結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300256(T2007−300256/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
1.本件商標
本件登録第4523533号商標(以下「本件商標」という。)は、平成12年12月6日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第16類「新聞」を指定商品として、同13年11月22日に設定登録されたものである。
2.請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、日本国内において、商標権者(又は通常使用権者)によって指定商品「新聞」について継続して使用されていないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。
(取消原因)
本件商標は、片仮名「アラタ」を大きく描き、その上段に小さく「生活を愉しむ生活発見新聞」(「生活を愉しむ」の「生活」の文字部分は、「加齢」の誤記と認められる。)、下段に欧文字「ARATA」を鍵括弧内に表してなり、第16類「新聞」を指定商品として、平成13年11月22日に商標登録され、現在有効に存続しているものである。
本件商標の使用状況については、調査の結果によれば、以前、標章「アラタ」の使用に係る定期刊行物(いわゆる「フリーペーパー」)が北海道札幌市において無償で配布されていたことがあるが、その実態は商標法上の「商品」には該当しないものであった。また、同刊行物は既に数年前に廃刊となっていることが判明した。
したがって、本件商標は商標法第50条所定の取消要件を充足するものと思料されるので、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。
(2)弁駁の理由
被請求人は、答弁書において、平成11年10月20日から月刊フリーペーパー「アラタ」と称し、平成16年9月20日まで60号を発行してきたと述べ、「アラタ」と題する印刷物の2004年(平成16年)10月号等を提出している。
商標法は商標による出所表示機能を保護するものであり、商標法上の商品といえるためには、出所表示機能を保護する必要のあるものでなければならない。しかし、それをもって足りるものではなく、商標法には「商品」を定義した規定はないが、商標登録が認められるのは自己の業務に係る「商品」又は役務について使用をする商標であると定められており、「商品」という言葉の本来的な意味からして、営利を目的として商取引の対象となる有体物であるとされている。
この印刷物は、毎月20日発行の無料新聞とみられるものであって、外形上は本件請求に係る「新聞」に見える。その表紙に、本件請求に係る登録商標と同一と見られる「アラタ」等の文字からなる標章が題号として表示されている。しかし、その表紙にも明記されているように、この印刷物は購読者に対しては「無料」で提供されたものである。被請求人は、これが商取引の対象として市場において交換されたものであることを何ら明らかにしていない。そして、前記標章はその新聞の題号として使用されており、無料で入手できる一般購読者に対して、その出所を示すために用いられているかも知れないが、何らかの商取引に当たってその新聞の出所を他から識別するために使用されたものではない。
3.被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ証拠方法として、休刊号の新聞、発行会社の存続関係書類(写し)及び商標権譲渡契約書(写し)を提出している。
(答弁の理由)
本件商標を付した新聞は、平成11年10月20日から月刊フリーヘーパー「アラタ」と称し、平成16年9月20日まで、60号を発行してきたが、取引先の民事再生手続申立てに連鎖し休刊に至っている。
その後、発行会社存続の見込みが立つに及び、商標権の譲渡を終了し、再刊の準備を協議中である。
4.当審の判断
本件審判において被請求人より提出された新聞現物(カラー)によれば、この新聞は、2004年9月20日発行(通刊61号)のもので、全24頁のタブロイド判で、発行(者)は、「(株)CWE」と記載されており、これは被請求人(本件商標権者)の商号の英文字表記と認め得るものである。 そして、新聞名として、第1面の最上部より「加齢を愉しむ生活新聞」、「アラタ」(他の文字に比して極めて大きく表わされている。)及び「[ARATA]」の各文字が表示されていることが認められる。
そうすると、提出に係る上記新聞(現物)によれば、本件商標権者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、本件商標の指定商品「新聞」について使用していたと認めることができる。
しかして、請求人は、弁駁書で「この印刷物は、毎月20日発行の無料新聞とみられるものであって、外形上は本件請求に係る『新聞』に見える。
しかし、その表紙にも明記されているように、この印刷物は購読者に対しては『無料』で提供されたものであるから、何らかの商取引に当たってその新聞の出所を他から識別するために使用されたものではなく、商標法上の商品といえない。」旨主張している。
確かに、当該新聞の第1面の発行者の下部に「無料」と表示されているが、これを以て、直ちに該新聞「アラタ」が商標法上の商品(営利を目的として商取引の対象となる有体物)ではない、と決めつけることは出来ない。 なぜなら、商標法上の商品は、商取引の対象であるから、商品が売買契約の目的物であるなど、対価と引換えに取引されるのが一般的であるが、商取引は、契約の種類が売買契約である場合に限られるものではなく、営利を目的として行われる様々な契約形態による場合が含まれ、対価と引換えに取引されなければ、商標法上の商品ではないということはできない。取引を全体として観察して、商品を対象にした取引が商取引といえるものであれば足りるものと解される。
そうしてみると、当該新聞の無料紙は、第1面を除く各頁には各種企業の広告宣伝が掲載されており、配布先の購読者からは対価を得ていないが、これら各種企業の広告主から広告料を得て、経費を賄い、利益が得られるようにしたビジネスモデルにおいて配布されるものであり、このような形態の取引を無料配布部分も含め全体として観察するならば、商取引に供される商品に該当するといえるものである。
そうとすれば、購読者に無料で提供されていることのみを以て、当該新聞が、商取引の対象となる商標上の商品ではない、と結論づけることはできない。
そして、該新聞「アラタ」に表示されている発行年月日からすれば、本件審判請求の登録(平成19年4月3日)前3年以内に本件商標の指定商品についての使用と認め得るものであり、該新聞は、取消請求に係る本件商標の使用の要件を具備しており、他にこれを取り消すべき理由は見当たらない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者により本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求に係る指定商品「新聞」について、使用されていたものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきものではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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