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Trademark Appeal Case

結合商標の類否と一体不可分性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90431(T2006−90431/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4963474号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4963474号商標(以下「本件商標」という。)は、「F1SCENE」の文字を標準文字で表してなり、平成17年12月12日に登録出願、第9類、第16類及び第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品又は指定役務として、同18年6月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、登録異議の申立ての理由を要旨次のように主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第23号証を提出した。

(1)申立人が引用する商標

(ア)登録第4395176号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、1997年オーストリア共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、平成9年9月29日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月30日に設定登録されたものである。

(イ)登録第4361224号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年5月27日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年2月10日に設定登録されたものである。

(ウ)登録第4119226号商標は、別掲のとおりの構成よりなり、平成8年5月27日に登録出願、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同10年2月27日に設定登録されたものである。

なお、これらをまとめていうときは、以下「引用商標」という。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「F1」の文字を含み、「エフワン」の称呼及び観念が生じる。加えて、全体として、「F1レースのシーン、一場面」という観念を容易に想起させる。

他方、引用商標は、「エフワン」の著名性に照らして、「F1」の文字部分より容易に「エフワン」の称呼及び観念が生じる。

よって、本件商標と引用商標とは、称呼・観念において同一又は類似するものであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

本件商標は、その構成中に、世界的に著名な自動車レースを指称する「F1」の文字を含むものである。本件商標の出願人は、当該レースの主催者である「FIA(国際自動車連盟)」及び申立人の承諾もなく、「F1」の文字を含むこのようなF1レースを容易に想起させる本件商標を出願・登録しようとするものであり、このような行為は、国際的に著名な「F1(エフワン)」レースの信用を不当に利用しようとするものであり、国際信義に反するものである。

よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。

(4)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、その構成中に、世界的に著名な自動車レースの名称及び役務商標(自動車レースの開催)として知られている「F1」の文字を含むものであるところ、本件商標をその指定商品に使用すれば、申立人及び当該レースの主催者であるFIA(国際自動車連盟)の業務に係る商品、又は、それらの許諾を受けた者の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記1のとおり、「F1SCENE」の文字を同じ大きさ、同じ書体で外観上まとまりよく一体的に表してなるものであって、全体をもって「エフワンシーン」と称呼しても長音を含め7音とさほど冗長なものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。そして、本件商標は、観念上も、全体として「F1レースのシーン(場面)」の如き意味合いを看取させるものであり、たとえ、構成中の「F1」の文字が著名な国際的自動車レースの名称の略称を表すものであるとしても、かかる構成においては、全体で一体不可分のものと理解、認識されるものである。

そうとすると、本件商標より「エフワン」の称呼及び観念をも生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼及び観念上類似するものであるとした申立人の申立の理由は採用することはできない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、上記(1)で述べたとおり、本件商標全体で一体不可分のものと理解、認識されるものであり、また、申立人及び「FIA(国際自動車連盟)」などの「エフワン(F1)」の名称あるいは役務商標としての使用の事実、著名度、使用許諾の実情等を考慮しても、本件商標と該「エフワン(F1)」の文字間に誤認・混同を生ずる事由は見いだせないといわなければならないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について

本件商標は、「F1SCENE」の文字よりなりものであり、該構成文字は、矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字からなるものでなく、また、本件商標をその指定商品について使用することが社会公共の利益、一般的道徳観念に反するものとすべき事実は認められず、他の法律によってその使用が禁止されているものでもなく、国際信義に反するものとも認められない。

さらに、本件商標は、申立人及び「FIA(国際自動車連盟)」などの「エフワン(F1)」の名称又は役務商標と類似するものでなく、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的)をもって使用するものとも認められない。

してみれば、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同19号に違反して登録されたものということはできない。

(4)上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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