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Trademark Appeal Case

不使用取消と通常使用権者

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300041(T2007−300041/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第2389391号商標(以下、「本件商標」という。)は、「AURA」の文字を横書きにしてなり、1989年(平成元年)4月6日スイス連邦においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成元年10月4日に登録出願され、第21類「バンド類、身飾品、ボタン類、宝玉およびその模造品」を指定商品として、平成4年3月31日に設定登録されたものである。その後、平成13年10月16日に商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成14年12月4日に第14類「指輪,ブレスレット,ネックレス,イヤリング,宝石ブローチ,その他の身飾品,宝玉及びその模造品」に書換登録がなされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、「本件商標の指定商品中『指輪,ブレスレット,ネックレス,イヤリング,宝石ブローチ,その他の身飾品』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。

請求人が調査したところによると、本件商標はその指定商品である「指輪,ブレスレット,ネックレス,イヤリング,宝石ブローチ,その他の身飾品」 について、本件商標の商標権者によって継続して3年以上日本国内において使用されておらず、現在も使用されている事実は見出せない。加えて、商標登録原簿において、通常使用権および専用使用権の設定登録がなされておらず、使用権者が使用していることも考えられない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「指輪,ブレスレット,ネックレス,イヤリング,宝石ブローチ,その他の身飾品」 について、商標法第50条第1項の規定に基づき取り消されるべきである。

3 被請求人の主張

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。枝番をまとめて引用するときは枝番を省略する。)を提出した。

(1)本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中「指輪」について、商標権者の日本における子会社(通常使用権者)であるリシュモン ジャパン株式会社(以下、「リシュモン ジャパン」という。)が使用しているので、本件商標が商標法第50条第1項の規定により取り消される事由は、何等存在しないものである。

以下、通常使用権者であるリシュモン ジャパンが、本件商標を指定商品「指輪」について使用している事実を立証する。

(2)本件商標の使用の事実

ア 商標の使用者と商標権者の関係

商標権者は、その前身は1972年にジョゼフ・カヌイを中心とする3人の投資家がカルティエ・パリを買収したものであり、その後1988年にカルティエが宝飾時計・装身具ブランド「PIAGET(ピアジエ)」、「ボーム&メルシェ」等を買収することによって設立された法人である。

現在は、カルティエ、ピアジェ、アルフレッド・ダンヒル、IWC、ジャガー・ルクルト、ヴァシュロン・コンスタンタン、ヴァンクリーフ&アーペル、ボーム&メルシェ等の高級時計・宝飾品を販売する会社である。

日本においては、商標権者の100パーセントの出資会社である千代田区麹町1−4所在のリシュモン ジャパンが、商標権者の商品を輸入・販売しているものである(乙第2号証)。

乙第1号証の商標登録原簿には、本件取消審判が平成19年2月2日に予告登録がなされている。

乙第2号証は、リシュモン ジャパンの総務部長、岡智廣が作成した証明書であるが、通常使用権者としてのリシュモン ジャパンが平成18年12月1日、2日にファミリーセールを開催し、商品「指輪」について商標「AURA」が使用された製品が販売された事実及びそのファミリーセール開催の案内状を証明している。

リシュモン ジャパンは、商標権者の100パーセントの子会社なので、法律上は、商標権者と同一視できるものである。少なくとも、通常使用権者であることは明らかである。

イ 使用に係る商品

乙第2号証ないし乙第3号証は、本件商標が本件審判の請求に係る指定商品に属する「指輪」に使用していることの証拠である。

乙第2号証に添付した表は、平成18年12月1日、2日に開催されたファミリーセールの当該使用に係る商品「指輪」について商標「AURA」が使用された製品が販売された事実を示す販売履歴のデータベースから抽出したデータである。

当該添付表において、「DESCRIPTION」欄の2行目に、「AURA RING YG 1DIA」と記載されているが、このうち「RING」は商品「指輪」、「YG」は商品が「yellow gold」、「1DIA」は、「一粒のダイヤ入り」を意味するものである。

したがって、当該記述からは、その商品は「AURA(商標) 指輪(製品)yellow gold(色彩) 一粒のダイヤ入り(品質)」であることが明確になるものである。

乙第3号証は、インターネットの「YAHOO!」における「AURA 指輪 ピアジェ」の検索結果であるが、この証拠から明らかなように「AURA」は、商品が「指輪」であることを示している。

ウ 使用に係る商標

乙第2号証の証明書及び乙第3号証のインターネットの「YAHOO!」における「AURA 指輪 ピアジェ」の検索結果には、商品「指輪」に本件商標「AURA」が使用されている。当該証拠に示された「AURA」の表示が、本件商標と同一であることは明らかである。

エ 使用時期

乙第2号証に記載のある如く、本件商標は商品「指輪」について平成18年12月1日、2日のファミリーセールにおいて使用されたものである。

乙第2号証に添付の販売履歴のデータにおいて 「SALES DATE」欄の列に「20061201〜1202」と記載があるが、これは平成18年12月1日或いは12月2日に販売されたことを意味するものである。

したがって、本件商標の使用時期は、本件審判の請求の登録前3年以内であることは明らかである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消しの対象となった指定商品中「指輪」について、商標権者と同一視できる或いは通常使用権者であるリシュモン ジャパンが使用していることが明らかである。

4 当審の判断

(1)被請求人が提出した証拠によれば、以下の事実が認められる。

ア リシュモン ジャパンの総務部長が作成した証明書(乙第2号証)には、リシュモン ジャパンは、被請求人が日本における高級時計や宝飾品の輸入・販売のために100%出資した会社であること、平成18年12月1及び2日にリシュモン ジャパンのファミリーセールが開催されたこと、同セールにおける「AURA」の指輪の販売実績は添付表のとおりであること、リシュモン ジャパンは、カルティエやピアジェ等の高級時計や指輪等の宝飾品について、年1回程度12月にファミリーセールを開催していること、が記載されている。

イ これらの商品の販売実績を示すものとして、前記証明書の「添付表」には、「DESCRIPTION」の欄に「AURA RING YG 1DIA」、「AURA RING WG 1DIA」「AURA RING WG CITRINE」の記載、「Sale Price」の欄に「69,524」「72,381」「93,333」、そして「SALE DATE」の欄に「20061201〜1202」の記載がある。

ウ 前記証明書に添付のはがきは、前記アのファミリーセールに係る案内状と認められるところ、その表面には、リシュモングループと表示し、また、「会場:半蔵門ファーストビル11F(イベントホール)」として会場の地図が掲載されており、また、同裏面には、「PIAGET」や「MONTBLANC」などの商標が表示されるとともに、「Dec.1−2」「12/1〔Fri〕12/2〔Sat.〕」の表示、「リシュモングループファミリーセールご招待」の表示、「お一人様につき時計3本、その他の商品3点までご購入可能です。」等の記載がある。

エ 乙第3号証は、いずれも本件審判の請求の登録後の検索に係るインターネットのホームページの写しであるが、そこには、「ピアジェ Aura Ring18YG」との表示とともに、18Kイエローゴールドの指輪と認められる商品の写真が掲載されている。

(2)前記アないしエによれば、平成18年12月1日及び同2日に、リシュモン ジャパンは、ピアジェの「指輪」を販売したと推認し得るものである。

「指輪」についての使用に係る商標についてみると、前記イの「DESCRIPTION」の欄の記載事項のうち、「RING」「YG」(又は「WG」「CITRINE」)「1DIA」については、各々指輪の品質等を表示するために付記されたものと認められ、自他商品の識別標識としての機能を果たすのは「AURA」の文字部分にあり、これは、本件商標を構成する文字列とは同一のものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。

(3)前記(1)及び(2)を併せみれば、平成18年12月1日及び同2日に、リシュモン ジャパンは、商品「指輪」について本件商標を付した商品「指輪」を販売したと推認し得るものである。

また、被請求人の主張及び乙第2号証によれば、リシュモン ジャパンは被請求人が100%出資した子会社であると認め得るものであり、かかる関係にある会社間において商標の使用許諾をする場合に、口頭あるいは黙示等による許諾が行われていることは一般的な実情といい得るところであるから、リシュモン ジャパンは本件商標についての通常使用権者ということができる。

(4)以上によれば、本件商標は、通常使用権者によって、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件審判の請求に係る指定商品中「指輪」について使用をされたと認め得るものである。

なお、請求人は、被請求人の答弁に対して何ら反論していない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「指輪,ブレスレット,ネックレス,イヤリング,宝石ブローチ,その他の身飾品」について、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すことはできないものである。

よって、結論のとおり審決する。

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