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Trademark Appeal Case

欧文字の称呼・外観類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2004−8682(T2004−8682/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「BOULEVARD」の文字を標準文字で表してなり、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車並びにその部品及び附属品,自転車並びにその部品及び附属品,電動三輪車並びにその部品及び附属品,車いす並びにその部品及び附属品,牽引車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械器具,陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,乗物用盗難警報器」を指定商品として、平成15年5月7日に登録出願され、その後、指定商品については、当審において同19年12月17日付手続補正書が提出され、第12類「二輪自動車」と補正されたものである。

2 原査定で引用した商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、下記のとおりである。

(1)登録第560583号商標(以下、「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和34年8月3日に登録出願、第20類「車輛、船舶、その他運搬用機械器具及びその各部」を指定商品として、同35年11月25日に設定登録され、その後3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成14年11月27日に指定商品を第12類「荷車,馬車,人力車,自動車並びにその部品及び附属品,自動車の発動機(その部品を除く。),自動車のベアリング,自動車の緩衝器,自動車の制動機 ,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,二輪自動車の機関(その部品を除く。),二輪自動車・自転車のベアリング,二輪自動車・自転車の歯車,二輪自動車・自転車のブレーキ,小児用車,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,鉄道車両の原動機(その部品を除く。),航空機の車輪,鉄道車両の車輪,自動車の車輪,二輪自動車・自転車の車輪,乳母車・人力車・手押し車・荷車・馬車・リヤカーの車輪,航空機のタイヤ,自動車のタイヤ,二輪自動車・自転車のタイヤ,乳母車・人力車・手押し車・荷車・馬車・リヤカーのタイヤ,サドル,ペダル,船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。)」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(2)登録第578787号商標(以下、「引用商標2」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和35年3月17日に登録出願、第20類「車輛、船舶その他運搬用機械器具及びその各部」を指定商品として、同36年8月15日に設定登録され、その後3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成14年11月27日に指定商品を第12類「荷車,馬車,人力車,自動車並びにその部品及び附属品,自動車の発動機(その部品を除く。),自動車のベアリング,自動車の緩衝器,自動車の制動機,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,二輪自動車の機関(その部品を除く。),二輪自動車・自転車のベアリング,二輪自動車・自転車の歯車,二輪自動車・自転車のブレーキ,小児用車,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,鉄道車両の原動機(その部品を除く。),航空機の車輪,鉄道車両の車輪,自動車の車輪,二輪自動車・自転車の車輪,乳母車・人力車・手押し車・荷車・馬車・リヤカーの車輪,航空機のタイヤ,自動車のタイヤ,二輪自動車・自転車のタイヤ,乳母車・人力車・手押し車・荷車・馬車・リヤカーのタイヤ,サドル,ペダル,船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。)」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(3)登録第1515454号商標(以下、「引用商標3」という。)は、「BLUEBIRD」の欧文字と「ブルーバード」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和50年8月6日に登録出願、第9類「ミシン、その他本類に属する商品、但しかいばおけ、養鶏用かご、印刷または製本機械器具、動力機械器具(水車、風車を除く)事務用機械器具、蒸気暖房装置、温水暖房装置、温気暖房装置、放熱器、温気炉、緩衝器、ばね、管継ぎ手、パツキング、ガスケツト、及びこれらの類似商品を除く」を指定商品として、同57年5月25日に設定登録され、その後2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成15年6月25日に指定商品を第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造機械器具,石材加工機械器具,水車,風車,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式駐車装置,芝刈機,修繕用機械器具,業務用電気洗濯機,業務用攪はん混合機,業務用皮むき機,業務用食器洗浄機,業務用切さい機,業務用電気式ワックス磨き機,業務用電気掃除機,業務用電気ミキサー,消毒・殺虫・防臭用散布機(農業用のものを除く。),電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,軸,軸受,軸継ぎ手,ベアリング,動力伝導装置,制動装置,バルブ 」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(4)登録第2129342号商標(以下、「引用商標4」という。)は、「BLUEBIRD」の欧文字を書してなり、昭和62年5月29日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成元年4月28日に設定登録され、その後同11年5月18日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(5)登録第2584429号商標(以下、「引用商標5」という。)は、「BLUEBIRD」の欧文字を書してなり、平成2年3月9日に登録出願、第12類「輸送機械器具、その部品および附属品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同5年10月29日に設定登録され、その後同15年10月21日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに同16年7月28日に指定商品を第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),エアクッション艇,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」とする指定商品の書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。

(以下、引用商標1、引用商標2、引用商標4及び引用商標5をまとめていうときは「引用各商標」という。)

3 当審において通知した証拠調べ通知の要点

1.「BOULEVARD」の語について、辞典によれば、以下の事実がある。

(1)「ブールバール[boulevard 仏]」の項に、「大通り.遊歩道.並木道.ブルバードともいう.」の記載がある(2006年4月30日 株式会社集英社発行 imidas 現代人のカタカナ語欧文略語辞典)。

(2)「ブールバール[boulevard 仏]」の項に、「大通り.遊歩道.並木道.ブルバードともいう.」の記載がある(株式会社集英社発行 イミダス1988別冊付録 国際化新時代の外来語・略語辞典)。

2.インターネット情報において、「BOULEVARD」の文字を「ブルバード」と使用されている事実。

(1)「SUZUKI MOTORCYCLE 国内二輪車 ストレッチタンクからリヤフェンダーへと流れる官能的なライン。視線を釘付けにするボブテールフェンダーとLEDテールランプ。走りを予感させる倒立フロントフォークとアルミキャストホイール。オトナを刺激するニューコンセプトクルーザー、『ブルバード400』。 BOULEVARD『ブルバード』、それは“大通り”という意味を持つ。都会を駆け抜けるクルーザーのあるべき姿を問い直す、ニューコンセプトクルーザーの提案である。」の記載がある。(http://www1.suzuki.co.jp/motor/boulevard/index.html)

(2)「SUZUKI MOTORCYCLE 国内二輪車 BOULEVARD400 Limited ブルバード400リミテッド登場 異彩の輝きを放つ、ブルバード400リミテッド登場。 タンクからリヤフェンダーにかけて美しいラインを強調するツートンカラーのカラーリング。視線を釘付けにするボブテールフェンダーとLEDテールランプ。走りを予感させる倒立フロントフォークとアルミキャストホイール。あなたを刺激する限定車『ブルバード400リミテッド』。 」(http://www1.suzuki.co.jp/motor/boulevard_ltd/index.html)

(3)「BikeTel.com 新型『ブルバード400』『ブルバード800』を発売 2005年03月18日 スズキ株式会社は、個性的でスポーティーなデザインを追求したアメリカンバイク 新型『ブルバード400』(排気量400cc)、新型『ブルバード800』(排気量800cc)を3月18日より全国一斉に発売する。 <ブルバード=BOULEVARD とは、英語で『大通り』を意味し、都会的で新しいコンセプトのアメリカンモデルのイメージにマッチすることから命名した。> 」の記載がある。(http://news.biketel.com/archives/16648401.html)

(4)「SUZUKI BOULEVARD M109R スズキ株式会社は、2005年の第39回東京モーターショーで参考出品した二輪車『ブルバード M109R』を北米市場で2月より販売開始する。」の記載がある。(http://www.vrxroadster.net/archives/2006/02/22/post_23.html)

(5)「スズキ バイク ブルバード400 BOULEVARD 動画付 スズキ バイク ブルバード400」の記載がある。(http://wide-open.jp/suzuki/2007/06/_400_boulevard_1.html)

(6)「SUZUKI BOULEVARD 400(ブルバード400) 商品番号 boulevard 車両本体価格 739,200円 (税込) 送料別 」の記載がある。(http://www.rakuten.co.jp/marutomiauto/488690/488734/671942/#862759)

(7)「スズキ・ブルバード 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 ブルバード(BOULEVARD)はスズキが製造している、水冷4ストロークV型2気筒エンジンを搭載したクルーザー(アメリカン)タイプのオートバイである。」の記載がある。(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%82%AD%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%89)

3.新聞記事情報において、「ブルバード」の文字が、「スズキ株式会社の二輪自動車」に使用されている事実。

(1)「日刊工業新聞」(2007年7月4日)において「スズキ、欧米に『ハヤブサ』など11機種投入」の見出しの下「スズキは3日、北米、欧州市場にスポーツバイク『ハヤブサ1300』などフラッグシップモデル3機種を含む、新型バイク11機種を順次、投入すると発表した。フラッグシップはハヤブサのほか、世界初投入のネイキッドモデル「B−KING」とクルーザーモデル『ブルバードC109R』で、3機種の北米での参考価格は1万2000−1万7800ドル。大型バイクの販売が好調な欧米で攻勢をかける。」の記載がある。

(2)「読売新聞 東京朝刊 13頁」(2006年8月22日)において「特別仕様のオートバイ『ブルバード400リミテッド』発売/スズキ」の見出しの下「スズキは、特別仕様のオートバイ『ブルバード400リミテッド』(排気量400cc)を発売した。車体色は若者に人気の模様を施した『オールトグレーメタリック』で、ハンドルと一体となった液晶多機能ディスプレー付きメーターを備えた。」の記載がある。

(3)「日刊工業新聞」(2006年8月22日)において「スズキ、2輪車『ブルバード400』に特別仕様車を設定」の見出しの下「スズキは長距離走行に適した2輪車『ブルバード400』に特別仕様車『同リミテッド』を設定し発売した。単一色の模様であるトライバルパターンを外装に採用したほか、メーターパネルを液晶多機能ディスプレーとし、シート側面にはメッシュ加工を施した。排気量399ccのV型2気筒エンジンを搭載。」の記載がある。

(4)「毎日新聞 地方版/静岡 26頁」(2006年2月23日)において「けいざい・しずおか:新商品 スズキ・モーターショー出品バイクを北米で発売 /静岡」の見出しの下「昨年の東京モーターショーで参考出品した大型バイク『ブルバードM109R』を今月末から北米などで発売する。」の記載がある。

(5)「日刊工業新聞」(2006年2月22日)において「スズキ、力強い走りの大型クルーザーを北米で発売」の見出しの下「スズキは排気量1783ccの大型クルーザー『ブルバードM109R』を北米市場で2月末に販売する。V型2気筒エンジンには、2輪・4輪車のガソリンエンジンで世界最大の112ミリメートルのボア径ピストンを備え、低速から高速まで力強い走行を実現した。」の記載がある。

(6)「日刊工業新聞」(2005年12月14日)において「リコール情報/スズキ、大型2輪車のイグニッションスイッチでエンジン停止の恐れ」の見出しの下「スズキは大型2輪車の『イントルーダー』『ブルバード』2車種2型式140台のイグニッションスイッチをリコール。」の記載がある。 (7)「日刊工業新聞」(2005年8月3日)において「2輪メーカー3社、米国販売で明暗−中国メーカーの安価モデル影響」の見出しの下「スズキもクルーザー『ブルバード』やスポーツバイク『GSX−R1000』が好調で、4−6月は8万4000台を売り上げた。」の記載がある。

(8)「読売新聞 東京朝刊 6頁」(2005年3月28日)において「また風に近づいた アメリカンスタイルのオートバイを発売/スズキ」の見出しの下「スズキは、アメリカンスタイルのオートバイ『ブルバード400』(排気量400cc)を発売した。」の記載がある。

(9)「日刊工業新聞」(2005年3月23日)において「スズキ、スポーティーな外観の新型アメリカンバイクを発売」の見出しの下「スズキ(は、スポーティーな外観にした新型のアメリカンバイク『ブルバード400』(排気量400cc)と『同800』(同800cc)を発売した。」の記載がある。

4.以上のように、当審で行った辞典、インターネット情報及び新聞記事の調査の事実を総合的に勘案すると、本願商標「BOULEVARD」が「二輪自動車」に「ブルバード」の名称で使用されている事実がある。

よって、本願商標「BOULEVARD」より「ブルバード」の称呼が生ずるものです。

4 証拠調べ通知に対する請求人の意見の要点

(1)本願商標は「BOULEVARD」の欧文字9文字を一連に表示したと視認される外観を有するのに対し、引用各商標は「Bluebird」、「ブルーバード」、「BLUEBIRD」の各文字又はこれらの組み合わせからなると視認される外観を有するものであるから、両者は外観において顕著な差異を有するものである。してみれば、両者は、看者に与える印象を大きく異にし、外観において相紛れるおそれのないものである。

(2)本願商標を構成する「BOULEVARD」の文字は、「並木のある幅広い街路」を意味する既成のフランス語であって、その称呼「ブールヴァール」は国語辞典やカタカナ語辞典にも掲載されるほど我が国において広く親しまれた外来語である(甲第6号証ないし甲第8号証)。しかも、その意味合いは本願指定商品「二輪自動車」と密接な関連を有するものであるから、本願商標に接した取引者・需要者は、本願商標より「並木のある幅広い街路」の意味合いを直観するものである。一方、引用各商標は前記構成に相応して「青い鳥」の意味合いを直観させるものである。してみれば、本願商標と引用各商標とは観念においても明確に相違し、相紛れるおそれのないものである。

(3)本願商標から生ずる「ブルバード」の称呼と、引用各商標から生ずる「ブルーバード」の称呼とを対比するに、両者は第2音「ル」が長音を伴うか否かにおいて差異を有するものである。ここで、前者の「ブルバード(BOULEVARD)」は既成の単語であるから一連に一息に称呼されるのに対し、「ブルーバード」は「ブルー(BLUE)」と「バード(BIRD)」の2つの単語から構成されていることが明白であるから「ブルー」と「バード」の間で1拍おいて称呼されるため、「ル」に続く長音は比較的聴取しやすいものである。しかも、両称呼の構成音は実質4音と短いことから、前記長音の有無が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、両称呼は、語調・語感を著しく異にし、聴者に与える印象・連想も相違することから、明瞭に聴別し得るものである。

(4)本願指定商品「二輪自動車」は高価な商品であるから、取引者・需要者は通常よりも高い注意力をもって取引にあたるのが普通であり、かつ本願指定商品の性質上、必然的にその需要者の年齢層は高いことから、需要者は商標を識別するための能力(語学力、注意力)を十分に備えているところである。

(5)請求人は、平成16年7月より、本願商標「BOULEVARD」をその指定商品「二輪自動車」に使用し、平成19年10月までに本願商標が付された二輪自動車を国内外で14万台近く出荷していることから、本願商標「BOULEVARD」は「二輪自動車」の取引者・需要者の間で広く知られるに至ったものである。そして、請求人が本願商標「BOULEVARD」をその指定商品「二輪自動車」に使用していることは、証拠調べ書の「2.」の記載からも明らかなように、容易にインターネット情報等から認められる事実であり、また、このことが貴庁において容易に検索されたことは、本願商標が取引者・需要者の間に広く知られている証左である。

(6)2つの商標から「同一」の称呼が生ずると認めながらも両商標を非類似とした判決例(甲第20号証ないし甲第22号証)及び貴庁審決例(甲第23号証ないし甲第31号証)が現に多数存することは、請求人の主張を裏付けるものである。

(7)以上のように、本願商標と引用各商標とは、外観、観念、称呼のいずれにおいても相違しており、しかも商品価格や需要者層の注意力といった取引の実情、本願商標が現にその指定商品「二輪自動車」に使用され取引者・需要者の間に広く知られている事実を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用各商標がその指定商品に使用されたとしても、取引者・需要者が商品の出所につき誤認混同を来すおそれがないことは明らかである。したがって、仮に本願商標から「ブルバード」の称呼が生じるとしても、本願商標は、引用各商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、商標法第4条第1項第11号に該当しないものである。

5 当審の判断

当審において、請求人に対し、上記3の証拠調べ通知書を通知し、相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、請求人は意見書及び手続補正書を提出し、本願の指定商品を前記1のとおり、第12類「二輪自動車」と補正している。その結果、本願商標の指定商品と引用商標3の指定商品とは、非類似の商品となったものである。

そこで、本願商標と引用各商標との類否について判断すると、本願商標は、前記1のとおり「BOULEVARD」の欧文字よりなるところ、本願商標は、仏語で「(並木のある)大通り」を意味するものであるが、仏語でそれ程親しまれている語とは認められないから、本願商標から特定の観念は生じないものとみるのが相当である。一方、引用各商標は、前記2のとおり「Bluebird」「ブルーバード」「BLUEBIRD」の各文字よりなるところ、「Bluebird」及び「BLUEBIRD」の各文字は、「青い羽の鳥」(「初級コンサイス英和辞典 第4版」株式会社三省堂発行)を意味する英語であり、「ブルーバード」の文字は、「青い鳥」(「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」株式会社三省堂発行)を意味する外来語であり、親しまれているから、「青い(羽の)鳥」の観念を生ずるものである。

そして、外観については、本願商標と引用各商標とは、共に普通に使用される文字よりなるから、顕著な差異を有するとは認め難いものである。特に引用商標4及び引用商標5は、「BLUEBIRD」の欧文字を書してなり、「BOULEVARD」の欧文字よりなる本願商標とは「B」「U」「L」「E」「RD」の欧文字について、共通するものであるから、顕著な差異を有するとは認められないものである。

次に、称呼については、本願商標が前記3のとおり、出願人(請求人)スズキ株式会社や取引会社等が二輪自動車について本願商標「BOULEVARD」を「ブルバード」と使用している取引の実情があることから、本願商標より、「ブルバード」の称呼を生ずるものである。他方、引用各商標は、その構成上「ブルーバード」の称呼を生ずるものである。そこで、本願商標から生ずる「ブルバード」と、引用各商標から生ずる「ブルーバード」の称呼を比較すると、両者は「ブ」「ル」「バ」「ー」「ド」の音を共通にし、「ル」の音における長音の有無の差異を有するにすぎないものであるから、それぞれを全体として称呼した場合には、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤られるおそれがあるものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観において顕著な差異を有するとは認められないものであり、称呼において類似するものであり、また、引用商標は「乗用車」について著名であると推認しても差し支えないことを考慮すると、本願商標を同一又は類似の商品に使用すれば、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標といえるものである。

さらに、指定商品についても、本願商標の指定商品と引用各商標の指定商品は、同一又は類似するものである。

ところで、出願人(請求人)は、「本願商標を構成する『BOULEVARD』の文字は、『並木のある幅広い街路』を意味する既成のフランス語であって、その称呼『ブールヴァール』は国語辞典やカタカナ語辞典にも掲載されるほど我が国において広く親しまれた外来語である」旨主張している。しかしながら、本願商標は、前記1のとおり「BOULEVARD」の欧文字よりなるところ、該文字は、広辞苑(岩波書店発行)やコンサイスカタカナ語辞典(三省堂発行)に掲載されているものの、「ブールヴァール」「ブールバール」が見出しであり、本願商標が欧文字である点で相違するものである。よって、出願人(請求人)の主張は、採用することができない。

また、出願人(請求人)は、「『二輪自動車』は高価な商品であるから、取引者・需要者は通常よりも高い注意力をもって取引にあたるのが普通であり、かつ本願指定商品の性質上、必然的にその需要者の年齢層は高いことから、需要者は商標を識別するための能力(語学力、注意力)を十分に備えている」旨主張している。しかしながら、「自動車」を購入するにあたり、カタログ等を電話で取りそろえる場合もあり、「自動車」を購入する準備段階では口頭によって行われる場合もあり得るし、年齢が高くても、商標が紛らわしい場合は聴き誤ることもあるから、出願人(請求人)のこの点での主張は、採用することができない。

さらに、出願人(請求人)は、「本願商標が現にその指定商品『二輪自動車』に使用され取引者・需要者の間に広く知られている事実を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用各商標がその指定商品に使用されたとしても、取引者・需要者が商品の出所につき誤認混同を来すおそれがない」旨主張している。しかしながら、本願商標が取引者・需要者の間に広く知られているとは認められず、それを認めるに足りる証拠の提出もないものである。よって、出願人(請求人)の主張は、採用することができない。

さらにまた、出願人(請求人)は、過去の登録例を挙げて、本願商標もこれらと同様に登録されるべきである旨主張しているが、商標の類否判断は個別になされるべきものであり、また、それらの登録例は、本願商標とは商標の構成及び指定商品を異にする事案であって、本願商標については前記認定を相当とするものであるから、この点についての請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標は、引用各商標に類似する商標であり、かつ、両商標の指定商品も同一又は類似のものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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