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Trademark Appeal Case

周知造語の要部抽出と混同

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2007−900194(T2007−900194/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5020685号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5020685号商標(以下「本件商標」という。)は、「ICOMSYSTECH」及び「アイコムシステック」の文字を上下2段に横書きしてなり、平成18年6月23日に登録出願、第9類「コンピュータソフトウェア及びコンピュータソフトウェアを記憶させた記憶媒体」を指定商品、第41類「コンピュータソフトウェアの開発又は知識の教授(コンピュータソフトウェアの使用方法の教授を含む。)」及び第42類「コンピュータソフトウェアの開発・設計又は保守」を指定役務として、同19年1月26日に設定登録されたものである。

2 本件商標に対する取消理由

当審において、平成19年11月7日付けで商標権者に対し通知した取消

理由は、次のとおりである。

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出した証拠(甲第14号証ないし同第20号証、甲第22号証及び同第26号証(枝番を含む。))によれば、「ICOM」、「アイコム」、「別掲の商標」(以下、併せていうときは「引用商標」という。)は、1969年以降、申立人に係る無線機器に使用され、その後、他の通信機器やコンピュータについても使用されて、当該商品について新聞や雑誌等による宣伝広告も頻繁に行われ、「アイコム」の称呼をもって継続して使用された結果、本件商標の登録査定時はもとよりその登録出願の時既に、申立人の代表的な商標として、その需要者の間に広く認識されるに至っていたということができる。

(2)本件商標と引用商標についてみると、本件商標は、前記1のとおり「ICOMSYSTECH」及び「アイコムシステック」の文字からなるところ、これらの文字が各々一連に表されているとはいえ、「ICOM」と「SYSTECH」、「アイコム」と「システック」とが、常に一体不可分に結合した不離のものとしてのみ認識されるとすべき特段の事情は見出せない。そして、「ICOM」及び「アイコム」の文字は、特定の意味合いを有しない造語と認められるものであるのに対し、後半の「システック」の文字は、近時、IT関連の企業を中心として「〇〇システック」のように、他の文字と結合して企業名称等の一部として多く使用されている実情にあり(甲第21号証、同第28号証)、「SYSTECH」は、前記「システック」の欧文字表記であり、「SYSTEM TECHNOLOGY」の略語として看取される(甲第28号証)というのが相当である。

ところで、造語は、既成語に比べると、同一の語が商標として偶然に他人によって採用されることは遙かに少ないものということができるため、同一の造語からなる商標や企業名称又は同一の造語を含んでなる商標や企業名称に接する取引者や需要者は、それが同一の企業に係るもの又は子会社等の関連企業に係るものとして認識する蓋然性は極めて高いといえる。

しかして、本件商標の前半の「ICOM」「アイコム」の文字は、周知である引用商標と文字の構成を同じくし、「アイコム」の称呼を共通にするものであり、また、後半部分の「システック」及び「SYSTECH」は、少なくともIT関連の業界においては、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たし得ないか或いはその機能が極めて弱いものというのが相当であるから、本件商標は造語からなる引用商標をその一部(語頭部分)に含むものとして看取される場合も決して少なくないものであり、両商標間の類似性は高いものである。

そして、引用商標に係る使用商品は、電気通信機械器具やコンピュータ等であるところ、本件商標の指定商品は、これと同一又は類似する商品或いは関連性の高い商品である。また、本件商標の指定役務は、いずれもコンピュータソフトウエアに関するものであり、いわゆるIT関連の役務といえるから、引用商標の使用商品の用途等からみれば、両者の関連性の程度は高いというべきである。また、その需要者を共通にする場合が多いものである。(3)しかして、引用商標の周知性及び独創性、本件商標と引用商標との類似性、両商標が使用される商品及び役務の性質や関連性、及び、需要者の共通性等を総合的に勘案すると、本件商標の登録査定時はもとより登録出願時に、本件商標をその指定商品・指定役務に使用するときには、需要者が本件商標の構成中の「ICOM」「アイコム」の文字部分から、引用商標或いは申立人を想起し連想して、当該商品・役務が申立人或いは同人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品・役務であると誤認し、その商品・役務の出所について混同するおそれがあったと判断されるものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

3 当審の判断

商標権者に対し、上記2の取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記2の取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、この取消理由によって、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

別掲

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