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Trademark Appeal Case

称呼の微細な差異と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−12483(T2007−12483/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「SmartPOT」の欧文字を標準文字により表してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」を指定商品とし、平成18年5月15日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録第4180261号商標(以下、「引用商標1」という。)は、「Smart Port」の欧文字を標準文字により表してなり、平成9年4月10日に登録出願、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、同10年8月21日に設定登録されたものである。

同じく、登録第758547号商標(以下、「引用商標2」という。)は、「SmartPod」の欧文字を書してなり、2001年2月13日にドイツ連邦共和国において行った、商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13年5月8日に国際商標登録出願され、第9類「Electrical devices for the input,processing,transmission,storage and output of data;computer software.」及び第10類「Medical and electromedical apparatus and devices and parts therefor.」を指定商品として、同14年6月28日に設定登録されたものである。

同じく、登録第761437号商標(以下、「引用商標3」という。)は、「SmartBot」の欧文字を書してなり、2000年11月17日にドイツ連邦共和国において行った、商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成13年5月14日に国際商標登録出願され、第9類「software.」及び第42類「Development of software.」を指定商品及び指定役務として、同14年8月23日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1との類否について

本願商標は、前記1のとおり「SmartPOT」の欧文字を書してなるところ、その構成文字に相応して「スマートポット」の称呼を生ずるものであり、特定の語義を有さないものであるから、一種の造語からなるものというべきである。

他方、引用商標1は、「Smart Port」の欧文字を書してなり、その構成文字に相応して「スマートポート」の称呼を生ずるものであり、特定の語義を有さない一種の造語からなるものと認められる。

そこで、本願商標より生ずる「スマートポット」の称呼と引用商標1より生ずる「スマートポート」の称呼とを比較すると、両商標は、4音目の「ポ」の音が促音を伴うか、長音を伴うかに差異を有するものであるが、前者は、「ポ」の音が促音を伴うことにより、つまった感じに発音されるのに対し、後者は、「ポ」の音に長音を伴うことにより、ゆるやかな感じで発音されるから、該差異音が称呼全体に与える影響は決して小さいものとはいえず、両商標をそれぞれ一連に称呼した場合には、その語調、語感が明らかに異なり、互いに聴き誤るおそれはないものとみるのが相当である。

また、本願商標と引用商標1とは、外観においては、前記に述べたとおり区別し得るものであり、観念においては、特定の観念を有しないので比較することができない。

よって、本願商標と引用商標1とは、外観、称呼、観念のいずれの点からみても、互いに類似しない商標といわなければならない。

(2)本願商標と引用商標2または同3との類否について

本願商標は、前記(1)のとおりであるのに対し、引用商標2は、「Smart Pod」、引用商標3は、「SmartBot」の欧文字をそれぞれ書してなり、その構成文字に相応して「スマートポッド」、「スマートボット」の称呼をそれぞれ生ずるところ、両商標とも特定の語義を有さない一種の造語からなるものと認められる。

そこで、本願商標より生ずる「スマートポット」の称呼と引用商標2より生ずる「スマートポッド」の称呼及び引用商標3より生ずる「スマートボット」の称呼とを比較すると、両称呼は、語尾において「ト」と「ド」、又は4音目における「ポ」と「ボ」の音に差異があるものの、他の配列音をすべて同じくするものである。

そして、該差異音である「ト」と「ド」、又は「ポ」と「ボ」の音にしても、清音と濁音、又は半濁音と濁音の差異にすぎず、いずれも母音(o)を共通にする互いに近似した音であると認められる。

そして、いずれの差異音も通常、明瞭に聴取し難い中間又は語尾に位置するものである。

そうすると、本願商標と引用商標2または同3の差異音が称呼全体に与える影響は小さく、それぞれを一連に称呼した場合には、語調、語感が近似し、互いに聴き誤りやすいものとみるのが相当である。

よって、本願商標と引用商標2または同3とは、観念においては、特定の観念を有しないので比較することができないとしても、外観においては、「T」と「d」、または「P」と「B」の文字の相違があるのみで、他の文字については共通であるから近似し、称呼においても、前記に述べたとおり、聞き誤るおそれがある相紛らわしい類似の商標というべきであるから、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。

なお、請求人は、本願商標後半部分の「POT」の文字は、全て大文字で表記されているから、一文字ずつアルファベットで「ピーオーティ」と発音するのが一般的である旨主張しているが、それを裏付ける証拠は見当たらず、むしろ、「POT」という英単語があることから、これに接する取引者、需要者は、この文字部分を称呼する場合、「ポット」と称呼するのが自然であると認められる。

したがって、請求人の上記主張は採用できない。

(3)まとめ

以上(1)及び(2)よりすれば、本願商標は、引用商標1との関係においては、非類似の商標といえるとしても、引用商標2または同3との関係においては、類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願の指定商品中には、引用商標2または同3の指定商品と類似の商品が含まれているものと認められる。

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りではない。

よって、結論のとおり審決する。

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