Trademark Appeal Case
ホットクレンジングの記述性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−22580(T2006−22580/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「ホットクレンジング」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品として、平成17年11月17日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『熱い』の意味を有する『ホット』の文字及び『清浄すること』の意味を有する『クレンジング』の文字とを一連にした『ホットクレンジング』の文字を標準文字により表示してなるところ、日経流通新聞に『毛穴の汚れを落とす、甘酸っぱいマンゴーの香りの洗顔料『マンゴーホットクレンジングジェル』。肌になじませるとじんわり温まる温感タイプ。血行が促進されることで毛穴に詰まった汚れを浮き上がらせるという。』と掲載されているなど、せっけんや化粧品を取り扱う業界において、該文字は『温感効果により洗浄力が高い商品』を表わす語として、普通に使用されている実情がある。そうすると、本願商標をその指定商品中『せっけん類,化粧品』に使用したときには、これに接する取引者、需要者は、前記の意味合いを表示したものと理解するにすぎず、単に商品の品質、効能を表示したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審の判断
1 本願商標は、前記第1のとおり、「ホットクレンジング」の文字よりなるところ、別掲1の各辞典の記載からすれば、その構成中「ホット」の文字は、英語「hot」に由来し「熱いさま。熱いの意味で複合をつくる。」を意味する外来語であり、同じく「クレンジング」の文字は、英語「cleansing」に由来し「きれいにすること。浄化。化粧落とし。」を意味する外来語であって、いずれも一般に親しまれた語である。
また、「ホットクレンジング」の文字は、一体として特定の熟語的意味合いをもつ成語とも認められないものであるから、本願商標は「ホット」と「クレンジング」の両語を結合してなるものと容易に理解し得るものである。
2 そして、例えば、別掲2ないし4に掲げる、書籍、新聞記事情報、及びインターネット上のウェブページ記事のそれぞれの記載によれば、「ホット」及び「クレンジング」の文字(語)は、それぞれ、商品の品質等を表現する文字(語)として、本願指定商品中の「せっけん類,化粧品」を取り扱う業界において広く採択され、使用されているものということができる。
3 加えて、別掲5に記載の実情によれば、「ホット」と「クレンジング」の文字(語)を結合した「ホットクレンジング」の文字(語)についても、本願指定商品を含む商品を取り扱う業界においては、肌を温める効果により毛穴を開かせ皮脂等のよごれを落とす商品であること、すなわち、品質等を表示する文字(語)として、採択され、使用されているものと認められる。
4 そうとすれば、本願商標は、その指定商品中「せっけん類、化粧品」について使用しても、これに接する需要者等をして、「温感の効果のある化粧落とし」であることを表示したにすぎないもの、すなわち、単に商品の品質等を表したものと理解させるにとどまるというべきである。
また、本願商標は、これを前記以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
5 ところで、請求人は、「本願商標は、同一の書体、同一の大きさの片仮名文字を一連に書した『ホットクレンジング』の構成を有するものであって、『ホット』と『クレンジング』は一体となっており、『ホット』と『クレンジング』が別々に使用されるわけではない。本願商標における『ホット』と『クレンジング』のそれぞれの意味から、本願商標の観念を導き出す認定方法は誤りといわざるを得ない。また、本願商標に接する一般消費者が、その構成各語の意味を個別に認識し把握するということも、現実にはあり得ないことである。」旨主張しているが、仮に、本願商標自体は造語であるとしても、それを構成する各単語の語義から、前示意味合いを有する複合語として認識し使用されている事実よりすれば、この点につき、請求人の主張は採用することができない。
6 加えて、請求人は、「本願商標のような造語が一般的な品質表示として理解される程度にまでなるためには、実際に一定不変の意味で繰り返し相当頻繁に使用される必要がある。そうでなければ、その言葉を商品の品質表示として一般に認識されていると評価することはできないはずである。実際の使用例としても、膨大なインターネット情報中、上記のように構成態様の異なる例がわずか2、3例見出せるに過ぎず、この出現頻度は、その言葉が一般化し商品の品質表示として理解されていると認定するにはあまりに低いというべきである。」旨主張している。
ところで、ある商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて争われた裁判(平成12年(行ケ)第76号 東京高等裁判所 平成12年9月4日判決言渡)の判決では、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」と判示しているところである。
してみれば、本願商標が登録されるべきであるかどうかは、本願指定商品の需要者等において、これがどのような意味を有するものとして認識され用いられるのかによって判断されなければならないものであり、かつ、「ホットクレンジング」の文字(語)については、別掲5に記載のとおり、インターネットのウェブページ上、並びに新聞記事の各記載においてさえも、現実に使用されていることが認められる。
そうすると、本願商標は、その指定商品を取り扱う需要者等において、指定商品の品質を示すものとして認識されることは、前記認定のとおりであることからしても、かかる請求人の主張は採用することができない。
7 さらに、請求人は、「ホット」「HOT」の文字(語)を結合した登録商標を引用して本願商標が登録要件を具有するものである旨主張しているが、そもそも、商標の識別性の判断は,各商標につき、それぞれの構成態様や取引の実情等をも勘案し、個別具体的に判断されるべき性質のものであるばかりでなく、請求人の主張している登録例をもって本件の判断が拘束されるものでもないから、この点についても、請求人の主張は、採用することができない。
8 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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