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Trademark Appeal Case

足心道の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−15952(T2004−15952/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「足心道」の文字を標準文字で表してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成11年11月4日に登録出願、その後、指定役務については、原審における同12年12月12日付け手続補正書により、結果的に第42類「あん摩・マッサージ及び指圧,きゅう,柔道整復,はり,あん摩・マッサージ及び指圧・きゅう・柔道整復・はりに関する情報の提供,あん摩・マッサージ及び指圧・きゅう・柔道整復・はりに使用する医療機械器具及び医療補助品・これらの部品・附属品及び材料に関する試験・検査・分析・調査又は研究,あん摩・マッサージ及び指圧・きゅう・柔道整復・はりに使用する医療機械器具及び医療補助品・これらの部品・附属品及び材料に関する試験・検査・分析・調査又は研究に関する指導・助言」に補正されたものである。

2 当審における拒絶の理由

当審において、請求人に対し、新たに平成18年2月17日付け拒絶理由通知書をもって、「本願商標は、『足心道』の文字を標準文字で書してなるものであるところ、該『足心道』の文字は、中国の古典医学書に記された『観趾法』に端を発し、約二千年程前に華陀という人物によって確立された足の反射療法が、爾来大衆の間の民間療法として伝承されて、その後、唐の時代に日本に伝えられた中国古来の民間療法を表す語として知られているものと認められる。そして、我が国においては、近年、高まる健康志向を背景に、健康増進や癒し効果を求めて按摩、マッサージに対して関心が集まる中、『リフレクソロジー』と称される反射療法が普及、浸透している実情があるところ、なかでも足裏の反射療法が人気を博しており、『足心道』は中国に由来する足の反射療法として知られているところである。そうとすれば、本願商標は、上記の反射療法の意味を表す『足心道』の語を容易に理解、認識されるものであり、これに接する需要者、取引者は、全体として一種の造語ととらえられるよりも、むしろ、『中国古典文献に由来する診断法、治療法』、又は、『中国古来の足の反射に関する民間療法』等の意味合いを容易に理解、認識すると見るのが自然であって、結局、本願指定役務との関係では、役務の質を表示する語であるといわざるを得ない。したがって、本願商標は、その指定役務中『足心道に関連する役務』に使用するときには、単に役務の質(内容)を表示するにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たすものとは認められないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。」旨、通知した。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「足心道」の文字を書してなるところ、該文字は、「中国古典文献に由来する診断法、治療法の一つ」、又は、「中国古来の足の反射に関する民間療法」として知られており、取引の実際において普通に使用されていることが、例えば、下記の新聞記事情報及びインターネット情報等により認められる。

(a)1989.06.17 日本経済新聞 夕刊 6頁

「日本証券投資顧問業協会長米里恕氏――棒で足ゴリゴリ家族で『足心道』(マイヘルス)」の見出しの下、「これは中国医学の『足心道』という健康法で、全身の神経が集中している足の裏を棒で押し、赤ん坊のような柔らかい足にすると健康体になるそうだ。」の記載。

(b)1991.04.04 北海道新聞 夕刊全道 9頁

「中国伝統の知恵、足心道−冷え性、腰痛、内臓疾患...反射区もみ治癒力促進」の見出しの下、「『足は第二の心臓』と言われるが、『足心道』という健康法がある。体の中でも軽視されがちな『足の裏』で健康になる方法とは−。『足心道』は中国に五千年前から伝わるという民間療法。足の裏や甲などにある体の器官の反射区(神経が集まったところ)をもみ、血管の中の老廃物などを排せつしやすくして、血液の流れをよくする方法だ。」の記載。

(c)1993.02.08 高知新聞 夕刊 6頁

「コラム<ぴーぷる> 健康増進は足もみから 『官足法』創設の官有謀さん」の見出しの下、「中国古来の健康法の足心道を研究し、独自の健康法『官足法』をつくり上げた。」の記載。

(d)1996.02.28 毎日新聞 地方版/奈良 29頁

「桜井市で『健康学園とリーダー養成講習会』−−宗教法人・解脱会/奈良」の見出しの下、「手足をもんで健康を整える『足心道』などの実技を学んだ。」の記載。

(e)2002.03.19 北海道新聞 朝刊地方 23頁

「〈探訪直入〉健康志向でフットケア人気*苫小牧にも専門店続々*器具使わずもみほぐす*約1時間『癒された』」の見出しの下、「足に刺激を与え体を活性化させるフットケアの人気が高まり、苫小牧でも専門店の出店が相次いでいる。足裏は『第二の心臓』と呼ばれ、刺激することで血液循環や新陳代謝を高める効果がある。・・(略)・・また、今年一月には表町五に、中国医学を取り入れている『足心道てらさき』がオープン。」の記載。

(f)2006.09.15 読売新聞、東京朝刊 32頁

「[ほのぼの@タウン]9月15日=茨城」の見出しの下、「大沼交流センターで、月3回、行われている『ヨガ・シャンティの会』では、足の裏からもものつけ根にかけてをもみほぐすことで血液やリンパの流れを良くし、神経のバランスを整えるとされる『足心道』を取り入れている。」の記載。

(g)2007.05.22 中日新聞 朝刊 17頁 尾張総合版

「学びの森から 一宮中日文化センター 健康づくり一層多彩に」の見出しの下、「講座は毎回、適度な準備運動にもなる足心道(そくしんどう=足のほぐし)から始めます。これは自律神経の安定、内臓マッサージ効果の向上や体の冷えを取り除くことなどに役立ちます。」の記載。

(h)2007.11.04 毎日新聞 地方版/北海道 22頁

「癒やしのひととき:札幌『札幌千勝治療院』/北海道」の見出しの下、「若石鈴足法は、『足は人間の体の中心』とする中国伝承の手技療法『足心道(そくしんどう)』を基に、鈴木弘勝氏(札幌市中央区で治療院を開設)が考案した。」の記載。

(i)http://www.macrobiotic.gr.jp/seminar/seminar_ashikiso_07_07/index.html

「マクロビオテックセミナー」、「足心道基礎講座」の見出しの下、「足心道は末端の経路を刺激することによりその大元にある臓器を活性化させる健康法です。」の記載。

(j)http://www1.ocn.ne.jp/~arome/rifure1.htm

「〜 リフレクソロジー講座 〜」の見出しの下、「『英国』式『東洋式(中国・台湾式)』について・・・」の項に「また、『足心道』とも言われるものも元は中国式・台湾式リフレクソロジーです。」の記載。

(k)http://www.j-gate.net/~china/index1.htm

「中国足反射療法師短期留学への道」、「本場 中国北京で学んで見ませんか」、「足反射保健療法とは?」の見出しの下、「足反射保健療法(足つぼマッサージ)は、中国で始められた自然療法の一種で、かっては民間で広く行われていた健康法です。中国医学書の中で、足心道、観趾法として、中医按摩学の一部を構成している。」の記載。

(l)http://www.giwado.com/foot/foot.html

「TAIWAN 滋和堂式足ツボ」の見出しの下、「知っておこう!豆知識!」の項に「足の裏反射区(ツボ)の自然療法は、中医針灸医学と根源を同じくする古代伝統医学の一部で、「黄帝内経」(古代の医学書)の中の「素女篇」では、『観止法』または、『足心道』と称されており、穴道(足ツボ)を刺激することによって、治療効果を出すという方法です。」の記載。

(m)http://www.rirakusha.com/cgi-bin/riraku_sb/siteup.cgi?category=1&page=2

「中国式足つぼ療法 利楽舎―RiRaKuSha―」、「足つぼ反射区療法 とは」の見出しの下、「足つぼ反射区療法は、今から約5000年前、中国で観趾法(足の診断学)として発生しました。さらに、今から約2000年前に中国の華陀(かじゃ)という医師によって足心道(人間の健康の中心は足である)とし確立されました。」の記載。

(n)http://www.footpower.jp/intro2.html

「足反射区療法の歴史」の見出しの下、「中国での発展過程」の項に「実は現在日本で盛んな指圧療法・針・灸等も足心道から分かれて派生したものなのです。」の記載。

(o)http://www.recoverhouse.com/asitubo1.htm

「RecoverHouse Salon&School」の見出しの下、「リフレクソロジーの歴史」の項に「中国最古の図書目録『漢書』の中に『黄帝内経』(こうていだいけい)があります。そこに記されているのが、足の裏から病気を診断し、治療する方法をまとめた『観趾法』(かんしほう)です。この『観趾法』というのは、足のツボに刺激を与え、その刺激に身体が反応する原理を利用して治療効果を得ようとする方法でした。漢の時代になり華陀(かだ)という聖医が『観趾法』をわかりやすくまとめた『華陀秘笈』(かだひきゅう)という本を著わしました。この本が唐の時代に日本に伝わってきて、今日の鍼灸術『足心道』になっています。『指圧』も、この『観趾法』から発展したものです。」の記載。

(p)http://www.geocities.jp/sekiseitai/sejutu.html

「関整体術院」の見出しの下、「施術風景・・・各コースの施術風景を、一部ご紹介致します。」の項に「足つぼ反射区療法は、今から約5,000年前、中国で観趾法(足の診断学)として生まれ、約2,000年前に中国の華陀という医師によって足心道として確立されたものです。人間本来の治癒力を高めて、病気に対処していく自然療法です。」の記載。

(q)http://www.seitaishiatsu-senmon.com/takayamaseitai.htm

「気功整体指圧専門ドットコム」、「高山式気功整体指圧とは」の見出しの下に、「フットセラピーは、一般的には足裏の反射療法(ゾーンセラピー)と考えられております。反射区と各器官の機能との関係です。フットセラピーは、古代中国の『華陀』が『経絡経穴理論』に基づいて考案したと言われる『足心道』がその起原と言われていますので、それも当然かなと思われます。」の記載。

(r)http://hbcu-na.jp/26hanshaku.html

「健康と美しさのためのトータルケア」、「反射区」の見出しの下、「中国最初の医学書といわれる『黄帝内経』(こうていだいけい)には“観趾法”(かんしほう)という記載があり、漢の時代に華陀という人が足心道を生み出したといわれています。」の記載。

(s)http://www.sunayama-socks.com/sokkensha/tlivia03.htm

「足健社」、「Vol 03 その1 リフレクソロジーの歴史」の見出しの下、「中国最古の医学書であり、中国思想のベースとなる『黄帝内経』が著される。この中には足を診て症状がわかるという『観趾法』が文献としてはじめて登場する。・・(略)・・三国時代『魏』の曹操につかえた華侘(かだ)が足裏と臓器の相対関係を『足心道』としてまとめる。」の記載。

(t)http://www.shinkyu-wa.com/stuff.html

「鍼灸治療院 和―WA―」の見出しの下、「足心道の観趾法では体のバランスと心のバランスの乱れを読み取ることが出来ます。問診のほかに足をよく診せて頂き治療に役立てています。鍼が苦手な方でも安心して来てみて下さい。」の記載。

(u)http://wanoyu.main.jp/kokoro.htm

「和の愈」、「心こころ整体院 千歳烏山店」、「足心道」の見出しの下、「料金表」として「A 足心道コース 30分 3000円」の記載。

(v)http://nttbj.itp.ne.jp/0274431010/index.html

「スーパー千湯」の見出しの下、「詳細情報」の項に「■マッサージ」、「■韓国アカスリ」、「■足心道(足もみマッサージ)」の記載。

(w)http://www12.ocn.ne.jp/~dogcafe/newpage9.htm

「インフォメーション of ハートレスキュー」の見出しの下、「毎週水曜日:リフレクソロジー」の項に「足心道は足にあらわれた変化によって身体の異常をチェックし、足を揉みほぐすことで自然治癒力をたかめ、全身の機能を活発にする足からの健康法です。」、「10分 1,000円 お試しコース」、「20分 2,000円 ショートコース」、「30分 3,000円 基本コース」、「40分 4,000円 フルコース」の記載。

(x)http://www.pureness.co.jp/search/detail.php?id=3368&trp=

「Pureness 心身の不調解消ポータル」、「全国治療院サロン診療所ガイド」、「足もみてっちゃん」の見出しの下、「料金」の欄に「初見料 1000円」、「リフレ(足浴5分+足もみ30分) 3000円」、「足心道(足浴5分+足もみ50分) 4500円」の記載。

(y)http://www4.ocn.ne.jp/~serapi/newpage1.htm

「リフレクソロジー(足裏反射療法)」の見出しの下、「足心道 40〜60分 4000円」の記載。

(z)http://www.northking.jp/new_info/040905_asimomi.html

「お風呂上がりに『足もみマッサージ』をどうぞ」、「足揉み本舗『休恷(きゅうきゅう)』」の見出しの下、「●足心道治療」として「今まで色々な治療を試され、なかなか結果のでない方。現在通院されている方。心身の種々の痛みなどお悩みの方にオススメです。」、「約50分 3,800円」の記載。

以上のことからすれば、本願商標の「足心道」の語は、「中国古典文献に由来する足をもみほぐす診断法、治療法」又は「中国古来の足の反射に関する民間療法」として知られており、かつ、本願商標に係る指定役務の分野で、取引の実際において治療法の一つとして普通に使用されているものであるから、これをその指定役務中「足心道(足をもみほぐす治療法)に関連する役務」に使用しても、これに接する需要者、取引者は、役務の質(内容)を表示したものとして把握するにとどまり、自他役務を識別するための標識とは、認識し得ないものと判断するのが相当である。

そうとすると、本願商標は、これを本願指定役務中、「足心道(足をもみほぐす治療法)に関連する役務」に使用するときは、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものというのが相当であり、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあると判断するのが相当である。

なお、請求人は、「足心道」は、創始者の柴田和通が研究し、1948年に「足心道」として確立した足からの健康法であり、以来60年近くにわたり「足心道」商標を使用し継続して活動してきていることから、「足心道」と言えば家庭内健康法を指称する商標として、また「足心道本部」の略称として広く認識されている旨、及び、「足心道」は、柴田和通が採択した造語であるから、自他役務の識別標識としての機能は充分に果たしている旨主張し、証拠として甲第1号証ないし甲第11号証(枝番号を含む。)を提出している。

提出された資料によれば、二代目柴田和徳、三代目柴田當子により「足心道」及び「足心道本部」の語が「足をもみほぐすことによる健康法及びその健康法の指導」について使用されていたことは認められる。

しかしながら、創始者とされる柴田和道自身が、「足心道」について述べている事実は見あたらず、二代目柴田和徳、三代目柴田當子によりその由来が伝聞として語られているのみで、他にこれを客観的に認めうる証拠も見あたらないことからして、「足心道」の語は、直ちに柴田和道が創作した造語であると認めることはできないものであり、かつ、「足心道」の語が本願商標の出願時より現在においても治療法や健康法の一つとして認識され、広く使用されていることは上述のとおりであるから、この点についての請求人の主張は採用できない。

以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。

さらに、請求人は、提出した証拠は、無効2000−35393号事件において提出されたものであるが、請求人は、それ以降も継続して「足心道」商標を使用しているものであり、その事実については近日中に追加提出する旨主張している。

しかしながら、本願商標に自他役務の識別力がないことは前記認定のとおりであり、また、請求人は、証拠を追加提出すると主張するのみで相当の期間を経過した現在に至るも、何らの証拠の提出もなく、かつ、前記証拠の提出の遅れにつき何ら釈明するところがない。

したがって、請求人の主張は採用することができない。そして、これ以上本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと認め、審理を終結させることとした。

よって、結論のとおり審決する。

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