Trademark Appeal Case
称呼の語調・語感の差異
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900355(T2007−900355/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5041944号商標(以下「本件商標」という。)は、「Zmac」の欧文字と「ゼータマック」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成18年10月25日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同19年4月20日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3346594号商標は、「ZELMAC」の欧文字を横書きしてなり、平成7年5月30日に登録出願、第5類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年9月19日に設定登録され、その後、同19年4月10日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)国際登録第752417号商標は、「ZELMAC」の欧文字を横書きしてなり、2001年2月16日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して2001年3月7日に国際登録され、第5類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成13年11月9日に我が国において設定登録されたものである。
(上記(1)及び(2)の登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標と引用商標は、外観上紛らわしい商標である。
また、本件商標より生ずる「ゼータマック」の称呼と、引用商標より生ずる「ゼルマック」の称呼も、語頭の「ゼ」及び後半の「マック」の音を共通にするものであるから、両商標を一連に称呼した場合は、互いに聞き誤るおそれがある。
特に、両商標の指定商品である「薬剤」は、人体・生命に関わる安全性が重視されるべき商品であるから、外観及び称呼上類似する商標の登録は避けられるべきである。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼・外観において類似し、かつ、その指定商品も互いに抵触するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、商標法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。
4 当審の判断
(1)本件商標と引用商標の類否
本件商標は、前記1のとおり、「Zmac」の欧文字と「ゼータマック」の片仮名文字を二段に横書きしてなるものである。
これに対して、引用商標は、前記2のとおり、「ZELMAC」の欧文字を横書きしてなるものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、その構成全体からみて、外観上明らかに相違するものであるから、両商標を時と所を異にして離隔的に観察する場合においても、互いに紛れるおそれはないというべきである。
次に、両商標より生ずる称呼についてみるに、本件商標は、その構成文字に相応して、「ゼータマック」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標は、その構成文字に相応して、「ゼルマック」の称呼を生ずるものである。
そこで、本件商標より生ずる「ゼータマック」の称呼と引用商標より生ずる「ゼルマック」の称呼を比較するに、両称呼は、前者における「ゼ」の長音及び「タ」の音、後者における「ル」の音の差異を有するものであるところ、本件商標の称呼を全体として称呼するときは、「ゼ」の音に長音を伴うことにより、「ゼータ」と「マック」の間に称呼上に段落が生じ、全体の称呼がゆったりとした語感を与えるのに対し、引用商標は、「ル」の音を有することにより、弾むような語調で一気に称呼されるものであるから、上記差異音が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれの称呼を一連に称呼した場合は、その語調、語感が著しく相違したものとなり、互いに紛れるおそれはないといわなければならない。
また、本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を有しない造語を表したと理解されるとみるのが相当であるから、観念上比較することができない。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきものである。
なお、申立人は、医薬品の名称の近似性から生ずる医療の現場における医薬品の処方ミスなどの例を挙げ、引用商標に類似する本件商標は登録されるべきでない旨主張するが、本件商標と引用商標は、前記認定のとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、上記医療の現場における実情を考慮しても、本件商標と引用商標の外観及び称呼上の差異の程度からみて、これらを表示した医薬品が、表示された商標だけの原因により取り間違えて使用されるという可能性は低いとみるのが相当である。したがって、上記申立人の主張は採用することができない。
(2)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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