Trademark Appeal Case
称呼同一と外観・観念の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−12956(T2007−12956/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「即攻」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品,せっけん類,香料類」を指定商品として、平成18年7月20日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4584583号商標(以下「引用商標」という。)は、「ソッコウ」の文字を横書きしてなり、平成13年6月21日に登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同14年7月12日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、上記のとおり、「即攻」の文字を標準文字で表してなるものであるから、該文字に相応して「ソッコウ」あるいは「ソクコウ」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、上記したとおり、「ソッコウ」の文字を横書きしてなるものであるから、該文字に相応して「ソッコウ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「ソッコウ」の称呼を同じくする類似の商標といわなければならない。
(2)請求人の主張について
請求人は、化粧品や石鹸類の商品は、消費者各々の好みや肌との相性などが異なり嗜好性の高い商品であるから、商品の選択においても商標の意味する観念やイメージを重視して取引にあたる実情にあり、本願商標と引用商標とは、外観、観念を異にするものであって、印象、記憶、連想が著しく相違するから、これらを総合して全体的に考察するならば、両商標は、誤認混同するものとはいえない旨主張している。
確かに、外観の点については、漢字と片仮名という字形における差異のあることは否定できない。しかしながら、片仮名は漢字に振り仮名を付すときに用いられているものであり、「ソッコウ」の文字は「即攻」の読みそのものであることからすれば、漢字表記と片仮名表記から受ける印象の差異は、例えば、漢字表記とローマ字表記から受ける印象の差異などに比べれば、遙かに小さいものということができる。
また、観念の点に関しては、本願商標を構成する「即攻」の文字は、漢字が表意文字であることから、各文字の有する語義を組み合わせて、請求人が主張するような「すぐさま攻撃すること」の意味合いを理解し得るとしても、岩波書店発行の広辞苑、講談社発行の日本語大辞典、小学館発行の国語大辞典、角川書店発行の漢和中辞典等に照らしてみても、成語として記載されていないことから、一般に馴染まれた語とはいえず、特定の親しまれた意味合い(観念)を生ずる語ということはできない。
そして、引用商標についても、「ソッコウ」の文字からは「速攻、速効、即効、即行、測光、側溝」等、数多くの成語が想起されることから、直ちに特定の意味合い(観念)を理解・認識し得るものとはいえない。
そうすると、「ソッコウ」の文字から比較的想起し易い「速攻」の漢字を想起した場合には、本願商標と引用商標とは観念の点においても紛らわしいものではあるが、一般的には、両商標の観念については比較し得ないものというべきであって、観念の点から、特に、両商標を峻別し得る要素があるものとはいえない。
そうとすれば、商標の類否の判断にあたっては、取引の実情をも踏まえ、互いの商標から受ける印象、記憶、連想を含めて総合的に判断すべきことは、請求人の主張するとおりであるが、本願商標と引用商標とは、称呼が同一であることによる紛らわしさを凌駕して、これらを明らかに識別することができるに足る程の外観及び観念の差異があるものとはいえない。
なお、請求人は、審判決例を挙げて主張しているが、それら審判決例で取り上げられている商標は、いずれも本件とは商標の構成を異にするばかりでなく、商標の類否の判断は、各商標につき個別具体的に判断されるべき性質のものであるから、請求人が主張するような事例があるからといって、本願商標と引用商標についての上記認定に影響を及ぼすものとはいえない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標と引用商標とは、「ソッコウ」の称呼を同じくするものであるから、外観及び観念における差異を考慮しても、両者は、互いに誤認混同のおそれのある類似の商標といわなければならない。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中に包含されているものである。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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