結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300982(T2007−300982/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第3044209号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成4年9月25日に登録出願、第35類「広告,広告用具の貸与」を指定役務として同7年5月31日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(商標公報及び商標登録原簿)を提出した。
請求人が調査したところ、商標権者(被請求人)が本件審判請求前継続して3年以上国内において、本件商標をその指定役務について使用したという事実は認められない。
また、本件商標の登録原簿を参照したが、本商標権について、専用使用権者及び通常使用権者に関する設定登録はなされていない。
したがって、本商標権については、専用使用権者又は通常使用権者も存在しないと推定できる。
以上より、本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第12号証(枝番を含む。)を提出した。
商標権者は、本件商標を第35類の指定役務「広告、広告用具の貸与」について、本件審判請求前継続して3年以上日本国内において使用している。(1)指定役務中「広告」における登録商標の使用について
(ア)商標権者が指定役務の対象とした広告媒体は広告用具であり、この広告用具を「Instand(インスタンド)」の名称で、平成元年2月以降現在に至るまで継続して販売し、役務を提供し、貸与してきた。
この広告用具は、平成15年8月に印刷・配布した乙第1号証のカタログ及び平成17年9月に印刷・配布した乙第2号証のカタログに記載されているように、商標権者が米国Nomadic Display社(以下「ND社」という。)の日本総代理店として、顧客から受注した広告用具をND社から取り寄せて顧客に送付する方式をとっており、その提供を受けた顧客は広告板、掲示板、看板等の用途に使用している。乙第1号証及び乙第2号証のカタログの3頁上欄に、広告用具に掲示する「フォトパネルはオリジナルオーダーで制作する」こと、その下欄に「グラフィックパネルはすべてオリジナルオーダーのため、内容により見積させていただきます。」と記載されているとおり、これらは顧客の注文に応じて制作し、その制作費を受領していることが明らかである。乙第2号証の2は、上記のうち、乙第2号証のカタログと併せて宣伝用のCD−ROMも制作したもので、その費用に関する発注先からの請求書である。
また、商標権者は、従来からインターネット・ホームページで上記広告用具をカラーで宣伝しており、これを乙第3号証として添付する。この資料では、全頁の左上に本件商標を表示し、その4、5頁には乙第1号証及び乙第2号証と同様に「グラフィックパネル」及び「PVCパネル」は全てオリジナルオーダーのため、内容により見積をすることが記載されている。
更に、取引書類として乙第4号証ないし乙第7号証を提出する。
乙第4号証は、2006年4月21日付あづまフーズ(株)宛ての請求明細書・納品書であり、乙第5号証は、2006年6月20日付(財)広島観光コンベンションビューロー宛ての出荷報告書・納品書であり、乙第6号証及び乙第7号証は、2006年8月31日付及び2007年3月1日付のカメヤマ(株)名古屋支店宛ての請求明細書・納品書である。
(イ)商標権者は、商談を受けた際、顧客から事前に使用の目的・場所・方法・期間などの情報を得て、それに適した広告用具の種類・使用(展示)方法などについて商標権者が企画・設計に参画したりアドバイスしたり、注文仕様の掲示物を制作して提供している。その例を挙げると、前面のグラフィック・パネルに顧客の社名を掲載したり、顧客の注文した写真のサイズ・色彩等を調整しデジタル出力してパネルにしたり、掲示する文章を作成するなどの役務提供である。
そして、その費用・手数料を「データ加工費」(乙第4号証、乙第6号証及び乙第7号証参照)、「オリジナルグラフィックパネル」(乙第4ないし7号証参照)、「社名オリジナルパネル」(乙第4号証参照)や「ポジスキャニング代」(乙第5号証参照)等の費目で顧客から受領している。
これらの使用証拠書類において、乙第1号証及び乙第2号証のカタログにおいては、表紙と裏表紙に、乙第3号証では全頁に、乙第4ないし7号証の「請求明細書」や「出荷報告書」には全て右肩に、本件商標を表示しており、出荷する広告用具及びその部品、付属品やその包装にも本件商標を表示している。
(ウ)商標権者の上記営業行為は、第35類「広告」中の「広告文の作成、ショーウインドーの装飾」等に該当し、また、2007年1月1日に日本国内で発効した国際分類の第9版により、第35類における指定役務「広告」の範囲内として追加された「広告宣伝物の制作、広告の企画」に該当している。
なお、添付した「納品書」に「東邦企画株式会社」の名称が記載されているが、同社は、商標権者の100%子会社であり、商標権者における上記広告用具の受注・企画・輸送等に際して商標権者と一体的な営業活動を行っている。
(エ)その他、商標権者は、東京オフィス・ショールーム(都内中央区日本橋3−12−2、朝日ビル1階)で長年にわたり上記広告用具を展示し、顧客への宣伝・説明・受注等の営業活動を行ってきた。
展示した例として乙第8号証(「鉄鋼新聞」2004年10月13日発行)を添付する。演奏者の後部に上記広告用具の写真がある。該新聞にはカラー写真で掲載されたので、その状況を示す写真も添付する。また、他の広告用具展示例として、2003年12月19日に開催した演奏会の写真を乙第8号証の2として、2004年3月12日に開催した演奏会の写真を乙第8号証の3として添付する。
(2)指定役務中「広告用具の貸与」における本件商標の使用について
商標権者は、「広告用具の貸与」についても、本件審判請求前継続して3年以上、役務を提供し、かつ、本件商標を使用してきた。
添付した乙第9ないし12号証の「INSTADレンタル見積書」及び「同、出荷依頼書」から明らかなように、商標権者は広告用具の貸与も業務として継続してきた。
乙第9号証は、2004年2月5日付(株)ソニーファイナンスインターナショナル宛てのレンタル見積書であり、乙第10号証は、2005年l0月3l日付タマノイ酢(株)宛てのレンタル見積書であり、乙第11号証は、2006年9月6日付ライズ(株)宛てのレンタル見積書であり、乙第12号証は、平成19年4月26日付デイプラス・インターナショナル宛てのレンタル・出荷依頼書である。また、同号証の2は、上記の者に対する貸与期間(平成19年4月26日〜平成19年5月15日)を経て返却された広告用具中の照明灯の写真2葉(平成19年6月6日撮影)であり、写真2葉には、照明灯の裏面に本件商標がラベルで貼付されている。
そして、これらの貸与に関し、乙第1号証及び乙第2号証のカタログにおいては、表紙と裏表紙に、乙第3号証では全頁にそれぞれ本件商標を表示し、乙第9ないし12号証の広告用具、その部品、付属品やそれらの包装に本件商標を表示してきたことは、上記(1)の「広告」に関する説明と同様である。
(3)以上のとおり、商標権者は、本件商標を第35類の指定役務「広告、広告用具の貸与」について、本件審判請求前継続して3年以上日本国内において使用しているものである。
(1)被請求人の提出に係る乙第2号証(平成17年9月作成に係る商標権者のカタログ)、乙第3号証(商標権者のインターネット・ホームページ)、乙第4号証ないし乙第7号証(2006年4月21日付、同年6月20日付、同年8月31日付及び2007年3月1日付の取引書類)及び乙第8号証(2004年10月13日付「鉄鋼新聞」)を総合してみれば、被請求人(商標権者)は、米国Nomadic Display社の日本総代理店として、広告用具である「Instand(インスタンド)」を該社から輸入し、顧客が該広告用具を広告板、掲示板、看板等の用途に使用できるように、顧客の注文に応じて、該広告用具の使用の目的・設置場所・使用方法・使用期間などの情報を得て、それに適した「Instand(インスタンド)」の種類・使用(展示)方法などについて、企画・設計に参画しつつ、例えば、前面のグラフィック・パネルに顧客の社名を掲載したり、顧客の注文した写真のサイズ・色彩等を調整しデジタル出力してパネルにしたり、掲示する文章を作成する等をして、注文仕様の広告用具を制作し提供していたものと認められる。
そして、乙第2号証のカタログには、該広告用具である「Instand(インスタンド)」に関する説明等とともに、その表紙と裏表紙に本件商標が表示されており、また、乙第3号証のインターネット・ホームページにも上記と同様の説明とともに、その全頁の左肩に本件商標が表示されており、更に、乙第4号証ないし乙第7号証の取引書類にもその全ての書類の右肩に本件商標が表示されていることを認めることができる。
また、乙第8号証(2004年10月13日付「鉄鋼新聞」)によれば、被請求人は、東京オフィス・ショールームにおいて、上記広告用具を展示し、顧客への宣伝・説明・受注等の営業活動を行ってきたものと認められる。
(2)上記した「広告文の作成、広告宣伝物の制作、広告の企画」等は、取消請求に係る第35類の指定役務中の「広告」の概念に含まれるものであり、また、乙第2号証のカタログや乙第4号証ないし乙第7号証の取引書類等に本件商標を付して展示し、配布した行為は、指定役務である「広告」についての本件商標の使用に該当するものと認められる。
(3)以上を総合してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録(平成19年8月17日)前3年以内に、日本国内において、本件審判の請求に係る指定役務中の「広告」について、本件商標の使用をしていたことを証明したものということができる。
この点について、請求人は、何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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