1 本願商標
本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第43類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務とし、平成18年9月25日に登録出願され、その後、指定役務については、原審における同19年6月8日付けの手続補正書により、第43類「しゃぶしゃぶを主とする飲食物の提供」に補正されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4340514号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成10年9月25日に登録出願、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同11年12月3日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲(1)のとおり、赤塗りの円2つを接触するように横に並べ、左側の円内には「八」の漢字を、また、右側の円内には「蝶」の漢字を白抜きで書し、右側の円の右下には、正方形の輪郭内に「はっ」及び「ちょう」の平仮名を2段に書し、さらに、左側の円の上には「しゃぶしゃぶ」の平仮名を書してなるところ、本願商標構成中の「八蝶」の文字は、大きく顕著に書されていることから、他の構成部分と独立して自他商品識別標識としての機能を有するものと認められる。
しかして、本願商標右下の「はっちょう」の文字は、本願商標の構成よりして、「八蝶」の読みを特定したものと解するのが自然であるから、「八蝶」の文字からは、「ハッチョウ」の称呼を生ずるというべきである。
また、「八蝶」の文字からは、「八匹の蝶」の観念を生ずるというべきである。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、灰色塗りの長方形内に、「銀座」「八兆」「GINZA HATCHO」「食酒所」等の文字を書してなるところ、本願商標構成中の「八兆」の文字は、大きく顕著に書されていることから、他の構成部分と独立して自他商品識別標識としての機能を有するものと認められる。
そして、「八兆」の文字からは、「ハッチョウ」の称呼が生ずることは明らかである。
また、「八兆」の文字からは、「一億の八万倍の数」の観念を生ずるというべきである。
そうとすれば、本願商標と引用商標とは、「ハッチョウ」の称呼を共通にする商標であるというべきである。
一方、両商標は、それぞれ前記のとおりの構成からなるものであるから、外観上、明確な差異を有し、見誤るおそれがないものであり、また、観念上も大きく相違するものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、「ハッチョウ」の称呼を共通にするとしても、外観及び観念において明らかに相違するものであるから、その外観、称呼及び観念を総合的に考察すれば、これらが取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等は大きく異なるというべきであり、両商標を同一又は類似の役務について使用した場合においても、役務の出所について誤認混同を生ずるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。