結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2007−300592(T2007−300592/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4330512号商標(以下「本件商標」という。)は、「インパクト」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成9年12月16日に登録出願、第7類「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」を指定商品として同11年10月29日に設定登録されたものである。
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標についての登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録は取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁の要旨
本件商標の指定商品は「装置(類似群コード09A68)」であるところ、被請求人が乙各号証により本件商標を使用しているとする商品は、商品区分第7類の「化学機械器具」に属する「フィルターあるいは濾過機(類似群コード09A06)」であって、本件商標の指定商品について使用しているとはいえない。このことは、乙第2号証をはじめ乙号証の多くにおいて、「フィルター」と記載されていることからも明らかである。また、乙第15号証によれば、インパクト2フィルターの型番「A2AZ000K1」の外形寸法は、「59.5(W)・82.5(D)・94(H)mm」であり、軽く手で持てる程度の大きさであるから、このような小さなものを「装置」として認識することは常識的に不可能である。
乙第8号証ないし乙第10号証(取引書類)についても、フィルターを注文した事実は認めるが、本件指定商品についての使用を証明したことにならない。
仮に、乙第2号証の「フォトリソグラフィープロセス」に説明されているシステム全体に「インパクト」が使用されているならばともかく、乙第2号証の「フォトリソグラフィープロセス」に用いられる部品が本件証拠として提出されたレジスト濾過フィルターであることは疑う余地もない。
そうとすれば、「半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」に証拠として提出されたフィルターが含まれることはないものといわなければならない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第24号証を提出した。
(1)本件商標は、審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件商標の通常使用権者である日本インテグリス株式会社(以下「日本インテグリス」という。)により、審判請求にかかる指定商品である第7類「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」に使用されているので、商標法第50条第1項の規定には該当しない。
(2)本件商標の使用者について
本件商標の通常使用権者である日本インテグリスは、被請求人の日本法人である。
乙第1号証は、被請求人のウェブサイトであり、乙第2号証及び乙第3号証は、日本インテグリスの会社案内である。日本インテグリスは、米国法人マイクロリス・コーポレイションが米国法人インテグリス・インコーポレーテッドと2005年8月に対等合併し、新生インテグリス・インコーポレーテッドとして発足したのに伴い、両法人の日本子会社であった日本マイクロリス株式会社とインテグリスジャパン株式会社が合併して、2006年1月に誕生したものである。以下の証拠資料において、「マイクロリス」、「Mykrolis」、「Mykrolis Corporation」、「マイクロリス・コーポレイション」、「日本マイクロリス株式会社」等の表示があるのは以上の事情によるものであり、これらは、日本インテグリス及びインテグリス・インコーポレーテッドと同一視し得る存在のものである。
(3)使用に係る商標について
使用に係る商標としては、「インパクト」ばかりではなく、証拠資料中には、「Impact」、「IMPACT」が表示されているものも存在するが、これらは本件商標と社会通念上同一の商標と認められるべきものである(以下の説明においては、「Impact」又は「IMPACT」をも「本件商標」と称することがある。)。
(4)使用に係る商品について
本件商標を使用している商品は、乙第2号証の第13頁において「フォトリソグラフィープロセス」に係る商品の一つとして、本件商標が記載されている商品があり、乙第18号証の「フォトケミカル用フィルター製品カタログ」中に、本件商標が記載されているところから、本件商標に係る使用商品は、「半導体の製造工程において使用するフォトケミカル用フィルター」(以下「本件使用商品」という。)であるといえる。
そして、この本件使用商品が本件商標の指定商品「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」であることは、乙第11号証から明らかである。
乙第11号証「インパクト2フィルター」によれば、当該カタログに記載の商品は、「超高分子量ポリエチレンメンブレン(膜)が使用」されており、「ハウジングが高密度ポリエチレン製」であり、「フォトレジストのろ過」に適した「フィルター」である(付言すると、「フォトレジスト」とは、感光性有機物質であって、光によって反応する化学物質を溶媒に溶かしたものであり、代表的な光化学物質である。)。
「フィルター」が「濾過装置」であることに疑問はなく、「フォトケミカル」は文字通り「光化学」物質であり、本件使用商品のハウジング部はプラスチック製であり、フィルター部はプラスチック製のメンブレン(膜)からなるものであるから、本件商標の使用商品「半導体の製造工程において使用するフォトケミカル用フィルター」は、本件商標の指定商品である「半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」に他ならないものである。
(5)本件商標の使用の事実
(ア)商品の包装に登録商標を付する行為
本件使用商品は、第一次包装としてビニール袋(二重)に封入され、更に第二次包装のダンボール箱に入れられて出荷される。ラベルは内側のビニール袋と包装箱に貼付されている。乙第4号証は、ラベルが貼付されたダンボール箱の写真であり、乙第5号証は、ダンボール箱に収められたビニール袋入りの本件使用商品の写真であり、乙第6号証は、外側のビニール袋を取り去った本件使用商品の写真である。乙第7号証は、ラベルの拡大写真であり、ラベル上には本件商標「Impact」及び製品の型番「A2AZ000K1」が印刷されている。この型番は、後述の乙第8号証(販売リスト)や乙第10号証(ウェブ版カタログ)に記載の型番と一致するものである。
以上のとおり、本件商標は、商品の包装に付することによって使用されている。
(イ)商品の包装に登録商標を付したものを譲渡する行為
乙第8号証は、2006年12月分の日本インテグリスの「インパクト」商品の販売リストのプリントアウトであり、乙第9号証及び乙第10号証は、前記リストに記載された販売に対応する注文書写しである。
これらにより、型番「A2AZ000K1」によって特定された商品が本件取消審判の請求登録前3年以内に入江株式会社及び株式会社エム・エー・シーに販売されたことが明らかである。
(ウ)商品に関する広告に登録商標を付して展示する行為
乙第11号証として「インパクト 2 フィルター」ウェブ版カタログ、乙第12号証として「インパクト Plus フィルター」のウェブ版データシート(2006年2月27日の日付あり)、乙第13号証として「マイクロリス PCM シリーズ」ウェブ版カタログ(「インパクト 2 PCM フィルター」を含む)、乙第14号証として「インパクトSR LHVD フィルター」ウェブ版データシート(2006年2月27日の日付あり)を提出する。これらのカタログ及びデータシートは、日本インテグリスのウェブサイトにおいて何人も閲覧することができるものであり、同社が社会的責任をもって公開している情報である。
更に、乙第15号証として、「インパクト2 マニホールド 取扱説明書」(2007年3月26日の日付あり)を提出する。これは製品の購入者に配布される説明書である。
以上の乙第11号証ないし乙第15号証においては、本件商標「インパクト」、「Impact」が明瞭に表示されており、これらのカタログ類には日付の記載がないものもあるが、日付の記載のあるものは、いずれも本件取消審判の請求登録前3年以内のものである。
乙第19号証として、半導体製造技術・装置・部品材料などが一同に会する世界最大の展示会である「セミコン・ジャパン2004」(2004年12月1日より3日まで開催)の「出展社案内」の抜粋コピーを提出する。日本マイクロリス株式会社(日本インテグリスの前身)の出展製品欄中に、「フォトリソ(グラフィ)用『インパクト2』0.01μmフィルター、フォトリソ(グラフイ)用『インパクト2PCMフィルター』」が記載されており、同展示会において、本件使用商品が本件商標を付した製品紹介パネル等と共に展示されたことを示唆するものである。
同じく、「セミコン・ジャパン2006」(2006年12月6日より8日まで開催)の「出展社案内」の抜粋コピーを第20号証として提出する。日本インテグリスの出展製品欄に「フォトケミカル用ワンタッチフィルター『インパクトシリーズ』」が記載されている。両展示会の開催期間は、いずれも、本件取消審判の請求登録前3年以内である。
以上のとおり、商品に関する広告に商標を付して展示することにより、本件商標が使用されていることは明らかである。
(6)むすび
したがって、本件取消審判請求の予告登録日である平成19年5月29日以前3年以内に、本件商標の指定商品「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」について、本件商標は、その通常使用権者である日本インテグリスにより使用されている。
よって、本件商標は、商標法第50条第2項の規定により、その登録を取り消されるべきものではない。
(1)被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
乙第1号証は、被請求人のウェブサイトからの抜粋プリントアウトであり、乙第2号証及び乙第3号証は、日本インテグリスの会社案内であり、これらによれば、日本インテグリスは、米国法人インテグリス・インコーポレーテッドの日本子会社であって、本商標権についての通常使用権者と推認し得るものである。
そして、乙第2号証の13頁には、「フォトリソグラフィープロセス」に使用されている製品の一つに「Impact」の商標が表示されており、該製品と同じ商品と認められるものが後述の乙第17号証の「インテグリスの液体用フィルター関連製品」欄に「フォトケミカル用フィルター」として掲載されており、また、乙第18号証の「フォトケミカル用フィルター製品カタログ」中に本件商標が記載されているところから、被請求人が本件商標を使用している商品は、「半導体の製造工程において使用するフォトケミカル用フィルター」であると認められる(以下、この商品を当審の判断においても「本件使用商品」という。)。
乙第4号証ないし乙第7号証は、本件使用商品の包装状態に係る写真であり、乙第4号証はラベルが貼付されたダンボール箱の写真であり、乙第5号証はダンボール箱に収められたビニール袋入りの本件使用商品の写真であり、乙第6号証はビニール袋を取り去った本件使用商品の写真である。そして、乙第7号証はラベルの拡大写真であって、ラベル上には「Impact(マルアールの記号が付されている)」及び製品の型番「A2AZ000K1」が印刷されている。
乙第8号証は、2006年12月分の「インパクト」商品販売リストであり、そのリストの中には、売上日が2006年12月25日であって、請求先が「IRIE SEISAKUSHO」のもの及び売上日が2006年12月26日であって、請求先が「MAC CO LTD」のものがあり、いずれにも型番「A2AZ000K1」の「IMPACT2」に係るフィルターが記載されている。
乙第9号証及び乙第10号証は、上記リストに対応するものと推測される注文書であり、乙第9号証は、2006年12月16日付で入江株式会社が型番「A2AZ000K1」に係る商品の注文を日本マイクロリス株式会社(通常使用権者である日本インテグリスの前身)宛てに送付した注文書であり、乙第10号証は、2006年12月14日付で株式会社エム・エー・シーが型番「A2AZ000K1」に係る商品の注文を通常使用権者である日本インテグリス宛てに送付した注文書である。
乙第11号証は、「インパクト2フィルター/Impact 2 Filters」に係るウェブ版カタログであり、乙第12号証は「インパクト Plus フィルター」に係るウェブ版データシート(2006年2月27日第7版)であり、乙第13号証は「マイクロリスPCMシリーズ」に係るウェブ版カタログであって、その中には「インパクト 2 PCM フィルター」も掲載されている。また、乙第14号証は「インパクト SR LHVD フィルター」に係るウェブ版データシート(2006年2月27日第2版)であり、各カタログ等にはそれぞれの商品についての説明が記載されている。
乙第15号証は、2007年3月26日(第2版)の日付のある「インパクト 2 マニホールド取扱説明書」である。
乙第16号証ないし乙第18号証は、いずれも通常使用権者のホームページであって、乙第17号証は「日本インテグリス 液体のろ過・精製」のページであり、「インテグリスの液体用フィルター関連製品」の紹介がされており、そのうちの一つとして「フォトケミカル用フィルター」が掲載されている。また、乙第18号証は「フォトケミカル用フィルター製品カタログ」のページであり、「インパクト2フィルター」等の製品が紹介されている。
乙第19号証は、半導体製造技術・装置・部品材料等の展示会「セミコン・ジャパン2004(2004年12月1日〜3日まで幕張メッセで開催)」に係る出展社案内の抜粋コピーであり、乙第20号証は、「セミコン・ジャパン2006(2006年12月6日〜8日まで幕張メッセで開催)」に係る出展社案内の抜粋コピーであり、いずれにおいても、日本インテグリスあるいはその前身である日本マイクロリス株式会社による本件商標を付した製品等が紹介されていることが認められる。
(2)上記において認定した事実を総合してみれば、被請求人の通常使用権者と推認し得る日本インテグリスは、「フォトリソグラフィープロセス」に使用される製品の一つである「半導体の製造工程において使用するフォトケミカル用フィルター(本件使用商品)」を提供していたことを認めることができる。なお、フォトリソグラフィ(Photolithography)とは、感光性の物質を塗布した物質の表面を、パターン状に露光することで、露光された部分と露光されていない部分からなるパターンを生成する技術であり、主に、半導体素子、プリント基板などの製造に用いられる技術である。
そして、通常使用権者は、本件使用商品に係るカタログ等に「インパクト2フィルター/Impact2Filters」等の商標を表示するとともに、幕張メッセで開催された半導体製造技術・装置・部品材料等の展示会「セミコン・ジャパン2004」及び同2006において「インパクトシリーズ」の製品等を展示し、乙第4号証ないし乙第7号証にみられるような「Impact」の商標及び「A2AZ000K1」の型番を表示した状態の本件使用商品を乙第8号証ないし乙第10号証に記載されている取引先に対して、本件審判の請求の登録(平成19年5月29日)前3年以内に販売したものと認めることができる。
しかして、本件使用商品は、乙第2号証(通常使用権者の会社案内)の13頁の記載によれば、フォトリソグラフィープロセスにおいて使用されている製品の一つであり、乙第11号証(「インパクト2フィルター」に係るウェブ版カタログ)によれば、該商品は、超高分子量ポリエチレンメンブレン(膜)が使用されており、ハウジングが高密度ポリエチレン製であり、フォトレジスト(感光性有機物質であって、光によって反応する化学物質を溶媒に溶かしたものであり、代表的な光化学物質である)のろ過に適した「フィルター」であることが認められる。
そうとすれば、「フィルター」の語は「濾過装置」を表す語であり、「フォトケミカル」は「光化学物質」であり、本件使用商品のハウジング部はプラスチック製であり、フィルター部はプラスチック製のメンブレン(膜)からなるものであるから、本件使用商品である「半導体の製造工程において使用するフォトケミカル用フィルター」は、本件商標の指定商品でもあり、請求人が取消を求めている「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」であるということができる。
してみれば、被請求人の通常使用権者と推認し得る日本インテグリスは、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品である「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」について、本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものということができる。
(3)請求人の反論について
請求人は、被請求人が本件商標を使用しているとする商品は「化学機械器具」に属する「フィルターあるいは濾過機(類似群コード09A06)」であって、「装置(類似群コード09A68)」である本件商標の指定商品について使用しているとはいえない旨主張している。
確かに、請求人が主張しているように、「装置」の語からは、比較的規模の大きな機構・構造のものを想起することが多いことを否定することはできない。
しかしながら、「フィルター(filter)」の語について各種の辞典類をみれば、例えば、岩波書店発行の「広辞苑」によれば、「濾過器、濾過装置」と記載されており、小学館発行の「国語大辞典」においても「不用なものを取り除く装置。濾過(ろか)装置」と記載されており、三省堂発行の「コンサイス英和辞典」においても「濾過器[装置]」と記載されており、研究社発行の「新英和大辞典」においても「濾過器、濾過装置」と記載されている。また、日刊工業新聞社発行の「マグローヒル/科学技術用語大辞典」によれば、各種のフィルターについて説明がされており、例えば、「[音工]他の周波数範囲の音は通過させるのに対し、特別の周波数範囲の音を拒否するような装置」、「[情報]指定された基準に一致したデータあるいは信号を、他のものと分離する装置」とあり、更に、「フィルター型呼吸用マスク」の説明においても「空気から浮遊微粒子を除去する保護装置」と記載されている。
これらの記載からみれば、少なくとも、「フィルター(filter)」の語については、その機構・構造の大小によって、「濾過器」と「濾過装置」とに峻別して用いられているものとはいい難いから、「・・・・濾過装置」と表示されている本件商標の指定商品(取消請求に係る商品でもある)の中に、本件使用商品のような小型の商品は入らない旨の請求人の主張は採用できない。
また、この点については、商品の表現上の問題ばかりでなく、本件商標の審査段階において提出された指定商品に関する物件提出書(平成10年9月17日付)との関係も考慮されるべきである。物件提出書によれば、「本願の指定商品は、主に半導体産業において使用されるフォトレジスト(露光によって耐薬品性とくに不溶性の硬膜を作る物質。写真製版のほか、印刷回路などにも利用される。)、現像液[薬]、光化学溶剤などの流体である様々な化学薬品(光化学物質)の濾過・分給において使用される使い捨てのプラスティック製フィルター(濾過器)である。」と記載されており、商品の詳細な説明とともに米国における当該フィルターの特許公報の写しと商品カタログが提出されている。本件商標は、このような物件提出書の説明や商品カタログ等をも踏まえて、「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」なる表現で登録査定がなされているものである。
そうとすれば、仮に、請求人が主張しているように、この「濾過装置」の表現に疑義があるとしても、本商標権の指定商品は、物件提出書において特定された商品について、上記の如き指定商品の表示のもとに商標登録されているものであり、被請求人が使用している商品も、指定商品において表示されているとおりの商品にして、物件提出書において特定されたとおりの商品について使用しているものと認められるから、本件商標をその指定商品について使用していることを否定することはできない。
なお、請求人も主張しているように、本件商標の指定商品には、類似群コードとして、「半導体製造装置」に付される類似群コードと同じ「09A68」の類似群コードが付されているが、これは、本件商標の指定商品が「半導体製造工程において使用される濾過装置」であって、その用途が特定されている濾過装置であることから、「半導体製造装置」の範疇に属する商品として「09A68」のコードが付されているものであり、用途が特定されている濾過装置(濾過器)は、「化学機械器具」に属する「濾過機(類似群コード09A06)」には属さないものと解されていることによるものである。
以上のとおり、「フィルター(filter)」の語についての語義上の観点及び本件商標の指定商品についての実質的な観点のいずれからみても、被請求人が使用している商品は、本件商標の指定商品についての使用であり、それは同時に、請求人が取消を求めている指定商品についての使用であるといわなければならない。
してみれば、この点についての請求人の主張は採用できない。
(4)まとめ
以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人の通常使用権者と認められる者によって、本件商標あるいは本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る「プラスチック製のハウジング部及びフィルター膜から成る、半導体製造工程において使用する、光化学物質を濾過するための濾過装置」について使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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