては、被請求人から宮崎株式会社に、使用商品自体については、同じく被請求人から有限会社Be・Oneに納品があったことが認められる。使用商品に使用する商標は、本件商標と社会通念上同一のものと認めることができる。
(3)してみれば、被請求人は、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品に含まれる「インソール(靴の中底)」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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