Trademark Appeal Case
「さらっとすっきり」の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−28835(T2006−28835/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「さらっとすっきり」の文字を標準文字で表してなり、第29類「アミノ酸・アロエ・オオバコ・核酸・各種ビタミン・各種ミネラル・カプサイシン・ガルシニア・キトサン・ギムネマ・グァバエキス・くちなしエキス・クミスクチン・グルコサミン・クロレラ・桑の葉エキス・高麗人参・コラーゲン・コンドロイチン・サラシア・シトラス・ジフシエキス・ジンジャーエキス・スクワレン・スターフルーツ葉エキス・スピルリナ・セラミド・大豆サポニン・大豆たんぱく・ダイダイ・テアニン・杜仲エキス・各種ハーブ・ハス胚芽エキス・バナバ・ヒアルロン酸・ビフィズス菌・フーカス・ブドウ種子エキス・不飽和脂肪酸・中鎖脂肪酸・プラセンタエキス・ブルーベリーエキス・プルーンエキス・プロテイン・ベータカロチン・ポリフェノール・マルベリー・マロニエ・ムコ多糖・松の皮エキス・食物繊維又は乳酸菌類を主成分とする粉末状・顆粒状・粒状・錠剤状・軟カプセル状・丸薬状・液状・ゲル状・ゼリー状・固形状・ウエハース状・ビスケット状又はチュアブル状の加工食品,食用油脂,乳製品,食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成18年3月20日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、原審における同年11月27日付け提出の手続補正書により、第29類「食用油脂」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『さらっとすっきり』の文字を書してなるところ、新聞記事情報に記載された事実を考慮すると、『さらっとすっきり』という表現は、飲料、酒、カレーなどの食品について食感や味覚の表現として用いられているのが認められる。そうすると、『さらっとすっきり』という表示は食品一般にさらっとすっきりした食感や味覚を意味する表示として理解されるものと認められるから、これを本願指定商品に使用した場合には、さらっとすっきりした食感や味覚を有しているという意味を理解させるにすぎず、商品の品質を表示したものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、下記の事実を発見したので、請求人に対し、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した内容は、以下のとおりである。
本願商標は、「さらっとすっきり」の文字を標準文字で書してなるところ、これを構成する「さらっと」及び「すっきり」の文字に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められるので、全体として「さらっとしていて油っこくなく、すっきりとした後味」の意味合いを理解・認識されるにすぎないものとみるのが相当である。
そうとすれば、本願商標をその指定商品中「オリーブオイル,グレープシードオイル,食用油,ごま油,マーガリン」に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
1.「さらっと」又は「サラッと」の語について
(1)「ゴールド・オブ・トロイ・オリーブオイル」の紹介で「地中海の沿岸のある一部でしか取れない、特別な地域でとれたオリーブから作られていて、独特の風味をもちながら、さらっとしていて癖がない。オリーブオイルの原産地といわれるトルコ産オリーブオイルです。」の記載がある。(http://www.rakuten.co.jp/cantinavinovino/609077/611754/)
(2)「スペイン産オリーブオイル」の紹介で「スペイン料理に欠かせないものの1つにオリーブオイルがあります。たくさん使ってもサラッとしていて全然油っこくならないし健康にもいいです。」の記載がある。(http://homepage3.nifty.com/naranja/mercado/ace_es.html)
(3)「南米チリ産グレープシードオイル」の紹介で「『ドレッシングにするととってもおいしい』グレープシードオイルは不飽和脂肪酸に富んだ美味しいオイルです。コレステロールがゼロでさらっと軽く、油特有のクセがありません。」の記載がある。(http://www.e-goyoukiki.com/goyoukiki/SeachShohinServlet?syosai=1&commongoods_cd=50&serial_no=1)
(4)1998年9月1日付け流通サービス新聞19頁には「ヒット商品この人に聞く/味の素・加治秀基氏。家庭用食用油『ピュアライトオイル』」の見出しのもとに「『第1に臭い。油は原料に含まれる成分が加熱されることで、魚のような、あるいは鉄がさびたような独特の臭いを発します。まずこの臭いを抑制しました。また油は加熱すると粘度が上昇しますが、この商品はその度合いが低い。そのため、加熱した状態でもサラサラしています。サラッとしているため油切れがよくなりました。色も限りなく透明ですっきりしています』」の記載がある。
(5)「なたね油」の紹介で「市販のなたね油は、独特の香りを脱臭剤で消し、天然の黄金色を脱色剤で薄くしたものがほとんど。そんな中、このなたね油は完全無添加で稀少。『うちのなたね油を使えば、30年前のコシがあって黄金色をした天ぷらが再現できます』揚げ物や炒めものなど、ふだん使いに最適。軽やかでさらっとした口当たりが特徴だ。」(http://store.yahoo.co.jp/jiyujin/f-037.html)
(6)1990年12月2日付け毎日新聞 東京朝刊15頁には「ゴマ油、伸びる市場 苦み少なく,サラッと人気高まる一番搾り」の見出しのもとに「今年二月に『一番しぼりごま油』を新発売した味の素。従来のゴマ油が三段階にわたって搾ったもの(三番搾りまで)をブレンドしていたのに対し、一番搾りだけを使用している。搾る回数が多いほど油かすに圧力と温度が加わるため、油の中に苦味や不純物が混ざる。しかし、一番搾りの油なら、ゴマが本来持っている香りやコクを残しながら、苦味が少なくサラッとしているというわけだ。」の記載がある。
(7)「胡麻油」の紹介で「油っぽくなく、さらっとしたごま油です。香りもなかなかいいです。」の記載がある。(http://review.rakuten.co.jp/item/1/198839_402474/1.0/)
(8)「マーガリン」の紹介で「香り豊かな風味が特長の植物性マーガリンを使用しています。軽やかでさらっとした口当たりのマーガリンはお菓子作りにとても適したマーガリンです。」の記載がある。(http://www.hyakutenmanten.com/kazenone/kaze201.htm)
2.「すっきり」又は「スッキリ」の語について
(1)2000年2月4日付け日本食糧新聞には「ボスコトスカーナエキストラバージンオリーブオイル」3月から発売(日清製油)」の見出しのもとに「ほど良く熟したトスカーナ産の新鮮なオリーブだけを使用、オリーブ本体のフルーティーさが生きている。油っぽさを感じさせない、やや刺激的ですっきりした味わいで、生のまま使うと香りとおいしさが際立つむ」の記載がある。
(2)「TOSCANOエキストラバージンオリーブオイル」の紹介で「オイルでありながら油っぽさを感じさせず、ややピリっとした刺激とすっきりとした口当たりが魅力です。」の記載がある。(http://www.bosco-olive.com/lineup/toscano.html)
(3)「イタリア産グレープシードオイル」の紹介で「日本の家庭で使われるようになったのはつい最近のことですが、くせがなく、手軽に利用できるオイルです。お子様からお年寄りの方まで。また、油の苦手な方、胃が弱い方、アトピーでお悩みの方にもお召し上がっていただけます。軽い油なので香りも後味もすっきり。」の記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/toscana/10005098/)
(4)「大陸のあげもの油」紹介で「美味しくて後味スッキリ!食べる油です 油に、人工的・化学的につくられたものが入っていると 食べたあと胸やけがしますが、自然のものだけなら胸やけせず、口の中も油分が残らずにスッキリします。」の記載かある。(http://item.rakuten.co.jp/thd/ch024/)
(5)「なたね油」の紹介で「このサラダ油は菜種を絞ったものを湯洗いという方法で精製しています。普通のものは薬品が入っていますがこちらは無添加です。なので揚げ物をしても頭が痛くなるような嫌なにおいがしません。味もすっきりしていて甘みすら感じます。安心して食べられるものをお探しの方はぜひお試しください!」の記載がある。(http://review.rakuten.co.jp/item/1/208002_639316/1.0/)
(6)2003年8月11日付け日本食糧新聞には「日清純正 香りひき立つごま油」発売(日清オイリオ)」の見出しのもとに「▽『日清純正 すっきりごま油』=太白ごま油と低温焙煎ごま油をブレンドし、苦味や焦げ臭などを解消し、油っこくなく、すっきりした風味が特徴。」の記載がある。
(7)「ごま油」の紹介で「苦味やくどさの無い、すっきりしたごま油。幅広くお使い頂けます。 恒食のごま油は、厳選した原料ごまをマイルドで均一に焙煎し圧搾のみでしぼった100%のごま油。」の記載がある。(http://hbcokinawa.as.shopserve.jp/SHOP/HR24001.html)
(8)2007年8月10日付け日本食糧新聞には「雪印 ネオソフト コーンブレンド」発売(雪印乳業)」の見出しのもとに「C=『雪印 モーニングソフト バターの風味』シリーズ新アイテム。しっかりしたバター風味。すっきりとした後味。」の記載がある。
第4 職権証拠調べに対する意見の要点
請求人は、「『さらっとすっきり』の各文字を調和よく連綴された語が、本願指定商品『食用油脂』の品質等を表示したものとして普通一般において採択使用されている事実は見当たらない。仮に、特定商品の品質等を表示するために、『さらっと』の語と『すっきり』の語を併用する場合には、それぞれの語の意味合いと、文としての意味合いとも明瞭になる表現としては、例えば、『さらっとしていてすっきりしている』、『さらっとしてすっきりした後味』、『さらっとしたすっきり感』といった記述が、商取引上は勿論のこと普通一般において採択され得る。すなわち、『さらっとすっきり』と連綴され、かつ前後に如何なる文字も伴わない本願商標は、ある種の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解できるものとはいい難く、むしろ請求人(出願人)によって創作された一種の造語であるとみるのが妥当である。したがって、本願商標は、これをその指定商品に使用するも、自他商品の識別標識としての機能を十分に具備するものである。」旨述べている。
第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり「さらっとすっきり」の文字よりなるところ、その構成中の「さらっと」の文字は、指定商品との関係において、「ねばりけのないさま。」の意味を、「すっきり」の文字は、「よけいなものがなく、あかぬけしているさま。」等の意味を有する語(いずれも、大辞林第二版 株式会社三省堂発行)であり、いずれの語も一般に親しまれているものである。そして、前記第3の職権証拠調べで挙げた「さらっと」又は「サラッと」及び「すっきり」又は「スッキリ」の語の使用事実よりすれば、本願商標をその指定商品中「オリーブオイル,グレープシードオイル,食用油,ごま油,マーガリン」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、これを特定の意味合いを有しない造語であると認識するというよりは、該商品が、「さらっとしていて油っこくなく、すっきりとした後味であること」を表示したものとして理解し、認識するというのが相当である。
そして、「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」(平成12年9月4日判決 東京高裁平成12年(行ケ)第76号)とされるように、たとえ、「さらっとすっきり」の文字が、一般に使用されていないとしても、これを構成する各単語の語義及び前記第3において示した使用事実よりすれば、前記(1)の認定のとおり理解し、認識されるというべきである。
したがって、本願商標をその指定商品中「オリーブオイル,グレープシードオイル,食用油,ごま油,マーガリン」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に該商品の品質を表示したものと理解し、認識するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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