Trademark Appeal Case
周知商標の認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900303(T2007−900303/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5034946号商標(以下「本件商標」という。)は、平成18年1月18日に登録出願、「アスタッツ」の片仮名文字と「ASTOTS」の欧文字とを二段に書してなり、第2類「植物、藻類、微生物、酵母、海棲動物から抽出したカロチノイド類を主成分とするオイル状及び粉末状の食品用染料」を指定商品として、同19年2月14日登録査定、同19年3月30日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、2002年(平成14年)から「食品用染料」の分野で、ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチン製品を「アスタッツ」シリーズとして販売することにより、商標「アスタッツ」及び「ASTOTS」を使用し続け、本件商標の出願時である平成18年1月時点には、申立人の商標として広く一般に知られるに至り、現在まで周知の状態を維持している。
それ故、本件商標は、その登録出願時及び査定時の両時点において、他人(申立人)の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用をするものであると認められるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものであるから、商標法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。
3 当審の判断
申立人が提出した甲第1号証ないし甲第22号証(枝番を含む。)の証拠から、本件商標の登録出願時〔平成18年(2006年)1月18日〕及び登録査定時〔平成19年(2007年)2月14日〕の両時点において、商標「アスタッツ」及び「ASTOTS」が「食品用染料」について使用する申立人の商標として需要者の間に広く認識されていると認められるものであるか否かについて、以下検討する。
(1)甲第1号証ないし甲第4号証には、「武田紙器社では、98年にイスラエルのアルガテクノロジーズ社と独占販売契約を締結、02年よりヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチン製品『アスタッツー』シリーズを販売している。」との記載はあるが、その製品を食品用染料(色素)として販売している旨の記載はない。
(2)平成17年10月28日発行の健康産業流通新聞の甲第5号証には、申立人が商品『アスタッツ」を開発するまでの過程と、その商品群の説明が記載されているが、食品用染料の記載はない。平成18年2月28日及び同年7月28日発行の健康産業流通新聞の甲第6号証及び甲第7号証も同様にどのような分野の商品か不明である。
(3)2005年4月26日〜同28日開催の第10回国際食品素材/添加物展・会議(ifia JAPAN 2005)(甲第8号証−1ないし同6)の申立人ブース一番右側に展示された「ASTOTS/アスタキサンチン」のパネル(甲第8号証−2及び甲第8号証−3)には、食品用の素材としての記載はあるものの、食品用染料との記載はない。また、第11回国際食品素材/添加物展・会議(ifia JAPAN 2006)(2006年5月30日〜同6月1日)及び第2回秋季国際食品素材/添加物展(大阪)(ifia/HFE OSAKA 2006)は、本件商標の登録出願後の開催である(甲第9号証ないし甲第10号証)。
(4)甲第11号証ないし甲第18号証は、いずれも本件商標の登録出願日以前の日付の申立人の商品の注文書であるが、取引会社及び数量等が削除されており、かつ、8件の注文があったことを表示するにすぎないばかりか、このうち、品名に「ヘマトコッカス藻色素」との記載があるのは甲第14号証のみであり、他は単に商品名「アスタッツ」が記載されているにすぎない。
(5)甲第19号証ないし甲第21号証は、申立人が「ヘマトコッカス藻色素」に商標「アスタッツ」及び「ASTOTS」を使用していることが認められるとしても、その書類の作成年月日はどこにも記載されていないから、本件商標の登録出願前に申立人の商標として需要者の間に広く認識されている商標であるとする証拠になり得ない。
(6)甲第22号証の1のとおり、申立人は、商標権者に対して譲渡交渉をし、これに対し甲第22号証の2とおり、商標権者は申立人に対し、譲渡交渉を行うことは考えていない旨返事をしたことが認められるとしても、これらの事実は、いずれも、本件商標が需要者の間に広く認識されている商標であるとする直接の証拠にはならないものである。
上記のとおり、申立人が提出した証拠から、申立人が2002年(平成14年)より、ヘマトコッカス藻由来のアスタキサンチン製品を「アスタッツ」及び又は「ASTOTS」の商品名で日本国内で食品素材として販売していることは認められるが、いずれの証拠をみても、商標「アスタッツ」及び「ASTOTS」が「食品用染料」について使用する申立人の商標として需要者の間に広く認識されていたと認め得るに十分といえる具体的な取引書類、例えば、使用期間、広告宣伝の方法(事実)、売上高等を立証するような証拠は見当たらないから、これらの証拠をもって、本件商標の登録出願時及び査定時の両時点において、商標「アスタッツ」及び「ASTOTS」が申立人が「食品用染料」について使用する商標として需要者の間に広く認識されている商標であると認めることはできない。
してみれば、本件商標が引用商標と商標において類似するとしても、その前提となる商標「アスタッツ」及び「ASTOTS」が申立人が「食品用染料」について使用する商標として需要者の間に広く認識されていたと認められないものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品について使用しても、本件商標が他人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれに類似する商品について使用をするものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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