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Trademark Appeal Case

イオン温泉の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2007−11008(T2007−11008/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「イオン温泉」の文字を横書きしてなり、第10類及び第44類に属する願書に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成17年8月3日に登録出願された商願2005−76993に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同18年7月26日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における同年11月9日付け手続補正書により、第10類「家庭用美容マッサージ器,業務用美容マッサージ器,美容療法用レーザー装置」及び第44類「美顔のための美容,美顔のための美容に関する情報の提供,美顔のための美容に関する指導及び助言,肌の手入れに関する情報の提供,肌の手入れに関する指導及び助言,化粧品の選択又は使用法に関する情報の提供,化粧品の選択又は使用法に関する指導及び助言,理容,理容に関する情報の提供,理容に関する指導及び助言,アロマテラピーの提供,アロマテラピーの提供に関する情報の提供,アロマテラピーの提供に関する指導及び助言,エステティック美容」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『イオンを含有した温泉』であることを認識させる『イオン温泉』の文字を普通に書してなるところ、近年、イオンを配合した化粧品・石けん等の商品が製造販売され、イオンを利用した美容・理容・アロマテラピー等の役務が提供されている実情にあり、さらに、温泉水には健康や美容によいとされる各種成分が含まれていることから、温泉水や温泉成分が前記の商品・役務に利用されている実情があることよりすれば、本願商標は、その指定商品について使用するときは、単に『イオンを含有する温泉成分を配合した商品』であるという商品の品質・原材料を表示するにすぎず、また、その指定役務について使用するときは、単に『イオンを含有する温泉水(或いは温泉成分)を利用した役務』であるという役務の質を表示するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとはいえない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおりの「イオン温泉」の文字よりなるところ、その構成中の「イオン」の文字は、「正または負の電気をもつ原子または原子団。陽イオン(カチオン)と陰イオン(アニオン)がある。気体分子(原子)は、X線や放射線などの作用により電子を失うか得るかしてイオンになる。電解質は水に溶かすと電離してイオンを生ずる。」の意味を有するものであり、また、「温泉」の文字は、「地熱のために平均気温以上に熱せられて湧き出る泉。多少の鉱物質を含み、浴用または飲用として医療効果を示す。硫黄泉・塩化物泉・二酸化炭素泉などがある。日本の温泉法では、泉温セ氏25度以上か、溶存物質を1キログラム中1グラム以上含むものなどをいう。いでゆ。」(いずれも株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有するものである。

また、温泉には、リチウムイオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン等の成分が含有されている場合もあることは、温泉法(昭和23年法律第125号)第2条第1項の別表中、二の項目からも明らかである。

しかしながら、温泉は、含有される成分とその含有量などによって、色、匂い、効能等に差異を有するというべきものであるから、補正後の指定商品及び指定役務を取り扱う分野において、温泉成分を配合した商品が流通しているという実情や温泉水又は温泉成分を利用した役務が行われているという実情を考慮したとしても、いかなる温泉成分が配合されているかを特定し得ない「イオン温泉」の文字よりなる本願商標が、直ちに指定商品の品質(温泉の成分)や指定役務の質(温泉水又は温泉の成分)等を直接的かつ具体的に表示するものとして認識されるとはいい難く、むしろ一種の造語として認識・把握されるとみるのが相当である。

また、当審において職権をもって調査するも、本願の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、「イオン温泉」の文字が、商品の品質及び役務の質を表示するためのものとして、取引上、普通に使用されている事実を見出すことができなかった。

そうとすれば、本願商標は、これをそのいずれの指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、直ちに商品の品質及び役務の質を表示したものとして認識し得るものではなく、自他商品及び自他役務の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきであり、かつ、商品の品質及び役務の質の誤認を生じさせるおそれもないものである。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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