結論テキスト
審判費用は被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2007−890005(T2007−890005/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4883654号商標(以下「本件商標」という。)は、「OculusGen」の文字を横書きしてなり、平成17年2月8日に登録出願、第10類「義眼,外科用人造皮膚,その他の医療用の補助器具及び矯正器具,眼科用機械器具,角膜曲率計,ガルヴァーニ電気治療機械,外科用植込みレンズ(人工眼内代用物),外科用インプラント(人工材料),眼内レンズ,医療用分析装置,その他の医療用機械器具」を指定商品として平成17年7月29日に設定登録されたものである。
請求人が引用する登録第574293号の2商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、昭和34年10月29日に登録出願、第18類「理化学、医術、測定、写真、教育用の器械器具、眼鏡及び算数器の類並にその各部」を指定商品として昭和36年6月10日に設定登録された登録第574293号商標の商標権の分割に係るものであって、第18類「医術用器械器具、測定用器械器具並にその各部」を指定商品として昭和41年8月4日に商標権の分割移転の設定登録がされ、その後、昭和56年8月31日、平成3年7月30日及び平成13年4月17日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成15年8月6日に、第8類「ピンセット」、第9類「測定機械器具(天文用のものを除く。)」及び第10類「医療用機械器具(蹄鉄機械器具・電気医療機械・電気補聴器・妊娠帯を除く。)」を指定商品とする書換登録がされたものである。
同じく、登録第834698号商標(以下「引用商標2」という。)は、「オクルス」及び「OCULUS」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和41年4月4日に登録出願、第10類「医療機械器具、測定機械器具」を指定商品として昭和44年10月16日に設定登録され、その後、昭和55年6月27日、平成元年10月23日及び平成11年6月15日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
同じく、登録第4430676号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成11年5月12日に登録出願、第10類「医療用機械器具」を指定商品として平成12年11月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、以下、引用商標1ないし引用商標3を総称して、単に「引用商標」という。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第32号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)無効事由
本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、同法第46条第1項第1号により、無効にすべきものである。
(2)無効理由
本件商標は「Oculus」の文字と「Gen」の文字を組み合わせたものではあるが、その構成が例えば「Oculusgen」や「OCULUSGEN」のように一連に書いたものであれば格別、組合せが一体として特定の観念を生じないので、別々の概念を組み合わせたものであると認識されるものである。
まず、「Oculus」であるが、これは「眼」を意味するラテン語で、1895年創業以来請求人が永年使用している商号の要部であるのに対し、商標権者のホームページによれば本件商標はインプラント用コラーゲンのマトリックスに使用されており、「Gen」はコラーゲン(collagen)の「gen」に由来すると思われ、接頭辞や接尾辞を表すものではない(甲第5号証)。
従って「Gen」が直接コラーゲンを想起させるものではないにしろ、「Oculus」とは異質のものであり、全体で一般に親しまれた特定の意味合いを有する既存語とは認められないから、本件商標より「オクルスゲン」の一連の称呼の他、「オクルス」の略称を以て取り引きに資されることも考えられ、この場合、「オクルス」の称呼が生ずることが明らかな引用商標1ないし引用商標3とは互いに称呼上類似するものである。
[商標法第4条第1項第15号]
請求人は1958(昭和33)年4月に大阪市在(その後兵庫県西宮市に移転)中央産業貿易(株)と総代理店契約を締結して以来50年近く同社を通じ双眼倒像等の眼科用機械器具を販売しており、同業界では一定の知名度を得ている(甲第6〜第29号証)。
そのような市場に本件商標を付した同ー又は類似の商品が参入すれば請求人と何らかの関連(使用権の許諾を受けている等)があるかの如き、その出所につき誤認混同されることは不可避と考える。
(3)むすび
以上、本件商標と引用商標とはその余を詳論するまでもなく称呼上類似する点において商標法第4条第1項第11号に、又引用商標の著名性において本件商標の「眼科用機械器具」への使用は、請求人との関係において商品の出所の混同を来すことから同法第4条第1項第15号に該当する。
被請求人は、請求人の上記主張に対し何ら答弁していない。
(1)請求人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。なお、各号証の枝番は○付き数字の為、単に数字に置き換えることとする。
(ア)甲第9号証の1ないし8は、請求人と総代理店契約を締結している中央産業貿易株式会社(以下「通常使用権者」という。)の発行(作成年月日は不明)する商品パンフレットと認められるところ、商品「視機能検査機」等の該パンフレットには、「OCULUS」、「Oculus」、「オクルス」の各文字及び図形と「OCULUS」の文字との組合せからなる別掲(2)のとおりの引用商標3とほぼ同一の標章が掲載されている。
(イ)甲第11号証の1ないし51は、「日本眼科学会雑誌」(平成9年4月10日ないし平成17年8月10日発行)と認められるところ、該雑誌の商品「角膜形状解析装置」等の広告頁には、「OCULUS」、「Oculus」、「オクルス」の各文字及び引用商標3とほぼ同一の標章が掲載されている。
(ウ)甲第13、第14の1及び16号証は、日本白内障学会総会のプログラム(2005年6月10日発行)等の広告頁と認められるところ、該プログラムの広告頁には、「OCULUS」、「Oculus」、「オクルス」の各文字及び引用商標3とほぼ同一の商標が掲載されている。
(エ)甲第19号証の1ないし9は、通常使用権者が発行する納品書(98年7月3日ないし98年7月24日発行)と認められるところ、該納品書には、標章「OCULUS」と共に、商品明細欄に「網膜対応異常レンズ ステレオバゴリーニ」「額帯式 手術用拡大鏡×2.5」等が記載されている。
(オ)甲第27号証は、在日ドイツ商工会議所(1988年4月発行)のパンフレットの紹介記事と認められるところ、該紹介記事には、「Oculus」の文字及び引用商標3とほぼ同一の標章が掲載されている。
(2)請求人主張の理由及び上記の認定事実を総合すると、引用商標が、本件商標の登録出願時には既に請求人の業務に係る「角膜形状解析装置」「視機能検査機」等の「眼科用機械器具」について使用する商標として、眼科用機械器具を取り扱う分野の業界において広く認識されていたものというべきであり、その状態は本件商標の登録査定時においても継続していたものと認められる。
(3)本件商標は、前記1のとおり、全体として特定の意味を持つものとは認められない「OculusGen」の文字を書してなるところ、該構成文字は、第1文字の「O」のみならず後半部に位置する第7文字の「G」の文字も大文字で表されていて、通常の外国語の表記方法と異なるといえるものであるから、「Oculus」と「Gen」の二語よりなるものと言い得るものである。
そして、該構成文字の前半部の「Oculus」の文字部分は、引用商標の文字部分と綴り字を同じくするものである。
また、引用商標が著名性を有する商品は、角膜形状解析装置、視機能検査機等の「眼科用機械器具」に関連する商品であり、一方、本件商標の指定商品中には、「眼科用機械器具」を包含しているものである。
そうすると、被請求人が本件商標を、引用商標の商品と高い関連性のある「眼科用機械器具」を含むその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、これより容易に引用商標を連想、想起するというべきであり、該商品が請求人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認して、その結果、請求人の業務に係る商品との間に出所について混同するおそれがあるものといわなければならない。(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号について検討するまでもなく、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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