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Trademark Appeal Case

不使用取消の有無

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2007−300531(T2007−300531/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2456015号商標の指定商品中、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く)を除く),交流発電機,直流発電機」,第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機」及び第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第2456015号商標(以下「本件商標」という。)は、昭和57年2月10日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療用機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成4年9月30日に設定登録され、その後、平成14年6月5日に指定商品を第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第8類「電気かみそり及び電気バリカン」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」、第10類「家庭用電気マッサージ器」、第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」、第12類「陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」、第17類「電気絶縁材料」、第21類「電気式歯ブラシ」とする指定商品の書換登録がされたものである。

2.請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「第7類 起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く)を除く),交流発電機,直流発電機」、「第9類 配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機」及び「第12類 陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」について、その登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。と申し立て、その理由を次のように述べ甲第1号証を提出している。

(1)請求の理由

(1−1)被請求人の所有する本件商標は、昭和57年2月10日に出願(商願昭57−10776号)され、平成2年2月8日の出願公告(商公平2−11140号)を経て、平成4年9月30日に「旧第11類 電気機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(医療用機械器具に属するものを除く),電気材料」を指定商品として登録されたものである。

(1−2)本件商標は平成14年4月16日に存続期間の更新登録がされ、同年6月5日に前記1のとおり指定商品の書換登録がされたものである。

(1−3)本件商標は、その指定商品中、第7類、第9類及び第12類の前記1の商品について、継続して三年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかによって使用された事実は存在せず、また、現在においても使用されていないものである。従って、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。

以上、請求人は、請求の趣旨通りの審決を求めるものである。

(2)弁駁の理由

(2−1)平成19年7月17日付提出の答弁書において、被請求人は、本件商標を本件請求に係る指定商品中「第9類 配電用又は制御用の機械器具」について、本件審判の請求の登録前三年以内から現在に至るまで使用しているものであることから、本件商標に係る登録は取消されるべきではない旨主張すると共に、乙第1号証ないし乙第19号証を提出している。

しかしながら、被請求人の提出した書証を見る限り、本件商標は商品「第9類 配電用又は制御用の機械器具」について使用されているとは到底言い難いものであるので、この点について、以下に具体的に弁駁する。

(2−2)答弁書によると、被請求人は、本件商標を「第9類 配電用又は制御用の機械器具」、即ち、「排水施設等非常時の警報を集中管理するシステムと各施設に配置する配電用又は制御用の機械器具(処理施設用監視端末)」、「工場の排水処理等の監視、機械設備の異常監視や各種センサーを集中管理するシステムと各施設に配置する配電用又は制御用の機械器具(処理施設用監視端末)」について使用していると主張し、その書証として乙第1号証ないし乙第9号証を提示している。

しかしながら、乙第3号証及び乙第4号証、乙第6号証ないし乙第9号証のパンフレット、展示パネル、被請求人のウェブサイトの抜粋に表わされた商品は、「排水施設等非常時の警報を集中管理するシステム」たる「水処理施設遠隔監視・運用監視システム」に関するものであり、また、乙第1号証及び乙第5号証の写真に表わされた商品は上記システムを構築するための一要素に過ぎない「処理施設用監視端末」に関するものである。

このことは、被請求人のホームページ抜粋(乙第7号証)において「SOFINET WATER EX は、親局(中央監視局)に汎用パソコン、施設側には環境条件に配慮した専用の端末機で構成されている」と記載されていること、乙第3号証及び乙第4号証のパンフレットの裏表紙の「最適なシステム構築を実現するラインナップ」の項目の中で「中央監視親局」、「移動監視局」、「ネットワークコントロールユニット」等と共に「処理施設用監視端末」が記載されていることからも窺い知れるところである。

このような状況及び上記「処理施設用監視端末」はこのシステムのみに使用される専用の端末であることをも考慮すると、当該端末はこのシステムの「部品及び附属品」の範疇に属するものであり、この観点からすると、被請求人が商標を使用している商品は、各構成要素の商品を含んだシステムそのものであると言うべきものである。

そして、被請求人が使用している商品である「水処理施設遠隔監視・運用監視システム」は、施設等の運転状況をパソコンで遠方監視し、収集したデータを分析することが可能なシステムであり、この商品は乙第2号証の注文書の内訳にも示されているように「遠隔監視装置」と言うべきものである。

そこで、この「遠隔監視装置」が、商標法上どの商品カテゴリーに分類されるかについて考察すると、特許庁のIPDLの中で提供されている「商品・役務名リスト」においては、「モニター付監視装置(Monitoring apparatus,electric)」、「ダム遠隔監視制御装置」等の記載が「電気通信機械器具(「電子応用機械器具」)」に属する商品として例示されており(甲第1号証)、このことからすると、被請求人の「遠隔監視装置」も、かかる商品カテゴリーに属するとするのが妥当である。

従って、乙第1号証ないし乙第9号証を以って被請求人において使用しているという商品は、第9類の「電気通信機械器具」(及び「電子応用機械器具」)のカテゴリーに属する商品であり、「配電用又は制御用の機械器具」のカテゴリーに属する商品ではないので、これらの書証を以って、本件商標が「配電用又は制御用の機械器具」に使用されているという被請求人の主張は到底認められるものではない。

なお、被請求人は、これらの書証以外に乙第10号証ないし乙第19号証も提出しているが、これらは、単に、社旗、バッチ、封筒等に本件商標が用いられていることを示すに過ぎず、具体的な商品との関係で本件商標が使用されていることを何ら証するものではないので、本件商標が請求に係る商品について使用されているか否かの判断に際して、全く考慮に値しないものである。

(2−3)上述のように、本件商標は本件請求に係る指定商品について使用されていないものであるが、本件商標の使用時期に関しても、商標法第50条に規定する「本件審判の請求の登録日前三年以内」に本件商標が使用されているとは言えないものであるので、この点についても以下に述べる。

まず、前記答弁書によれば、被請求人は、本件商標は、少なくとも平成8年8月以来現在に至るまで使用されていると主張し、その本件商標の使用時期の裏づけとして乙第2号証ないし乙第4号証を提示している。

しかしながら、乙第4号証の旧パンフレット(平成8年8月)には、全く本件商標が表わされておらず、乙第2号証の注文書(平成10年7月13日)にも、何ら本件商標は表わされていないものであるが、仮に、この平成8年8月、平成10年7月の時点で、本件商標が付された製品が取引に資されていた事実があったとしても、その本件商標の使用は「本件審判の請求の登録前三年以内の使用」に該当しないことは明らかである。

また、乙第3号証の新パンフレットには、表紙下方に本件商標が表わされているものの、このパンフレットは平成19年6月に印刷されているものであり、本件審判の請求の登録日である平成19年5月18日よりも後であることから、このような本件商標の使用も「本件審判の請求登録前三年以内の使用」に該当しないことは明らかである。

従って、被請求人が提示した証拠は、商標法第50条に規定する「本件審判の請求登録前三年以内の使用」に該当しないものであり、故に、本件商標についての使用の立証はなされていないものである。

(2−4)以上詳述したように、乙第1号証の1ないし乙第19号証によっては、被請求人は、商標権者等が本件商標を本件審判の請求の登録前三年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品「配電文は制御用の機械器具」について使用された事実を何ら立証するものではなく、また、本件請求に係る他の指定商品について使用された事実も何ら立証されていないものである。

3.被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。と答弁し、その理由を次のように述べ証拠方法として、乙第1号証ないし乙第21号証を提出している。

(答弁の理由)

(1)審判請求人は本件登録商標の指定役務中「第7類 起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機、直流発電機」、「第9類 配電用又は制御用の機械器具,回転交流機,調相機」及び「第12類 陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」について継続して三年以上日本国内において商標権者等が使用しておらず、商標法第50条第1項の規定に該当しその登録は取消されるべきである旨、主張している。

これに対し、被請求人は以下の如く答弁する。

(2)本件商標の商標権者である日本ソフト開発株式会社は、本件商標を第9類「配電用又は制御用の機械器具」につき少なくとも平成8年8月より現在に至るまで継続して日本国内において使用している。

乙第1号証(農業集落排水処理施設 原地区処理場に設置したSOFINET WATER配電制御盤写真)、乙第2号証(平成10年7月13日付、藤吉工業株式会社との契約に係る、農業集落排水処理施設 原地区処理場へのSOFINET WATER配電制御盤設置工事注文書の写し)、乙第3号証(「SOFINET WATER」の新パンフレット(平成19年6月発行))、乙第4号証(「SOFINET WATER」の旧パンフレット(平成8年8月発行))、乙第5号証(「SOFINET WATER処理施設用監視端末」写真)、乙第6号証(「SOFINET WATER」の展示パネル写真)、乙第7号証(日本ソフト開発株式会社ホームページ「SOFINET WATER」紹介ページ)に示すように、本件商標の商標権者である日本ソフト開発株式会社は、排水施設、マンホールポンプ場、簡易水道施設、湖沼・河川の水質や非常時の警報を集中管理するシステムと各施設に設置する配電用又は制御用の機械器具、及び乙第8号証(「M−SCADAシステム」のパンフレット))、乙第9号証(日本ソフト開発株式会社ホームページ「M−SCADAシステム」紹介ページ)に示すように、工場の排水処理、排ガスの監視、機械設備の異常監視や各種センサーを集中管理するシステムと各施設に配置する配電用又は制御用の機械器具を製造販売している。

そして、商標権者である日本ソフト開発株式会社は、乙第1号証(農業集落排水処理施設 原地区処理場に設置したSOFINET WATER配電制御盤写真)、乙第2号証(平成10年7月13日付、藤吉工業株式会社との契約に係る、農業集落排水処理施設原地区処理場へのSOFINET WATER配電制御盤設置工事注文書の写し)、乙第4号証(「SOFINET WATER」の旧パンフレット(平成8年8月発行))、等に示すように、少なくとも平成8年8月より現在に至るまで継続して、本件商標を配電用又は制御用の機械器具に付して使用している。

また、商標権者(日本ソフト開発株式会社)は、乙第3号証(「SOFINET WATER」の新パンフレット(平成19年6月発行))、乙第4号証(「SOFINET WATER」の旧パンフレット(平成8年8月発行))、乙第5号証(「SOFINET WATER」の展示パネル写真)、第8号証(「M−SCADAシステム」のパンフレット))、乙第9号証(日本ソフト開発株式会社ホームページ「M−SCADAシステム」紹介ページ)等に示すように、少なくとも平成8年8月より現在に至るまで継続して本件商標を配電用又は制御用の機械器具に関するパンフレット、展示パネル、ホームページに付して「配電用又は制御用の機械器具に使用している。

尚、乙第7号証(日本ソフト開発株式会社ホームページ「SOFINET WATER」紹介ページ)に示すように、現在、当該配電用又は制御用の機械器具は日本全国700プラントに設置されている。

実際に、乙第1号証(農業集落排水処理施設 原地区処理場に設置したSOFINET WATER配電制御盤写真)に示すように、商標権者日本ソフト開発株式会社は、処理施設用監視端末としての開閉器、継電器、遮断機、配電盤等からなる配電制御盤の配線函体に本件登録商標を印字により付し、当該本件商標を付した配電用又は制御用の機械器具を、滋賀県蒲生郡日野町の農業集落排水処理施設 原地区処理場に納入し設置している。

この乙第1号証所載の配電用又は制御用の機械器具については、乙第2号証(平成10年7月13日付、藤吉工業株式会社との契約に係る、原地区処理場へのSOFINET WATER配電制御盤設置工事注文書の写し)所載のように、商標権者日本ソフト開発株式会社は、乙第1号証所載の原地区処理場に当該配電制御盤を設置する工事につき、平成10年7月13日付にて藤吉工業株式会社との間で請負契約をし、当該配電制御盤の設置工事を行った。以来現在に至るまで農業集落排水処理施設原地区処理場には、本件商標を付した配電用又は制御用の機械器具が設置されている。

また、乙第4号証(「SOFINET WATER」の旧パンフレット(平成8年8月発行))最終頁に所載の処理施設用監視端末の項に掲載された配電制御盤の配線函体前面写真及び見開き頁に所載のシステム説明図に掲載された処理施設用監視端末の配電制御盤の配線函体前面写真に示すように、商標権者(日本ソフト開発株式会社)は、少なくとも平成8年8月以来現在に至るまで、本件商標を配電制御盤の配線函体すなわち配電用又は制御用の機械器具に付し、これを製造、販売している。

乙第5号証(「SOFINET WATER処理施設用監視端末」写真)に示すように、当該処理施設用監視端末すなわち配電用又は制御用の機械器具に本件商標を付している。

また、乙第3号証(商標権者日本ソフト開発株式会社製造、販売に係る本件商標を付した「SOFINET WATER」新パンフレット(平成19年6月発行))に示すように、処理施設用監視端末すなわち配電用又は制御用の機械器具が掲載されたパンフレットに本件商標を付している。

乙第7号証日本ソフト開発株式会社ホームページ「SOFINETWATER」紹介ページに示すように、処理施設用監視端末すなわち配電用又は制御用の機械器具が掲載されたホームページに本件商標を付している。

乙第8号証(「M−SCADAシステム」のパンフレット)及び乙第9号証(日本ソフト開発株式会社ホームページ「M−SCADAシステム」紹介ホームページ)に示すように、本件商標の商標権者日本ソフト開発株式会社は、本件商標を使用して工場の排水処理、排ガスの監視、機械設備の異常監視や各種センサーを集中管理するシステムとその配電用又は制御用の機械器具の掲載されたパンフレット及びホームページに本件商標を付している。

乙第10号証に商標権者、日本ソフト開発株式会社ホームページのトップページを示す。

乙第11号証に商標権者が本件商標を使用して製造、販売する宝飾業総合管理システムのホームページを示す。

乙第12号証に本件商標を付した社旗の写真を示す。

乙第13号証に本件商標を付したネオンサインの写真を示す。

乙第14号証に本件商標を付したバッチの写真を示す。

乙第15号証に本件商標を付した小旗の写真を示す。

乙第16号証に本件商標を付したパーテーションの写真を示す。

乙第17号証に本件商標を付した封筒を示す。

乙第18号証に本件商標を付した封筒を示す。

乙第19号証に本件商標を付した封筒を示す。

以上述べように、本件商標の商標権者である日本ソフト開発株式会社は少なくとも平成8年8月より現在に至るまで継続して「配電用又は制御用の機械器具」につき本件商標を使用していることは明らかである。

(3)しかして商標権者は乙第1号証ないし乙第19号証に示すように指定商品中「配電用又は制御用の機械器具」について本件登録商標登録取消審判請求前より継続して本件登録商標を使用しているものであり、本件登録商標は指定商品中「第7類 起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機、直流発電機」、「第9類 配電用又は制御用の機械器具,回転交流機,調相機」及び「第12類 陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」につきその商標登録を取り消されるものではない。

(第二答弁の理由)

乙第1号証及び乙第5号証に表された「SOFINET WATER配電制御盤」こそ、まさしく所要の制御のために電力の分配を行うための配電制御盤であり、「第9類 配電用又は制御用の機械器具」にほかならない。

すなわち、株式会社三省堂発行「大辞林」1916頁及び1310頁(乙第20号証)所載のように、配電盤とは「変電設備や電力系統の監視と制御を行うために設ける装置。監視のための計器や表示灯、制御のための各種スイッチが設けてある。」を意味し、制御盤とは「機械・装置の遠隔操作において、制御用の計器類・スイッチ類を一か所に集中設備した盤」を意味するものであるが、乙第1号証の右上写真に一見して明らかなように、本件商標が付された「SOFINETWATER配電制御盤」が電源装置、複数系統の開閉器(スイッチ)、継電器、制御筺及び電力系統を分配するための複数の配電端子および制御端子を電気ケーブルで接続した配電制御盤である。

そして制御とは、株式会社コロナ社発行機械工学全書「自動制御基礎理論」4頁〜5頁(乙第21号証)所載のように、「ある目的に適合するように対象となっているものに所要の操作を加えること」をいい、配電制御盤が電力会社より受けた電気を適当に変成し、その使用目的、制御目的に応じて配電を行う配電用又は制御用の機械器具であることは電気設備、電気工学において周知のことである。

したがって、配電制御盤がある使用目的やシステムのために設置されるのは当然のことであって、水処理施設遠隔監視という目的があるからといって配電制御盤自体を当該システムの一要素に過ぎないとし、水処理施設遠隔監視・運用監視システム、遠隔監視装置は、電気通信機械器具に属するものであるので、本件商標を「配電用又は制御用の機械器具」に使用していないと

する請求人の主張には無理があると言わざるを得ない。

4.当審の判断

被請求人が、本件商標をその指定商品中、取消請求に係る商品中の「配電用又は制御用の機械器具」に使用しているとして提出した乙各号証をみるに、乙第1号証は、撮影年月日の不明な写真(7葉)であり、これらの写真は「農業集落排水処理施設 原地区処理場」と施設の名称版が塀に埋め込まれた建物の近景写真(一枚)、配電盤と思われる機器の全体写真及び拡大(部分)写真からなるものであり、これら写真からは、本件商標及び被請求人の名称は機器の下部に表示されていることは認められるものの、いかなる装置のどの部分に設置されているものか不明なものといわざるを得ない。

また、乙第2号証は、平成10年7月13日に請負業者が発行したと認められる被請求人宛の注文書(写し)と認められるところ、日付が本件審判請求の登録前3年以内のものでないばかりか、工事名称は「日野町 原地区処理場追加(1)」と記載されており、その内訳欄には「遠隔監視装置」と記載されているものであり、本件商標は、どこにも表示されていない書面であって、本件商標の使用に係る商品の不明な書面といわざるを得ない。

さらに、乙第3号証は、被請求人の発行に係る「SOFINET WATER EX」、「水処理施設遠隔監視・運用管理システム」と表題の付された製品カタログ(実物、カラー)と認められるものであるが、このカタログにも、表面及び裏面の下部に本件商標及び被請求人の名称が表示されているが、該カタログの裏面下部には印刷日と認められる「平成19年6月」の年月が記載されてあり、これも本件審判請求の登録前3年以内のものでない。仮に、これが本件審判請求の登録前3年以内のものであるとしても、カタログに掲載されている機器は、上記の水処理施設遠隔監視・運用管理をサポートする中央監視親局のシステム及び子局端末機に関するものとみるのが相当であり、「配電用又は制御用の機械器具」についてのものとは認め難いものである。

そして、被請求人から提出された乙第4号証ないし乙第19号証は、いずれも作成年月日の不明なもの、本件商標が表示されていないもの、及び本件商標が用いられていても具体的な商品との関係で本件商標を使用していることが立証されていない等の証拠ばかりであり、本件商標が商品「配電用又は制御用の機械器具」に使用されていることを立証するものではないといわざるを得ない。他に、上記の認定・判断を覆す証拠の提出もないものである。

そうとすると、被請求人の提出に係る乙各号証によっては、本件商標が、本件取消請求に係る指定商品について、使用されていたことを証明する証拠は見当たらない。また、被請求人が本件商標の使用をしていないことについて、正当な理由があったものとは認めることはできない。

また、被請求人は、第二答弁において「乙第1号証及び乙第5号証は『SOFINET WATER配電制御盤』を表している。」旨述べ、「配電盤」及び「制御」の意を説明しているが、辞書に記載の内容は認め得るとしても、各証左に表された内容は上記のとおりであり、「配電制御盤」及びこれに類する記載はどの証左にも見うけられないものであるから、その主張は認めることはできない。

してみれば、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標をその指定商品中、取消請求に係る「第7類 起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機、直流発電機」、「第9類 配電用又は制御用の機械器具,回転交流機,調相機」及び「第12類 陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。)」について使用していたものとは認められない。

したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中、本件取消請求に係る上記商品の登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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