Trademark Appeal Case
著名キャラ名と商標の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900363(T2007−900363/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標は、「PADDINGTON HOUSE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成18年7月28日に登録出願、第30類「コーヒー,ココア,コーヒー豆,茶,ウーロン茶,紅茶,昆布茶,麦茶,緑茶」を指定商品として、同19年4月4日に登録査定され、同年同月27日に設定登録されたものである。
第2 登録異議の申立ての理由
1 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりである。
(1)登録第3302342号商標は、「PADDINGTON BEAR」(やや太字)の文字を書してなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶」を指定商品として、平成6年8月29日に登録出願、同9年5月9日に設定登録されたものである。
(2)登録第3302343号商標は、「パディントン ベア」(やや太字)の文字を書してなり、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶」を指定商品として、平成6年8月29日に登録出願、同9年5月9日に設定登録されたものである。
(以下、これらを纏めて「引用商標」という。)
2 理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
「PADDINGTON」は、イギリス国ロンドンにある鉄道の幾つかのターミナルのうちの一つの始発・終着駅の名称ではあるが、むしろ、その駅を舞台として始まる児童文学作品として著名な物語の主人公である熊に名付けられた名前として周知されている。
したがって、本件商標は「パディントンハウス」と称呼され、一般的な「パディントンの家」が観念されるというよりは、児童文学作品として著名な物語の主人公として知られている「『熊のPADDINGTON/パディントン』の家」が観念される。
申立人は、熊を主人公とする児童文学作品として著名な物語の著作者であるマイケル・ボンド(Michae1 Bond)によって1970年代に設立された会社で、同氏の著作物についての権利をワールドワイドに管理している会社である。
そして、上記引用商標は、「熊のPADDINGTON/パディントン」についての商品化権保護の一環として商標登録されたものである(甲第2号証)。
そうすると、本件商標における「PADDINGTON」は、「熊のPADDINGTON/パディントン」を直截に意味する引用商標とは観念的に同視できることになり、本件商標において観念される「パディントンの家」は、有名な児童文学作品の主人公である「『熊のパディントン』の家」と同義となる。
したがって、本件商標は、申立人の引用商標に類似し、同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
もし仮に商標が類似しないとした場合においても、申立人の引用商標を構成する語は需要者間に周知されている「熊のPADDINGTON/パディトン」を主体とする語であり、本件商標は「熊のPADDINGTON/パディントンの家」が観念される商標であるから、本件商標がその指定商品に使用されるときは、それら商品が申立人の取り扱いに係る商品であるか、又は申立人と何らかの関係にある者の取り扱いに係る商品であるかのように、需要者に商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号又は同第15号に該当するので、同法第43条の3の規定により、指定商品の全てについての登録は取り消されるべきである。
第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記第1のとおり「PADDINGTON HOUSE」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「PADDINGTON」と「HOUSE」の間に一字程度間隔を有しているとしても、他の構成各文字は同書、同大、等間隔で外観上まとまりよく一体に表してなるばかりでなく、これより生ずると認められる「パディントンハウス」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく称呼し得るものであるから、該構成文字全体に相応して、「パディントンハウス」のみの称呼を生じ、「パディントンの家」の観念を生ずるものと認識し把握されるとみるのが自然である。
他方、引用商標は、前記第2のとおり、前者が「PADDINGTON BEAR」の欧文字をやや太字で表してなり、後者が「パディントン ベア」の片仮名文字をやや太字で表してなるものである。
そして、引用商標は、本件商標の場合と同様に「PADDINGTON」と「BEAR」の間、及び「パディントン」と「ベア」の間に一字程度間隔を有しているとしても、他の構成各文字は同じ太字、同じ大きさ、同じ間隔で外観上まとまりよく一体に表してなるばかりでなく、これより生ずると認められる「パディントンベア」の称呼も格別冗長とはいえないものであって、無理なく称呼し得るものであるから、該構成文字全体に相応して、「パディントンベア」のみの称呼を生じ、「熊のパディントン」の観念を生ずるものと認識し把握されるとみるのが自然である。
申立人は、「PADDINGTON」は、イギリス国ロンドンにある鉄道の幾つかのターミナルのうちの一つの始発・終着駅の名称ではあるが、むしろ、その駅を舞台として始まる児童文学作品として著名な物語の主人公である熊に名付けられ名前として周知されているので、本件商標は「パディントンハウス」と称呼され、一般的な「パディントンの家」が観念されるというよりは、児童文学作品として著名な物語の主人公として知られている「『熊のPADDINGTON/パディントン』の家」が観念され、「熊のPADDINGTON/パディントン」を直截に意味するから、引用商標とは類似する商標である。また、本件商標と引用商標の指定商品とは、同一又は類似の商品である旨述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番を含む。)を提出している。
しかし、甲第3号証ないし甲第12号証における使用例は、「くまのパディントン」(甲第3号証)、「パディントン・ベア」又は「パディントン ベア」(甲第4号証及び甲第8号証)、「パディントン ベアー」及び、ややデザイン化した「Paddington Bear」(甲第5号証、甲第6号証、甲第11号証及び甲第12号証)の外、いずれも一連表記か、若しくは「熊」のキャラクターと共に使用されているものであり、わずかに、「パディントン」とのみの表示されている例も、「パディントンのファンシーグッズ〜」、「パディントンのトラベルグッズセット」のように、「パディントン ベア」の商品説明記述中において省略されたケース(甲第7号証、甲第9号証及び甲第10号証)といえるものである。
したがって、引用商標は、実際の使用例においても上記のとおり、一連表記か、若しくは「熊」のキャラクターと共に使用されているものであり、かつ、上記第2のとおり、「PADDINGTON BEAR」又は「バディントン ベア」の文字よりなるものである。
そうとすれば、本件商標から「熊のPADDINGTON/パディントン」の観念を生ずるとし、その上で本件商標と引用商標とが観念上類似するとする申立人主張は採用の限りでない。また、本件商標と引用商標とは、称呼上構成音を明らかに異にし十分区別し得るものであり、かつ、外観及び観念においても明らかな差異を有するものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるとはいえないものであって、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
3 まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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