Trademark Appeal Case
周知性認定の争点
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2007−900428(T2007−900428/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5055481号商標(以下「本件商標」という。)は、「TO YOU」の文字と「トゥーユー」の文字を二段に横書きしてなり、平成18年12月8日に登録出願、第16類「印刷物,書画,写真,写真立て」を指定商品として、平成19年6月15日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第10号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の前身である有限会社永徳(平成19年5月1日に商号変更(甲第2号証)。以下「永徳」という。)は、平成7年ころから「トゥーユー」又は「2−U」の名称を用いて、写真立て(フォトフレーム)や花瓶、グラス、ワインボトル等にオリジナルメッセージを刻む商品の制作を行っており、1998年7月からはインターネット上にウェブサイト(甲第3号証)を立ち上げ、現在では、ウェブサイトのみならず、携帯サイトからでも注文を受けられるようにしている。統計を取り始めた平成13年9月から平成19年7月までの累計受注件数は、61,660件であり、平成18年度の売上高実績は、約1億円である。
永徳は、1999年(平成11年)9月29日に、2000年ミレニアム用の記念商品の製作についてのプレスリリースを発表するなどして販売促進に努めてきた(甲第4〜6号証)。また、永徳の業務は、新聞やテレビでも取り上げられ(甲第7〜16号証)、さらに、インターネット検索サイトYAHOO!JAPAN及びGoogleにおいて、「トゥーユー」で検索を行うと、永徳の運営するウェブサイトが検索結果の一番上に表示される(甲第17、18号証)。その結果、「トゥーユー」及び「2−U」の表示(以下「申立人表示」という。)は、永徳ないし申立人(以下「申立人ら」という。)の営業表示として、需要者に広く知られているものである。
したがって、本件商標は、需要者に広く認識されている申立人表示と同一又は類似の商標であり、申立人表示が使用される商品「写真立て(フォトフレーム)」と同一又は類似の商品に使用されるものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
前述のとおり、申立人らが自己の営業名称として申立人表示を使用してきた結果、申立人表示は、需要者において周知性を有しているものであるから、本件商標は、これをその指定商品について使用するときには、申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、指定商品中「写真,写真立て」について、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)申立人表示の著名性について
甲第4号証によれば、永徳は、1999年9月29日に、2000年ミレニアムを記念して、“2000”をモチーフにしたデザインを刻んだワインやフォトフレームを発売する旨のプレスリリースを頒布したと推認されるところ、該プレスリリースには、その発信元の「ホームページ」欄に、「2u−to you−(有限会社 永徳)」などの記載が認められる。また、甲第8号証(Nikkei PC Beginners 21 2000 Vol.10)には、「2u(to you)」の表示のもと、永徳の取扱いに係るものと認められる「フォトフレーム」について、「・・メッセージをレリーフ(彫刻)したグッズを作れるサービス。」と紹介され、さらに、甲第9号証(2005年3月5日付け日本経済新聞)には、「トゥーユー」の表示のもと、永徳の取扱いに係る「フォトフレーム」について、「オリジナルメッセージを刻むことができます。」と紹介されたことが認められる。
しかし、本件商標の登録出願前における「フォトフレーム」についての紹介記事は上記3件のみであり、その他、本件商標の登録出願前に発行されたと認められる証拠(甲第7、10〜15号証)の多くのものは、ワインボトルにオリジナルメッセージを刻むことができるといった内容のものであり、ワインボトル以外の商品は、リングスタンド、ペーパーウェイトである。
また、永徳のパンフレット(甲第5、6号証)は、作成年月日、発行部数、頒布地域等が不明である。さらに、申立人の主張する受注件数及び売上高実績を裏付けるに足る証拠の提出はなく、これらの数字がいずれも「フォトフレーム」についてのみのものであると認めるに足る証拠の提出もない。
そうすると、申立人の提出した証拠によっては、申立人らの業務に係る商品「フォトフレーム」(なお、「フォトフレームへの彫刻」は、申立人らの業務に係る役務として独立して取引の対象となっているものとの証拠が提出されておらず、商品の販売に付随したサービスとの見方もできる。)を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたという事実を認めることはできない。その事実は、2000年9月21日から2006年9月23日までに、フォトフレームを購入した顧客から申立人のもとに寄せられた24件の感想(甲第20号証)によっても到底認められるものではない。
したがって、申立人表示が申立人らの営業表示として、需要者に広く知られているとする申立人の主張は、採用することができない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
前記(1)のとおり、申立人表示は、申立人らの業務に係る商品「フォトフレーム」を表示するためのものとして、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたものとは認めることができないから、申立人表示の周知、著名性を前提に、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当するとの申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきである。
したがって、本件商標は、これをその指定商品中、登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、これに接する需要者をして、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
(3)以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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