結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300627(T2007−300627/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4763110号商標(以下「本件商標」という。)は、「嘉六」の文字を標準文字により表してなり、平成15年8月5日に登録出願され、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,みそ,ウースターソース,グレービーソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として平成16年4月9日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『菓子,パン及びそれらの類似商品』についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べている。
(1)本件商標は、その指定商品中「菓子,パン及びそれらの類似商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条の規定により、その登録は取り消されるべきものである。
(2)なお、本件審判の請求の登録前3年以内の日本国内における上記商品についての本件商標の使用の事実、或いは不使用についての正当な理由の存在は、商標法第50条第2項の規定により、被請求人において証明されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。以下、枝番全てを一括して引用する場合はその枝番を省略する。)を提出している。
(1)本件商標の権利者である株式会社嘉六(被請求人)は、請求人が取消しを求めている指定商品中の「菓子」に属する商品である「銘菓はっか糖」及び「豆菓子長寿豆」(乙第1号証)について、本件商標「嘉六」を少なくとも本件審判の請求の登録前3年以内の2004(平成16)年5月31日から現在に至るまで継続して使用している。
(2)以下、本件商標の使用の事実を詳述すると共に証拠によって立証する。
(ア)被請求人の社名は「株式会社嘉六」であり、本件商標「嘉六」は、被請求人のいわゆる社名商標でありメイン商標である。また、被請求人である株式会社嘉六は、新潟県十日町市中屋敷13番地に販売店舗を持ち、米を主力に様々な食品を同店舗や販売パンフレットに基づいて注文を受け宅配等により販売を行なっている会社である。
(イ)乙第2号証として、被請求人が製作し被請求人の顧客に季節毎に配布している被請求人の販売パンフレットを提出する。
乙第2号証の1は、2005(平成17)年冬にお歳暮用等として、乙第2号証の2は、2006(平成18)年冬にお歳暮用等として、いずれも株式会社滝沢印刷(以下「滝沢印刷」という。)により印刷製作された販売パンフレット「2005・冬 嘉六の特選美味集」及び「2006・冬 嘉六の特選美味集」であり、被請求人の顧客約1万人に毎年配布すると共に、被請求人の店舗に置き来客者に直接配布したものである。
上記販売パンフレットは、滝沢印刷からの2005(平成17)年11月20日締切分の請求書(乙第3号証の1)及び2006(平成18)年12月20日締切分の請求書(乙第3号証の2)に示すように、季節毎に滝沢印刷により印刷され、ほぼ全ての顧客約1万人に配布しているもので、例えば乙第2号証の2に示す「2006・冬 嘉六の特選美味集」は、滝沢印刷により12000冊印刷納品され、2006(平成18)年冬に郵送等によって配布し、一部店舗にて配布した。
また、乙第2号証の3は、2006(平成18)年秋に被請求人が製作し同様に配布した「新米」の販売パンフレット「2006年秋号2006新米特選美味集」である。
(ウ)被請求人は、例えば乙第2号証の販売パンフレット「2005・冬 嘉六の特選美味集」等のように、主力商品の「米」については、この販売パンフレット中に「嘉六の厳選米」と表示し、この「嘉六」ブランド米として、「天然乾燥魚沼産コシヒカリ」、「特別栽培米魚沼産コシヒカリ」等の他、自社オリジナル米として「嘉六米」も販売している。
このように、オリジナル米の「嘉六米」だけでなく、被請求人が厳選した米を「嘉六の厳選米」と表示して所謂「嘉六」ブランド品として米を販売している。
(エ)被請求人は、前述の主力の「米」だけでなく、乙第2号証に示す販売パンフレットに掲載されているように、「越後のお菓子コーナー」と表示して「柿の種」や乙第1号証に示す豆菓子の「長寿豆」、銘菓の「はっか糖」等も販売している。
被請求人は、単に「株式会社嘉六」と商品の包装や販売パンフレットに表示し販売しているだけにとどまらず、乙第2号証の販売パンフレットのように、「嘉六」を大きく書した「株式会社嘉六」なる表示を、上記パンフレット表紙の下部に大きく表示し、さらに、このパンフレットの表紙にパンフレットのタイトルとして大きく「嘉六の特選美味集」と表示している。
しかも、この「嘉六の」の文字は、別段となって掲載商品についてのブランドを示す態様であって、掲載商品がいずれも「嘉六」ブランド商品であることが一目瞭然となる表示であり、この販売パンフレットの裏表紙の宅急便運賃表の上にも「嘉六からの」なる表示もなされており、これらの表示は、いずれも菓子についての本件商標「嘉六」の使用である。
(オ)以上のように、少なくともこの乙第2号証の1ないし3の販売パンフレットに記載の態様で、「菓子」について本件商標「嘉六」を使用している。
(カ)さらに、本件商標の使用実績について詳述する。
乙第1号証として提出する写真(撮影日:平成19年7月19日、撮影者:弁理士吉井雅栄)に示す商品は、被請求人が上記販売パンフレット(乙第2号証)に掲載し販売している「菓子」の豆菓子「長寿豆」と銘菓「はっか糖」の実物である。
被請求人は、少なくともこの乙第1号証に示す「菓子」を継続して過去3年前から現在に至るまで、上記販売パンフレットに基づき、この販売パンフレットを配布した顧客の注文を受けて継続して販売している。
この「長寿豆」及び「はっか糖」には、商品袋裏面の表示シールの出所表示の販売者欄に「(株)嘉六」と表示されている。
(キ)被請求人が上記菓子の注文を受けて販売した顧客へ発行した請求明細書の写しを乙第4号証として提出する。
乙第4号証の1は、2004(平成16)年11月11日付け「長寿豆230g入り」の被請求人の顧客宛て請求明細書及び2004(平成16)年11月17日付け「はっか糖230g入り」の被請求人の顧客宛て請求明細書である。
乙第4号証の2は、2006(平成18)年10月26日付け「長寿豆230g入り」の被請求人の顧客宛て請求明細書及び2006(平成18)年12月4日付け「長寿豆230g入り」の被請求人の顧客宛て請求明細書である。
乙第4号証の3は、2006(平成18)年12月21日付け「はっか糖230g入り」の被請求人の顧客宛て請求明細書である。
(ク)以上の事項が事実と相違ないことを証明するため、乙第5号証として被請求人の代表取締役平野由隆の宣誓書を提出する。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第50条第1項の所定の使用実績がある(本件審判の請求の登録前3年から本件商標は菓子に使用している。)から、本件審判の請求は成り立たないものである。
審判長は、請求人に対し、平成20年1月30日付けで、「請求人は、審判請求書の『請求の趣旨』において、本件商標の指定商品中、『第30類 菓子,パン及びそれらの類似商品』についての登録の取消しを求めている。しかしながら、上記の指定商品の記載中『及びそれらの類似商品』は、『請求の趣旨』として不明確なものである。 商標法第50条の規定よりすれば、取消審判請求の審理の対象となる指定商品の範囲は、請求人が取消しを求めた審判請求書の『請求の趣旨』の記載に基づいて決められるところ、『請求の趣旨』は、審判における審理の対象・範囲を画し、被請求人における防御の要否の判断・防御の準備の機会を保障し、取消審決が確定した場合における登録商標の効力の及ぶ指定商品の範囲を決定づけるという意味で重要なものであるから、『請求の趣旨』の記載は、客観的で明確なものであることを要するものである。したがって、『請求の趣旨』に記載された『及びそれらの類似商品』とは、如何なる指定商品を取消しの対象とするのかについて釈明し、要旨の変更とならない範囲内で明確な表示に補正するか、又は『及びそれらの類似商品』の記載を削除する補正をして、『請求の趣旨』を客観的で明確なものにされたい。」旨の審尋を行った。
これに対して、請求人は、 平成20年2月6日付けの手続補正書において、請求の趣旨を「商標法第50条の規定により、登録第4763110号商標の指定商品中『第30類 菓子,パン,氷砂糖,水あめ』について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」に、また、請求の理由中に記載されている指定商品を「菓子,パン,氷砂糖,水あめ」に補正し、要旨「本件商標の指定商品中の『氷砂糖,水あめ』は、その記載の態様(『菓子,パン』とは独立して記載されていること及び調味料の商品群中に記載されていること)から、『調味料としての氷砂糖・水あめ』と解されるとともに、『菓子としての氷砂糖・水あめ』と類似であることは、類似商品・役務審査基準から自明の事項であるので、当該補正は、不明確な記載の釈明に相当し、要旨を変更するものではない。」旨の回答をした。
前記4の手続補正書により、本件審判の審理の対象たる指定商品の範囲は、要旨の変更とならない範囲内において明確な表示に補正されたものと認められる。
被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第5号証によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標をその請求に係る指定商品中の「菓子」について使用していたものと認められる。
一方、請求人は、上記3の答弁に対し、何ら弁駁していない。
したがって、本件商標の指定商品中、請求に係る商品「菓子,パン,氷砂糖,水あめ」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。