Trademark Appeal Case
称呼の類似性:長音の有無
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900290(T2007−900290/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5034444号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成17年12月5日に登録出願、第7類「バルブ」を指定商品として、同19年3月23日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立て理由の要旨
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、異議の申立て理由を以下のように述べ証拠方法として、甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。
(1)本件商標は、下記の引用商標と称呼及び観念を共通にする類似の商標であり、また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(2)本件商標は、申立人の著名な商標に類似するものであるから、そのような商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、その商品が申立人または申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について、取引者、需要者間に誤認・混同を生じさせるおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
(3)本件商標は、引用商標と類似するものであり、本件商標の商標権者は引用商標に化体した申立人の信用・名声にただ乗りしようとする不正の目的をもって出願されたものと推認されるものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
〈引用商標〉
(ア)登録第4360259号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成10年10月1日に登録出願、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金属製金具,金属製建造物組立てセット,液体貯蔵槽,液化ガス貯蔵槽,金属製の滑車・ばね及びバルブ(機械要素に当たるものを除く),金属製包装用容器,金属製荷役用パレット,金属製人工魚礁,金属製セメント製品製造用型枠,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の吹付け塗装用ブース,金属製養鶏用かご,金属製航路標識(発光式のものを除く),金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く),てんてつ機,金属製管継ぎ手,キー,いかり,かな床,金網,ワイヤロープ,犬用鎖,金属製家庭用水槽,金属製工具箱,金属製貯金箱,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製のネームプレート及び標札,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製帽子掛けかぎ,金属製郵便受け,金属製靴ぬぐいマット,金属製ブラインド,金属製立て看板,金属製の墓標及び墓碑用銘板,金属製のバックル,つえ用金属製石突き,アイゼン,金属製あぶみ但し、金属製建造物組立てセットを除く」を指定商品として、平成12年2月10日に設定登録されたものである。
(イ)登録第1408448号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和44年6月13日に登録出願、第9類「洗眼用水道用栓、水飲用水道用栓、その他の水道用栓及び弁、その他本類に属する商品(ただし金属加工機械器具、土木機械器具、荷役機械器具、蚕種製造または養蚕用機械器具を除く」を指定商品として、同55年2月29日に設定登録されたものである。その後、平成2年4月27日及び平成11年10月19日に存続期間の更新登録がされたものである。
以下、これらを一括していうときは「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について。
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるところ、その構成文字中4文字目の「T」を、構成文字全体の幅に併せて上部横線を左右に延長し、まとまりよく一体に表してなるところ、これより「トート」の称呼を生じ、特定の意味を有しない造語よりなるものとみるのが相当である。
一方、引用商標は、別掲(2)又は別掲(3)のとおり「TOTO」の文字よりなり、これよりは「トートー」の称呼を生じ、特定の意味を有しない造語よりなるものとみるのが相当である。
そこで、本件商標より生ずる「トート」と引用商標より生ずる「トートー」を比較するに、共に「ト」、「ト」の音を共通にするものの、長音を伴うか否かの差異を有し、また長音を伴うとしてもその位置が異なり、この差異がそれぞれ3音と4音と短い音構成において、それぞれの称呼全体に及ぼす影響は大きく、両称呼を全体として称呼するときには語調語感が相違し、彼此聴別できるものである。
また、本件商標と引用商標は、前記のとおりの構成よりなるから、外観において十分に区別できるものであり、さらに、共に造語よりなるから比較できないものである。
そうとすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念の何れにおいても互いに相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について。
申立人は、衛生陶器、水栓金具の製造、販売する我が国の代表的なメーカーであり、1917年に「東洋陶器株式会社」として設立以来、商号の略称である「東陶」(トートー)として親しまれ、1970年に「東陶機器株式会社」に商号変更し、その前年にはコーポレートブランドを「TOTO」(引用商標)に変更して以来、これを、その業務に係る衛生陶器、水栓金具等の商品に使用し、広く一般にも知られているものと認められる。
しかしながら、申立人が使用する引用商標は、本件商標と十分に区別し得る別異の商標であること前記3(1)のとおりであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして直ちに引用商標を想起し連想させるものでなく、その商品が申立人または申立人と何らかの関係のある者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について、取引者、需要者間に誤認・混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない
(3)商標法第4条第1項第19号について。
更に、本件商標と引用商標とは類似するものでないこと前記3(1)のとおりであり、商標権者が本件商標を採択使用する行為に申立人の信用・名声にただ乗りするなど不正の目的があったものということもできない。
(4)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものとすることはできない。
よって、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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